サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

2014年02月

Jリーグでもメディア対応専門職をいれたらどうだろうか?  ~浅田真央ちゃんの会見から~

ソチ五輪を終え、フィギアスケートで6位となった浅田真央ちゃんが帰国。外国人特派員協会で会見を行ったというニュースを見ていて、この人が皆に愛される理由、メディアに好意的に扱わる理由はここにあるんだなと思いました。

 

そして、これはサッカーの現場でも参考になると思った。

 

・森元首相の発言に関する質問にも丁寧に答える。

 

今一番知りたいのは引退に関して。

そうしたきわどい話題をダイレクトにできるのが外国人特派員らしい。はじめは何%という明言を避けたものの、その後、繰り返して「何%ですか?」と聞かれたときに、浅田真央ちゃんは少しはにかみながら、「ハーフハーフです」と答えている。

 

勿論、大会が終わったばかり。メンタル的なことを考えると、この場での発言は難しい。しかも数字を名言などできない。そんなのは彼女自身も分かっている。しかし、場の雰囲気を考えると、0%とも100&とも答えにくい。それで出た答えが「ハーフハーフ」。現役とも引退とも取れる答えを出した。日本人らしいとういえばそれまで。しかし、これで日本のメディアはTVでも新聞でも、こぞって「ハーフハーフ」という部分を使える。現役引退!とも続行!とも書ける。

 

敢えて言わせて貰えるならば、ここでハーフハーフと言えたことが彼女の経験値の高さだった。メディアに扱われる発言、影響というのをしっかり理解していることを想像させた。

 

もし、真面目な顔で、「ここでは答えられません」とか、「今は考えられません」と言ったら?

場がシラケたのは言うまでもないし、引退か?とも書かれかねない。

そうなれば、ネガティブな印象がつく。

 

では、どう答えればよかったのか。

正解はないと思う。

が、微笑して「ハーフハーフです」って言われたら、そうかまだ現役続けてくれるのかもしれないんだと好意的に世界へ情報は発信される。それでもし、数カ月後に「やっぱり体力の限界ですから引退します」でも、「気力、体力が充実するまで休んで、また現役に復帰します」とでもなんとでも発信できるし会見もできる。これなら、誰も傷つかないし、本人も考える時間を得ることができる。そういう意味では100点に近い答だったと思う。まあ、いろいろと推察すれば、そうできない理由もあるだろうが、それはここでは知りません(笑)

 

そして、問題の森本首相の「あの子は大事なところで…」に関しての質問にもしっかりと答えている。

 

「人間なので失敗することもありますし、しょうがないとは思わないけれど、自分も失敗したくて失敗しているわけではないので、それはちょっと違うのかなと思った。けれど、森さんはそういうふうに思ったのではないのかなと思いました」

 

完全否定でも避難するでもない答え。しかし、誰が悪いということはなく、その後には「私は何とも思ってないけど、森さんが少し後悔をしているんじゃないですか」と付け足して笑いを誘った。しかも、ちょっと自分の考えを入れ、きちんと主張しているのも素晴らしい。外国人記者的に言えばスパイスの効いた答だったのではないだろうか。

 

映像を見ていると終始ほのぼのした会見だったという印象を受ける。外国人記者が相手だったため、そういう雰囲気作りも影響したのかもしれない。それが良かったのかもしれない。

 

 

・サッカーの場合はミックスゾーンでの取材が殆ど

 

ではサッカーの場合はどうか。

 

ちなみに、Jリーグの場合は試合が終わると、得点した選手やゲームキャプテンなど数名がTVカメラの前で代表して質問を受け、これとは他に選手たちがミックスゾーンを通り、そのときに記者に呼ばれ質問に答えるというやり方をしている。これが通常の取材方法となる。

 

そうした場所で、きわどい質問をする記者もいる。

勝った試合後はもちろん和気あいあいとしているが、負けた試合の場合はそういう傾向が強い。

 

