サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

清水エスパルス 2014年登録メンバーから考察

■スタッフ

監督     アフシン・ゴトビ

コーチ   内田一夫

コーチ   コッサ

コーチ   栗山友文

コーチ   ジュリオ

理学療法士      ダニエル・ブーレ

アスレティック・トレーナー           大友仁

トレーナー         若松昌典

トレーナー         大沼理貴

通訳(監督担当  遠藤洋

通訳(韓国語)    福元順哉

ホベイロ           中山喜仁

 

■選手背番号

1 GK 櫛引政敏

2 DF 李記帝

3 DF 平岡康裕

4 DF カルフィン・ヨン・ア・ピン

5 DF 村松大輔

6 MF 杉山浩太

7 MF 本田拓也

8 MF 石毛秀樹

9 FW 長沢駿 (←松本/期限付き移籍終了)

10FW 大前元紀

11FW 高木俊幸

13FW 樋口寛規 (←岐阜/期限付き移籍終了)

15MF 藤田息吹

16MF 六平光成

17MF 河井陽介

18FW ミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチ (←ケルン)

19DF デヤン・ヤコヴィッチ (DCユナイテッド)

20MF 竹内涼

21GK 相澤貴志 (←町田)

22MF 村田和哉

23MF 高木善朗 (←ユトレヒト)

24MF 高木純平

25DF 三浦弦太

26FW 柏瀬暁 (NYコスモス/期限付き移籍終了)

27DF 廣井友信

28DF 吉田豊

29GK 高木和徹 (←清水ユース)

30MF 金子翔太 (JFAアカデミー福島)

31GK 三浦雄也

32FW 鍋田亜人夢

33FW 加賀美翔

 

 

■移籍選手

ラドンチッチ      (→水原三星/期限付き移籍期間満了→大宮/完全移籍)

姜成浩             (→東京V/期限付き移籍)

柴原誠             (→福島)

枝村匠馬          (→名古屋/期限付き移籍)

伊藤翔             (→横浜FM

林彰洋             (→鳥栖/期限付き移籍→完全移籍)

八反田康平      (→仙台/期限付き移籍)

イ・ミンス          (→栃木/期限付き移籍)

岡根直哉          (→栃木/期限付き移籍)

瀬沼優司          (→栃木/期限付き移籍)

内田健太          (→富山/期限付き移籍)

白崎凌兵          (→富山/期限付き移籍延長)

高原寿康          (→町田)

橘章斗             (→未確定)

犬飼 智也        (→松本/期限付き移籍延長)

 

 

■期待のかかるそれぞれのポジション

□スタッフ

大きな変更はなく、ゴトビ監督4年目のシーズンとなる。コーチやスタッフも知ったか顔となり、就任当初のような戸惑いはないだろう。静岡の生活にも慣れた頃。それだけにそろそろ結果への期待が大きくなる。

 

GK

GK4人。若手の多い陣容だが昨年後半から正GKの座を掴んだ櫛引が1番となり、チームの絶対的守護神として期待がかかる。高原の抜けた穴は同じくベテランの相澤を町田から獲得。経験値に期待したい。新加入の高木和はサイズもあるし、しっかり成長してほしい。特に、プレミアリーグでは得点王の金子のシュートを止めまくったということなので大いに期待している。

 

DF

DF8人。今年も村松はDF登録だ(笑)。CBには現役カナダ代表のデヤン・ヤコヴィッチが加入(愛称はデッキーです)。188cmと高さもあり、CBとしての起用が考えられる。昨年終盤は杉山がCBで起用されているなど、層の薄かったポジションだけに期待は大きい。

同様にSBの人選も気になる。キャラの左SB起用なども考えると選択肢は豊富に。右も左もできる吉田が一番手だろうが、イ・キジェ、河井、石毛も昨年に続いて構想にあるのかもしれないし、藤田、三浦弦の可能性もあるか。

 