状況としては11、もしくは1対多数の状況。なので、ここでしっかり答えられるかどうかはとても重要。上手く説明できればいいが、意図を汲んでくれない記者もいる。そういうときにどう対応すればいいのか。

 

また、敗戦した試合の場合はその原因を求められることもあるし、退場した試合などではその責任を問う質問をしてくる場合もある。そのときには発言を避け取材を拒否するという方法もある。

しかし、これではあまり良い印象を受けないし、場合によっては「○○選手、無言で立ち去る」と書かれることもある。そうなればイメージダウンは避けられない。

 

そっとしておいてやれよ。そう思うこともあるが、結局は記事を書くメディア側としてはコメントが欲しい。駄目なら駄目で、そういうコメント(もしくは態度、対応)が求められる。こればっかりは仕方がない。避けられないとも言える。Jリーグとクラブは収益のために試合を興行としている。そして、その試合に出場した選手たちには極力取材を受けるようにと会場にはミックスゾーンが設置されているのだから。

 

ではどうするか。浅田真央ちゃんの会見から感じたのは、答えにくい質問に対しても上手くユーモアを含めて応えるという手法だ。

 

まあ、そうなるには経験も必要だ。高卒や大卒1年目の選手が多くのメディアを前にして度胸満点で受け答えをできる方が普通ではない。でも、真面目に相手のことを考えて答えていけば、多くの場合はメディア側もその意図を理解しようとする。少なくとも誠意を持って対応すれば伝わると思っている。

 

・でも足りない日本の取材対応技術

 

アイススケートを取材できていないので浅田真央ちゃんの場合は分からないのだが、他の場合を例に考えてみる。

 

例えば、アメリカの大統領や日本の政治家。彼らには裏に必ず有能なコーディネーターがいる。選挙のときは選挙に勝たせるために専門のアドバイザーを付けるし、政党から秘書としてベテランが着くなんてこともある。

TVのタレントなども一緒で、会見をする場合はそのための原稿を書いている人もいるし、見栄えを考えて服などのコーディネイトもされている。ちょっと前には映画にもなったけど、謝罪会見専門のコーディネーターなんかも居たりする。美空ひばりや石原裕次郎、吉永小百合や山口百恵、ビンクレディーなどは、そういう役割を演じていた。

勝新太郎なんかも、麻薬所持の経験で勝新太郎とはこうである!というような発言をしたけど、あれも計算されたものだったのではないかとも思える。

 

話が逸れた。

そう、要はみんなアドバイザーが居るという話。

 

TVやメディアの前で発現するというのは、多くの人に情報を拡散できるというメリットがある。しかし、その半面リスクも生じている。なので、一度発したコメントは大事だし消せない。そして、画面に映った印象や内容はとても重要となる。

 

その昔、某老舗日本料理店の謝罪会見で、女将が平謝りしている社長の隣で「頭が真っ白になった、頭が真っ白になった…」とつぶやいていた映像を見たことがある人は多いと思う。また、某食品メーカーの社長が「私は寝ていなんだ!」なんて発言したのもあったけど、これらは最悪のパターン。どこにも誠意を感じないうえに、人を馬鹿にした印象を植えつけた。こうなると、そのイメージを変えるのは無理。もう一度信用を得ることも難しい。

 

サッカー選手の場合、試合の直後ということもありアドレナリンが出た状態。そのときに冷静に受け答えをしろというのは難しい。しかし、ならばこそしっかりと対応をしたい。

 

更に言えば、そこまできちんとしたアドバイスできる立場の人が居ないのが問題だと思っている。正確に言えばクラブの広報や先輩選手たち、もしくは大学や高校の恩師、親などがアドバイスをできる立場に居るが、いずれも彼らはに専門的な知識がある場合は少ない。

 

例えば、清水エスパルスの高木兄弟には、元プロ野球選手の父というお手本が近くにいる。そのため、父親の教え、考え方や発言の仕方などはメディア対応の際にはとても役立っているだろう。実際、彼らからはそういう印象を受ける。しかし、そんな環境にいるサッカー選手は少ない。

 

Jリーグには新人研修というのもある。しかし、その年に入団した選手を一箇所に集め僅か数日でやるのではなかなか隅々まで絵が届くとは言えない。そう考えると、各クラブごとで対応するしかない。広報が積極的に教えていくか、それとも専門家を雇って定期的に講習を受けるか。そういう対応をしてもいいように思う。

 

恐らく、サッカーの場合は代理人がそうした役割を担っているが、それでも常に一緒にいるわけではないのでなかなか難しいと言わざるをえない。

 

結論としては、結局のところ今は難しいというのが答えになってしまうが…(汗)

しかし、そろそろJリーグのイメージアップのためにも「メディア対応の専門家」「アドバイザー」というのがサッカー界でも出てもいいのではないかと思う。

某クラブの広報さんは、元新聞記者だったり、元専門紙の記者だったりするので、そういう人たちの活躍がこれからも必要だし、彼らの存在がこれからニーズとなっていくのもありかなと思う。

 

いずれにしせよ、浅田真央ちゃんの会見から感じた。おいおい、そこまで話題広げすぎじゃないか?と思われるかもしれないけど以前から思っていたのでエントリーしておく。

各クラブに差がある情報の取り扱い   ~練習試合の結果などの情報公開に関しての一考~

先日、とある友人の一言から気になっていたことがある。

Jリーグのクラブは、どこまで情報を出せばいいのだろうか?

そして、メディアはどこまで情報を公開していいのだろうか?

 

取材をする立場の人間としては、あまり触れたくない話題かもしれない。しかし、敢えてこの時期に触れたいと思う。

 

 

・テーマは、クラブによる情報の取り扱いに関して。

 

 

取材を始めた頃からちょっと気になっていたのが、チームごとの情報の取り扱い。

応援するクラブのサポーターが一番気になっているのが情報。

試合結果は勿論だが、オフシーズンの移籍や加入のリリース、選手のイベント参加、メディアへの出演など多岐に渡る。

 

では、サポーターはどうやって情報を収集するのか?

 

近年はインターネットが普及したこともあって、自前でHPを持っていないクラブは皆無。だから、サポーターは応援するクラブの公式HPへアクセスして情報を得る。勿論、課金式の携帯サイトなどでも特別なコラムや情報を得ることもあるが、多くの情報は無料で手に入れられるようにになった。Jリーグ創設の頃とは環境が違い、もはやこれが当たり前の光景になった。

 

少し前までは、クラブの情報を得るにはサッカー雑誌やスポーツ新聞、オフィシャルマガジンなどを購入するか、TV番組やラジオ番組からでしかなかった。

 

しかし、最近ではツイッターやフェイスブック、Google+などSNSを利用して情報を拡散する方法も増えたため、Jリーグクラブも集客のためにそれを利用するのが当たり前の時代になってきている。広報がツイッターでつぶやいたりして、常にサポーターの欲を満たしてくれている。

 

 

・しかし、こうした公式の情報はどこまでがフリーで、どこからNGなのだろうか。

 

 

そんな情報過多となってきている昨今、その重要な情報に関してクラブはどのように扱っているのか…

 

そこで、シーズン前のこの大事な時期に、どのように各クラブは情報を取り扱っているのか以下の3点で調べた。

 

分かりやすくするため、練習試合の結果に関するリリースをサンプルにした。

そして、どのようなリリースの仕方をしたかを調べた。

 

□メンバー:試合のメンバーを公開しているか?

□試合結果:試合結果を公開しているか?

□得点者:得点者(時間)を公開しているか?