MF

MF登録は11人と最大。そして、チーム内で最も競争の激しいポジション。主にボランチでプレーする選手が多いが、そこに加えて攻撃的なポジションでもプレーできるという選手が複数人いるのがこのチームの特徴とも言える。特に杉山、竹内、河井、本田という中盤でオールマイティにプレーできる選手を揃えているだけに、ゲーム中でも頻繁にポジションやシステムを変えるという戦術もある。守備専門で考えると、DF登録の村松、本田が一番手になる。これが一番守りは固いかも。

攻撃的なポジションでは、オランダ帰りの高木善に期待がかかる。本人も言うように、中央での仕事が得意ということで、サイド攻撃の多いチームの中でどのようなアクセントになるか。そして、弟のラストパスを兄がゴールするというホットラインはいつ見られるのか。想像するだけでもワクワクする。

また、ここにジョーカー役の村田に加え、河井や石毛、2年目の六平や新加入の金子などサイドや中央でプレーできる個性豊かな選手が揃う。このポジションはJ1の中でも本当に層が厚い。

 

FW

FWの登録は6人。最も注目されるのはノヴァコヴィッチだろう。昨年は大宮で12得点。単純に考えると、伊藤(6得点)、ラドンチッチ(6得点)の穴を埋めたことになる。ただ懸案材料もある。それは怪我。今年で35歳になるし、昨年の大宮では26試合に出場しているが怪我で離脱していた時期もある。年齢的にも無理はさせたくない。しかし、伝説にもなりそうな、スーパーボレーシュートを決めるなど技術は抜群。流石は昨年まで現役バリバリで活躍していたスロベニア代表だ。

ここに、両ワイドの大前と高木俊が加わるのが2014年の基本布陣か。この二人は過去の実績を見ても頭ひとつ抜け出ている。加えて昨年のゴール数は、大前が7、高木俊が6でチームの1位と2位タイ。そして、ノヴァコヴィッチが12点。上手くフィットすれば、3人合計で30得点は余裕でクリアできそうだ。いや、下手すれば50得点も狙えるのではないだろうか…と期待は膨らむ。

また個人的には4年ぶりに復帰した長沢の成長にも期待している。特に高さに関しては昨年までのチームに足りないピースだっただけに(何度かDFを上げてパワープレイしていたけど)、試合展開によってはノヴァコヴィッチとのツインタワーというのもあるか。

 

■トータル

9人の選手を期限付き移籍で外に出しているが、全体的にはほぼ満足できる補強となったのではないだろうか。欲を言えば昨年ブレイクした伊藤の流失を止められていたらもっと良かったが、本人の考えもあるし、更に厳しい環境を選んだ本人の意志を尊重したい。これはサッカーの世界では常だし仕方がないこと。

あとは、ゴトビ監督が数人の選手をコンバートしたこともあり、試合中、もしくは試合ごとに臨機応変に少ない人数で変化を与えることができる。そういう選手が多くいるのが今のチームの特徴とも言える。CBヤコヴィッチとCFノヴァコヴィッチというチームの前と後で、ドカンと中央に居座れる感じの大きな(身長でも)軸できたのは大きいと思われる。

 

最後に、個人的な希望になるが今年は「あっ!」と驚くような活躍をする選手の出現を期待している。藤本淳吾や兵働昭弘など前評判に違わず素晴らしい活躍をしてきた選手は沢山いるが、岡崎慎司のような愛嬌のあるキャラクターでチームを引っ張る選手がそろそろ出てきてくれても良いように思う。明るくて、チームの雰囲気だけでなく、サポーターやスタジアムを盛り上げることができる。そんな選手。街を歩いていても、「○○ちゃーん」と気軽に声をかけられるような存在が出てくると嬉しいなと。候補としては村田かな。

 

2-0は危険なスコア?

本当に20は危険なスコアなのか?

 

92回全国高校サッカー選手権大会 決勝 113日@国立

 

富山第一(富山) 32 星稜(石川)

 

得点者:

【富山】高浪奨(後半42分)、大塚翔(後半48分)、村井和樹(延長後半9分)

【星稜】寺村介(前半34分)、森山泰希(後半25分)

 

01

史上初めて北信越勢同士の対戦となった決勝は、最後の国立となる舞台で見応えのある試合を提供してくれた。今大会13得点という富山第一に対するは、無失点で勝ち進んできた星稜。まさに最強の矛と最強の盾の対決という感じだろうか。試合は、そのスタイル通り立ち上がりから富山第一の猛攻が星稜ゴールに迫る。しかし、GK近藤大河の好プレーもあり得点は生まれない。すると、押し込まれていた星稜が幸運にもPKのチャンスを得ると、10番の寺村介がしっかり決め先制点を得る。これが34分。

 

02

追いつきたい富山第一の攻撃は後半も弱まる素振りを見せない。しかし、星稜はしっかりとした守備からカウンターで好機を見出す。後半25分、中盤でボールをカットしたところから、僅か2つのパスでゴール前に迫ると最後は2年生FWの森山泰希が決めて2点差とする。今大会これまで無失点の星稜にとっては大きなアドバンテージ。この時点で誰もが星稜の勝利を疑わなかっただろう。

 

12

時計の針は進み、後半も残すところも僅か。ここから富山第一が猛反撃を見せる。後半42分、何度も狙っていた左サイドからの崩しで仕掛けると、最後は交代出場していたFW高浪奨が合わせ1点を返す。しかし、まだ星稜が優位であることに変わりは無かった。

 

22

第四の審判から3分のロスタイムが表示された。しかし、富山第一はまだ諦めない。もう少しで試合が終わる。誰もがそう思った47分、PE内に攻めこむとファールを受けPKを獲得。時間的にも決めれば同点、そして延長戦が待っている。しかし、外せば即負けというプレッシャーの中、これを大塚翔がしっかり決めて延長へ。

 

32

延長に入ると2点差を追いついた富山第一のほうに勢いがあった。勝負がついたのは延長後半9分。味方すらもビックリしたというロングスローのボールに対し、村井和樹が中央で合わせて遂に逆転。表示されたロスタイムは1分あったが、このまま富山第一が逃げ切り優勝を飾った。

 

 

中継でも使われた「20は危険なスコア」というサッカー界の格言


ザッと試合経過をまとめてみたけど、こんな感じかな。正直、富山第一がロスタイムに追いついた瞬間、これは延長でも決着がつかずにPK戦だろうと予想していた。しかし、その予想を裏切るゴールで富山第一が勝利。大逆転での優勝は満員の国立も湧いたことだろう。

 

そこで、頭をよぎったのが「20は危険なスコア」というサッカー界の格言。

 

実況のアナウンサーも言っていましたが、サッカーの試合ではよく使われる格言です。しかし、今回のように逆転、もしくは引き分けになる試合(Jリーグやプ大学のリーグ戦では勝敗を付けないため)は少ないというのが実際のところ。しかも、75分を過ぎた時点で2点差がある場合(今日の試合に限れば試合終了まで残り3分という時間)、その殆どで先制しているチームが優位にあるというのを現場でも感じています。というか、残り3分からの大逆転なんてのは、そうそう見られるものではない。

 

ちなみに、2013年シーズンではJ1の試合で2得点以上あった試合が174試合。

そのうち20(もしくは02)となった試合での勝敗は、2点差をつけたチームの2264敗。

31(もしくは13)となった試合での勝敗は、11勝1敗

42(もしくは2-4)のケースでは40敗。

打ち合いの末に31、もしくは42になればほぼ勝利は確実。2点差から一度は追いつかれることがあっても、ほとんどの場合は2点差をつけたチームが勝利を掴み、逆転負けをするパターンは僅かに5回しかない。勝率にして約77パーセントとかなり高いことがわかる。

 

ちなみに、2012年シーズンに関しては、Jスポーツの土屋ディレクターがもっと詳しく分析して、ブログでも書いているのでそちらを参考にして下さい。

http://www.jsports.co.jp/football/jleague/blog/staff-blog/2j1/

 