 

なぜ練習試合のデータを参考にしたのか、その理由は簡単。

この時期、最も知られたくない情報ソースだから。

そして、非公開となっていることが多いからだ。

 

 

ちょっと調べてみてすぐに感じたのは、各クラブでの練習試合の結果に関しての取り扱いは様々だということ。

 

チームニュースとして公式リリースを出しているところ、広報ブログなどの中でのみ公開しているところなど、HPで情報を見つけやすいクラブもあれば、どこにあるのか探すのに苦労するクラブも多く様々なクラブ事情が垣間見られた(Web業界的に言えば、情報の見つけにくさは公式HPもデザインや、ユーザーインターフェースの問題でもあるので一概には言えない。しかし、使いにくいということはそれだけでアピールのロスになっていると思うんだけれども(苦笑))。

 

ただ逆に言えば、こうした情報の取り扱いに関してどのようにするのかというのが、基本的にJリーグでも決まっていないということが分かった。

 

まあ当然のことだけど、基本的にこうした情報はクラブが行っているサービスの一部であるため、どこまで公開するか、しないかは、それぞれのクラブでの判断に委ねられているようだ。

 

では、J1在籍クラブからJ2クラブまでをざっと。

記号は以下のようにしている。

○:全て公開

△:一部公開

×:非公開

 

J1

【ベガルタ仙台】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【鹿島アントラーズ】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【浦和レッズ】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【大宮アルディージャ】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【柏レイソル】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

FC東京】

メンバー○

試合結果○

得点者○

※練習試合は別ページがありレポートつき。

 

【川崎フロンターレ】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【横浜F・マリノス】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【ヴァンフォーレ甲府】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【アルビレックス新潟】

メンバー△

試合結果○

得点者○

 

【清水エスパルス】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【名古屋グランパス】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【ガンバ大阪】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【セレッソ大阪】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【ヴィッセル神戸】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【サンフレッチェ広島】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【徳島ヴォルティス】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【サガン鳥栖】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

 

J2

【コンサドーレ札幌】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【モンテディオ山形】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【水戸ホーリーホック】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【栃木SC

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【ザスパクサツ群馬】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【ジェフユナイテッド千葉】

メンバー△

試合結果○

得点者△

※キャンプから非公開に

 

【東京ヴェルディ】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【横浜FC

メンバー×

試合結果○

得点者×

 

【湘南ベルマーレ】

メンバー×

試合結果○

得点者×

 

【松本山雅FC

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【カターレ富山】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【ジュビロ磐田】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

FC岐阜】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【京都サンガF.C.

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【ファジアーノ岡山】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【カマタマーレ讃岐】

メンバー×

試合結果○

得点者△

 

【愛媛FC

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

【アビスパ福岡】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【ギラヴァンツ北九州】

メンバー○

試合結果○

得点者○

 

V・ファーレン長崎】

メンバー×

試合結果○

得点者×

 

【ロアッソ熊本】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

【大分トリニータ】

メンバー×

試合結果○

得点者○

 

※得点者の△は得点者名は公開しているが、時間を公開していない場合など。また、試合ごとでメンバーが非公開の場合などを含む。

 

 

こうして見ると、試合結果はほぼ100%のクラブが何らかの形で情報を出している。

しかし、公式リリースとして出している場合、ブログ内だけで触れる場合など差があった。

 

得点者に関してもかなりバラバラ。

得点者の名前と時間までを正確に表記するクラブもあれば、得点者の名前のみという場合もあるし、得点者そのものも非公開というクラブもある。

 

メンバーに関しては多くのクラブが非公開。

公開している場合でも交代時間まで正確に表記しているクラブは少ない。

 

また、ほとんどのデータを惜しげも無く公開しているのはJ1クラブに多く、非公開にしているのはJ2のクラブに多いというのも特長のように感じた。

 

J2の中で優秀だなと思うのは東京V、京都、愛媛、北九州の4チーム。1本目、2本目、3本目など細かく先発メンバーまでを書かれているので、チーム内でどのような競争がされているのかよくわかるし、起用されているポジションなどを見てシステムなどを含め想像をしやすい。

 

勿論、クラブによっては登録ポジションでの表記というところもあるので、そのへんは少し想像を広げていかないと本当のシステムは見えてこないが、殆どのクラブが非公開としている中で素晴らしいと思った。

 

逆に、ニュースリリースとしての扱いがないクラブや、試合結果のみというクラブも多い。

これはそれぞれのクラブが決めたことなので仕方がないが、楽しみにしているサポーターにとっては不親切だし個人的には少し寂しいなと感じた。

 

 

■非公開にする理由、しない理由

 

当然、情報を出さない。非公開にするという決断もある。

そして、情報は勝敗に繋がる大事なソースであるため、非公開にするには理由がる。勝敗は賞金や順位、昇格や降格にも関係してくるので当たり前。だから、それはクラブの自由だ。

 

メンバーも得点者も非公開というのは、この時期ならば仕方がない。

控えている開幕戦のことを考えれば、対戦相手に少しでも情報を与えたくない。そういう心理が働くのは当然だし、勝利の確率を上げるために指揮官がそういう決断をするのは間違っていない。1%どころか、0.1%でも勝利の可能性を高めるというのが勝負の世界。

かつて某アラブの国の代表も、大一番を前に主力選手が怪我をしたというニュースをTV局までグルになってわざと流したりもしたし、日本代表も都並さんの怪我を試合直前までずっと隠し通した。こういう駆け引きは世界では当たり前のことだ。

 

かつて湘南を指揮した反町監督からも、こんな話を聞いたことがある。

 

五輪代表監督時代には相手チームの情報を得るために007みたいな真似事もしたし、クラブを指揮するようになってからも情報収集には余念が無かったという。

 

例えば、数日前から非公開練習をしているクラブとの対戦が控えていたとする。

しかし、反町さんは諦めない。

 

アウェイで前泊した時には地元TVのニュース、試合前日や当日のスポーツ新聞、地元新聞を絶対に目を通す。

何故ならば、地元TVや新聞にはほんの少しでも映像や写真が使われている。そして、そこには情報がある。小さくても、写っている選手の有無、ビブスを着ているか着ていないか、そのビブスの色が何色かなど。そういうところまで見ていると、僅かな可能性だが貴重な情報があるというのだ。成る程と思わせる話だった。

 

だから、どんなに非公開にしても情報がどこかから少しずつ漏れる。口コミで次情報が漏れることもある。そこを拾い集めるのも指揮官の役目だったりする。だから、クラブによっては情報を完全非公開とするのだ。

 

 

また、こんなケースもある。

 

 

クラブの公式HPでは公開しないが、いつも取材をしてくれいている番記者、メディアなどが書くぶんには目をつぶるというパターン。

これは、せっかく取材に来てくれているメディアに対しての配慮といえるのかもしれない。わざわざ取材に来てくれているのに、得点者のコメントまで書けないのでは原稿にならない。それでは申し訳ないので直接取材に来てくれたメディアに対しては少しだけど情報を出しますよ、というクラブ側の配慮だ。

 

しかし、中にはそれすらも「書かないで下さい」「聞かないで下さい」というパターンもある。

 

昔、あるクラブの担当者から聞いた話だが、リーグ戦終盤で大一番を控えた某クラブが練習試合で新システムを採用した。取材に来てくれているメディアは、いつも原稿を書いてくれて、多くの熱心なサポーターのためにクラブ情報を広めてくれている。しかし、どうしてもこの一戦だけは負けるわけにはいかない。

 

そこで指揮官が決断した答えは、自ら頭を下げることだった。

普段、戦術論やシステム論などそういう情報を一切出し惜しみしない指揮官だったが、このときばかりは頭を下げてメディアに頼んできた。だから各メディアも容認したという。

 

しかし、ならばそもそも練習試合自体を非公開にすれば良かったのではないか。完全非公開にしてメディアに憎まれても情報を出さなければよかったのに。敢えて公開してくれたのだから…というメディア側の思いもあったという。しかし、普段からの指揮官の姿勢、立ち振舞もあった。ギリギリの場面で頭を下げられた。正直な気持ちを吐露した。こういうところで男気を感じると、どんなに報道の自由だ!ジャーナリズムだ!といえど人として裏切ってはいけない一線があるんだということだ。

 