このことから、2点差は危険なのか?という疑問に対しての答えは、「殆どの場合は確実に勝てる。安全圏です」と答えるのが正しい。同点で引き分けになる可能性や、逆転負けとなる可能性は3割以下とかなり少ない。また、少なくとも75分頃までに1失点を喫してなければ勝利の可能性は殆ど掴んだといっていい。それは2012年のデータから出ている。

 

でも、今回のように高校選手権という、こうした注目度の高い大会、しかも決勝で2点差からの逆転勝利となればインパクトは大きい。そして、そういったインパクトの大きさが多くの人の頭にイメージとして残っているため、「20は危険なスコア」と言われるのではないかという結論に至る。

 

蛇足だが、海外でも有名な大逆転がある。こっちは2点差どこの話ではない。

UEFAチャンピオンズリーグ2004-05シーズンの決勝戦で、ACミラン対リヴァプールFCの試合だ。前半で3点差をつけたミラン。誰の目にも優位なのは明らかだった。しかし、リヴァプールが後半に入るとシステムを変更し捨て身の攻撃に出た。その結果、3得点を奪って同点に追いついて延長戦に。しかし、ここでも決着はつかずPK戦へともつれ込む。結局、最後はリヴァプールが逆転勝利を収めた。世界の頂点たる大会でもこうした試合がある。

 

2013シーズン J1リーグ戦30試合以上出場人数を比較(更新)

2013シーズン J1リーグ戦30試合以上出場人数

 

1位:

広島 9人(西川周作33、水本裕貴34、千葉和彦34、塩谷司34、青山敏弘33、森崎和幸33、高萩洋次郎31、石原直樹33、佐藤寿人34

29試合が1人(ミキッチ)

 

2位:

横浜FM 10人(榎本哲也33、栗原勇蔵31、ドゥトラ33、小林祐三33、中澤佑二34、兵藤慎剛33、中町公祐33、中村俊輔33、マルキーニョス32、藤田祥史32

29試合が1人(富澤清太郎)、28試合が1人(齋藤学)

 

3位:

川崎F 3人(田中裕介31、山本真希33、大久保嘉人33

29試合が2人(中村憲剛、登里享平)、28試合が1人(レナト)

 

4位:

C大阪 7人(キムジンヒョン34、扇原貴宏32、山口螢34、柿谷曜一朗34、丸橋祐介31、シンプリシオ31、杉本健勇)

29試合が2人(酒本憲幸、南野拓実)、28試合が2人(藤本康太、エジノ)

 

5位:

鹿島 6人(曽ヶ端準34、青木剛34、柴崎岳34、小笠原満男33、ジュニーニョ30、大迫勇也33

29試合が1人(西大伍)、28試合が1人(遠藤康)

 

6位:

浦和 9人(那須大亮32、槙野智章34、森脇良太33、宇賀神友弥31、柏木陽介34、鈴木啓太30、阿部勇樹33、原口元気33、興梠慎三33

28試合が1人(梅崎司)

 

7位:

新潟 8人(大井健太郎33、金珍洙31、三門雄大34、レオシルバ32、成岡翔34、田中亜土夢33、田中達也32、川又堅碁32

 

8位:

F東京 10人(権田修一33、徳永悠平34、森重真人33、太田宏介34、高橋秀人32、米本拓司33、長谷川アーリアジャスール32、東慶悟32、渡邉千真33、ルーカス34

 

9位:

清水 6人(平岡康裕30、村松大輔33、杉山浩太30、石毛秀樹32、河井陽介32、高木俊幸30

28試合が1人(吉田豊)

 

10位:

柏 5人(菅野孝憲33、近藤直也31、大谷秀和31、工藤壮人33、田中順也32

 

11位:

名古屋 5人(楢崎正剛34、阿部翔平32、田中隼磨34、小川佳純33、玉田圭司31田)

29試合が2人(ダニルソン、矢野貴章)、28試合が2人(増川隆洋、藤本淳吾)

 