この話を聞いた時に少しゾクッとした。

 

ちなみに、取材をしている清水エスパルスは殆どの練習試合の結果を出し惜しみなくニュースリリースとして公開している。だからサポーターさんにとっては親切なクラブといえる。

 

今日も完全非公開にした練習試合だが、メンバーこそ書かれていないが、得点者や時間まで正確に記されている。こういうリリースをすれば、得点者からなんとなくメンバーは見えてしまうが、やらないのが清水エスパルスのスタイルだ。本当に真面目で素直すぎてびっくりしてしまう。

 

余談だが、元監督の長谷川健太さん時代では面白いエピソードがある。

 

ある開幕直前に行われた練習試合は非公開でのものだった。しかし、その練習試合後に囲み取材に対応した長谷川監督は「得点者は○○と○○で、結果は○○でした」といきなり言った。

 

その瞬間、囲み取材をしていた僕たちメディアは大爆笑したのは言うまでもない。

 

まあ、実はこの非公開は、「非公開」といえるほど密閉空間ではなかった…というオチもあるんだけど、指揮官自ら得点者とか結果までを話してしまうあたり…もしかしたら番記者との駆け引きが単に面倒だったのかもしれないけど、指揮官としての器が大きいなと感じたのだった。

 

長谷川健太さんは、現役時代とは違って凄く細かいところはビックリするくらい細かいし、とんでもなく厳しいのだが、メディアとの付き合い方というか距離感が絶妙で、こちらが欲する情報をこっそりと出してきたりして扱いが上手かった。

だから、不満を持たずストレスなく取材ができたと記憶している。

 

普段がこうなので、たまにクラブの広報から本気で「これは完全非公開ですので」と言われたときは素直に従うしかなくなるのだ。

こうした清水エスパルスや長谷川監督との絶妙なやりとりがあって、僕個人的には完全非公開というのはクラブ側の誠意が通じればなんの問題も無いと思っている。

 

ただ、基本的にはサッカークラブというのはサービス業なので、可能な限り情報を出しているところに関しては応援をしたいと思っている。

 

何故ならば、対戦相手に少しでも情報を与えたくないのならば、スタジアムなどを閉鎖して警備員を立て、情報を完全にシャットアウトする。そうやって完全非公開にしようと思えばできる。

 

しかし、「(おそらく)いつも応援してくれているサポーターのために」というサービス精神が根底にあり、そうしたポリシーに基づいて情報公開をしているというポリシーがあるクラブも多い。

 

だから、もしこのブログを読んで、応援するクラブがそういうクラブならば胸を張っていいと思う。俺が応援するクラブは勝負のリスクを負ってでも、サポーターの方を向いているのだ。そんな素晴らしいクラブなんだと。

 

逆に言えば、非公開にしているクラブにも理由があってそうしているということを理解しておきたいし、それはクラブのスタンスとして認めていきたい。

 

しかし、こうした情報を公開してくれているクラブに対しては敬意を持って付き合いたいと思う。

中田英寿の理論 低空バウンドシュート

216日、清水vs川崎FPSMがあったが、その試合の前には沢登さん率いる【NOBORI ALL STARS】と元祖芸能人サッカーチームの【ザ・ミイラ】が、東北復興支援オープニングマッチを行った。

 

その中で、後半から【ザ・ミイラ】チームで出場した中田英寿が、前線からプレスを仕掛けてボールを奪うと、そのままミドルレンジからシュートを放ちゴールを奪った。得点は勿論だが、その他の全てのプレーを見ていて現役復帰しても十分に通用するレベルだと感じた。

 

特に、後方からのボールをトラップし、前を向いて、背筋がピンと伸びた姿勢からのパス。もしくは、そのまま1つフェイクを入れてからのドリブルなど、現役時代を彷彿とさせるプレーだった。

 

そして、彼の決めたゴールを見たときに、ふとセリアA時代のことを思い出した。

それは、中田ヒデの癖というか哲学のように感じた。

 

 

GKの手前でバウンドするシュート

 

この試合での得点シーンを振り返る。

後半【ザ・ミイラ】チームで出場した中田ヒデは、中盤で相手ホルダーに対して背後からプレスを仕掛けてボールを奪う。すると、そのまま少しドリブルを入れ素早くミドルシュートを選択した。

 

相手ボールの状況から、高い位置でボールを奪ったシーンなので、守備陣系もまとまっていない。そこからシュートへの判断が素晴らしかった。

 

そして、放ったシュートはGKの手前でバウンドしてゴール隅に決まる。

 

そう、このシュートを見てハッとした。

 

ヒデは昔からGKの手前でバウンドするシュートを打つことが多い。

 

中田ヒデはペルージャに移籍した最初の試合でも2ゴールを決めているが、その1点目は右サイドからドリブルで仕掛けシュートを放ったもの。強引なように見えるが、GKの手前でバウンドしたボールはニアサイドを抜きネットを揺らした。

 

2点目はゴール前でのこぼれ球。ハーフボレー気味のシュートだったが、これも冷静に一度地面に叩きつけるシュートで決めている。

 

そう。中田ヒデは、シュートのシーンでは必ずといっていい程、意図的にGKの手前でバウンドするシュートを選択する。

 

勿論、状況に応じて使い分けている。コントロールしてコースを狙ったシュートや、敢えてループ気味に浮かしたシュートもある。時にはFKでパワー系のシュートを選択することもあった。

 

しかし、多くの場面で中田ヒデはGKの手前でバウンドするシュートを放つ。

 

それは何故か?

 

理由は簡単。ゴールが決まる確率が高いからだ。

 

競技は違うが、ハンドボールの場合もシュートの際には必ず一度バウンドさせろと言われる。これは、中学校の体育の時間に習った人も多いと思う。

 

何故かといえば、直線的なシュートよりも、一度バウンドさせるとGKにとってはコースを予測するのが難しく大変守り辛いからだ。そうなれば、ダイレクトに狙うシュートよりもゴールが決まる可能性が高い。だから一度バウンドさせる。

 

これを中田ヒデは当たり前のようにやっている。というよりは、毎朝起きたら歯を磨くというくらい、日常の習慣のようにやっていた。

 

 

以前、あるOB選手から「意外と、気持ちのいいシュートは試合では入らいないんだよね」という話を聞いたことがある。というのも、練習の際にインステップで綺麗に捉えたボールは打った選手も気持ちいいが、コースが単純で守るほうはやりやすいと聞いた。

豪快に決められる反面、ボールの軌道は単調。そのため、GKは予測したコース上に手を出せば簡単に弾くことができる。

 

しかし、GKの手前でバウンドするシュートはコースが読みにくい。

 

ここでもう一つ、野球を例にしてみる。

 

ピッチャーの投げる150km近いボールをキャッチャーがいとも簡単に捕球する。カーブやシュートは勿論だが、横にズレていくスライダーもほぼ確実にキャッチする。しかし、どんなに名捕手でも後逸するシーンを見たことがあると思う。大概、それはフォークボールのときか、もしくはピッチャーの投げたボールがバッターの手前でバウンドした場合などだ。

 

野手が守備に着く場合でも、「ミットを上から下に動かすな」、「ボールを迎えに行くな」、「ボールの正面に入れ」と言われる。ようは、ボールをしっかり捕るには、ボールの動きに合わせて下から上にバウンドを合わせてミットを動かすらしいのだが、バウンドするボールに上から迎えに行くと合わせられない。そして、そうしたバウンド処理が難しいため、ミスをしてもいいように体をボールの軌道上に入れておく。そうすると、最悪の場合でも体に当てることができればボールを後ろに逸らす可能性が下がる。ということになる。

 

まあ、要はストレートにくるボールに対しての対応に比べ、ワンバウンドするボールというのは入射角によってはバウンドの角度も変化する。そして、もしも芝の状況が悪ければバウンドの方向は一定ではなくなる。また、芝の状態が悪ければ大きく上にバウンドするかもしれないし、雨でスリッピーな状況ならばボールは芝の表面を滑るように走るかもしれない。