12位:

鳥栖 6人(丹羽竜平33、金民友33、藤田直之31、高橋義希34、豊田陽平33、池田圭31

29試合が1人(呂成海)

 

13位:

仙台 5人(林卓人34、梁勇基30、太田吉彰34、富田晋伍32、ウイルソン30

29試合が1人(鎌田次郎)、28試合が1人(赤嶺真吾)

 

14位:

大宮 5人(菊地光将34、下平匠30、高橋祥平32、渡邉大剛33、チョヨンチョル33

28試合が1人(青木拓矢)

 

15位:

甲府 3人(福田健介32、佐々木翔33、柏好文34

29試合が2人(青山直晃、山本英臣)

 

16位:

湘南 6人(大野和成32、古林将太30、永木亮太33、ハングギョン30、高山薫32、菊池大介30

 

17位:

磐田 6人(駒野友一34、藤田義明32、小林裕紀31、山田大記30、金園英学30、前田遼一33

 

18位:

大分 1人(森島康仁30

29試合が1人(ロドリゴマンシャ)、28試合が2人(チェジョンハン、高松大樹)

 

 

30試合以上出場した選手が多かったクラブ

1位 横浜FM2位) 10人(榎本、栗原、ドゥトラ、小林、中澤、兵藤、中町、中村、マルキーニョス、藤田)

1位 F東京(8位)  10人(権田、徳永、森重、大田、高橋、米本、アーリア、東、渡邉、ルーカス)

3位 広島(2位)    9人(西川、水本、千葉、塩谷、青山、森崎和、高萩、石原、佐藤)

3位 浦和(6位)    9人(那須、槙野、森脇、宇賀神、柏木、鈴木、阿部、原口、興梠)

5位 新潟(7位)    8人(大井、キムジンス、三門、レオシルバ、成岡、田中亜、田中達、川又)

 

 

30試合以上出場した選手が少なかったクラブ

1位 大分(18位)  1人(森島)

2位 甲府(15位)  3人(福田、佐々木、柏)

2位 川崎F3位)  3人(田中、山本、大久保)

4位 大宮(14位)  5人(菊地、下平、高橋、渡邉、チョヨンチョル)

4位 仙台(13位)  5人(林、リャン、大田、富田、ウィルソン)

4位 柏(10位)   5人(菅野、近藤、大谷、工藤、田中)

 

■考察

単純に数字を見て思うのは、上位チームほど30試合以上出場した選手が多く、下位に向かうほど30試合以上出場した選手が少なくなっている。上位と下位を分けているのは6人。

4位に入ったC大阪が7人居るのに対して、6人だった17位磐田と16位湘南が降格している。また、5人以下のクラブはほとんどが10位以下になっている。裏を返せば、7人以上が30試合に出場するような状況(先発がある程度固定されるような状況)にあれば、リーグ戦では上位争いに加わることができると考えてもいいだろう。

別の言い方をすれば、30試合以上出場している選手が少ないクラブというのは、途中で補強などをしてチームを立て直したり、怪我人が出て控え選手がポジションを得たりしたチーム(中には若手が伸びたというチームもあるが)。しかし、それでも賞金圏内(6位以内)に入り込むのは相当難しいというのが証明されている。そして同時に、30試合以上出場している選手が多いクラブは、開幕前からある程度プラン通りにシーズンを戦えたということの現れでもあり、上位を狙うならば開幕前からのチームつくりがとても大事であるということが分かる。

しかし、その中でも例外はある。それが、川崎FFC東京。この2クラブには他に何か強い要素が加わったと思われる。これを解明するのは僕のこれからの課題。

 

30試合以上出場した選手が多かった

1位は、横浜FMFC東京が10人で最多となる。共にほぼスタメンが固定されていた印象で、そのまま数字に反映された。横浜FMはスーパーサブの藤田以外はほぼ固定のメンバーで、チーム全体の決め事もしっかり浸透されていたことが、あの堅守を形成していた要因になった可能性が高い。一方のFC東京は、ほぼメンバーが固定されていたものの順位は8位と振るわず。しかも、現役日本代表選手はFC東京が5人(権田、森重、高橋、徳永、東)も在籍している(一方で、横浜FM栗原、斎藤の2人)。

またメンバーが固定されることのメリットとして得点の高さがありそうだ。FC東京には渡邊、横浜FMにはマルキーニョスがエースとして君臨。互いの癖を理解したチームメイトの分厚いサポートを得て得点王争いを演じた。そう考えると、この2チームの差はどこにあったのか?結果、成績へと影響をした理由が気になるところ。

 

3位の広島と浦和はしっかりと最後まで上位争いに加わり、上位でフィニッシュ。そして、共に同じ[343]システムを採用するチームというのが面白い。しかし、この2チームはコンセプトが少し違う。起用されるポジションがほぼ固定されている広島に対して、浦和は2つ以上(復数)のポジションをこなしている選手が多いのが特徴ではないだろうか。そしてこの結果から見えてくるのは、チームで足りないポジションだ。広島はワイドのポジションで、浦和はGKに加え、トップ下と右ワイドになりそうだ。

 

5位の新潟は後半戦の追い上げが印象に残るチーム。もともと軸となる選手が居たところに、DFの川口尚紀(22試合)と舞行龍ジェームズ(14試合)が成長し、最終ラインを固定できたことで守備が安定したように思われる。彼らが30試合以上出場するようになれば、もっとシーズンを通して勝ち点を積み重ねる可能性が高い。また、前半戦は交代要員だった川又が、後半戦では先発の座を完全に掴んだのも大きいだろう。

 

 

30試合以上出場した選手が少なかった部門、

1位は大分。怪我人が多かったことも影響したと思われる。また、なかなか勝利に恵まれず成績が出ないことで指揮官が何度も頭を抱え試行錯誤した。その結果、システムの変更、先発起用の選手も代えたりと大変だっただろう。それでも、29試合出場のロドリゴ・マンシャや、28試合出場のチェ・ジョンハン、高松らが軸となり奮闘してチームを牽引していたことが分かる。

 

2位は甲府。やはり最後まで残留争いに巻き込まれたチーム。こちらもメンバーが固定できるのが遅かった印象を受ける。それでも守備に関しては、佐々木(33試合)に加え、青山と山本(29試合)が堅守を誇ったのが残留できた要因だろう。逆に言えば課題は明確。ジウシーニョ、パトリックが加入するまで決め手に欠けたFW陣が固定できれば、残留争いからは抜け出せるかも。

 

2位に川崎Fが居るが、この記録の中では最大のサプライズ。他のクラブと違うのは3位でフィニッシュしている点。これはとても興味深いデータ。開幕からずっと怪我人に泣かされ続けたのは間違いない。特にGKCBが固定できなかったのは痛い。しかし、そうした状況にありながらも、登里や田中の起用ポジションを変えたり、システムを変えたりして上手くやりくりをして切り抜けることができた。これは、風間監督の采配力ということになる。

 

4位は大宮、仙台、柏。

初のACL出場を果たした仙台に関してはスケジュール的にもタイト。ある程度、主力選手を入れ替えながら起用しなければならなかったこともあり、この数字は仕方がないのかなという印象。やはりACLに出るというのはリーグ戦を戦う上で体力的にも相当な負担。さらに言えば怪我などのリスクが伴うというのが、この数字からもよく分かる。

 

柏は看板である両外国人がシーズンを通して使えなかった。怪我などの問題も有り、万全の状態でプレーできなかったことでチームとしての推進力を大きく削いだように思う。また監督の辞任表明などゴタゴタしたのも影響したのかもしれない。

 

大宮は2トップ(ズラタン27試合、ノヴァコヴィッチ26試合)が30試合以上に出ていればもう少し結果が違っていたようにも思うが、正直なところはよく判らない。というか、前半戦と後半戦ではまるで別のチームになった。指揮官の交代もゴタゴタも不可解だった。

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