 

中田ヒデは、こうした状況を全て計算してシュートを放っている。というか、常に考えているからバウンドさせることが普通になっている。

 

しかも、常にゴールの右隅か左隅を狙うのだから、GKからすれば最悪のシュートとなる。

 

中田ヒデにしてみれば、ごくごく当たり前のことを当たり前しているだけかもしれない。

 

それはヒデの持論にある。

 

ヒデはU-17日本代表に選ばれたころ、同年代の財前宣之のプレーを見て愕然とした。本物の「ファンタジスタ」を目の前にしてヒデは自分の生き残る道を模索したのだと思う。

 

そして、考えついたのが自分が有利になる可能性を極限まで高めることと、相手になるべく多くの不確定要素を与えること。それはプレーをする上で当たり前のことなのだが、それをどんな状況でも実戦して実行することを突き詰めた。1%でも確率が高くなるのなら、それを普通にこなすこと。それがサッカーで生き残る道だった。

 

天才といわれることも多かった中田ヒデだが、実はまるで逆。真面目で理論的な性格だったのだろう。感性でプレーするのではなく、常に計算をしてリスク回避を常に考えた。そして、その中で最善の選択をする。まあ、そこまで突き詰めることができるというのはある意味では天才だったかもしれない。たったひとつの何気ないシュートシーンだったが、そこからいろいろなことを思い出した瞬間だった。

 

さて、では今のJリーグではそうしたシュートを意識しているFWは何人いるのだろうか?と、そんなことを思った。なので、Jリーグが開幕してからはFWのシュートに対しても意識して見てきたいと思う。

PSM 清水×川崎Fレポート

■清水エスパルス vs 川崎フロンターレ PSM

 216日 IAIスタジアム日本平 1330分~

 

■結果

清水 5-1川崎F

 

■得点

清水:

平岡 康裕[27分]

ノヴァコヴィッチ[46分]

長沢 駿[51分]

ノヴァコヴィッチ[68分]

カルフィン ヨン ア ピン[88分]

 

川崎F

森島 康仁[33分]

 

■先発

◇清水

----------長沢----------

高木俊----ノヴァ-----大前

------村松-----竹内-----

河井---ヨン---平岡---吉田

----------櫛引---------

 

◇川崎F

----------森島---------

可児------森谷-----金久保

------山本-----パウ----

山越---福森---谷口--武岡

----------杉山---------

 

■交代

長沢→高木善(63分)

竹内→本田(63分)

高木俊→村田(78分)

河井→六平(83分)

大前→石毛(83分)

ノヴァコヴィッチ→金子(91分)

 

川崎F

杉山→西部(HT

山本→實藤(HT

可児→大島(HT

パウリーニョ→小林(63分)

福森→中澤(65分)

森島→田中(68分)

 

■大量得点勝利から見えた強力な長身2トップ

 

関東圏では金曜日から大雪だったが、清水には雪の「ゆ」の字も感じられないほど暖かくポカポカ陽気。その中でPSMが開催された。

 

しかし、雪の影響は対戦相手の川崎Fには大有り。

川崎Fの選手に聞いてみたら「この3日間まったく練習もできない」という状況。更に、試合前日の夕方に清水へ到着した選手たちだが芝生の上で体を動かすこともできないままスタジアム入り。ピッチに立ったのは試合前の練習になってからだったという。

 

日本の大動脈、東名高速道路の封鎖などもあってバスでの移動も叶わず。各自、新幹線などで移動してきたが、こうした状況を考えると精神的な披露は勿論だが身体的な披露もあっただろう。試合途中で足をつる選手が多かったのもうなずける。だから、怪我を回避するため、動ける選手ということでスタメンには若い選手が多く名を連ねていたと思う。中村や大久保といったところは無理をさせるわけにはいかなかったと思うので、こういう先発メンバーになったのだろう。

 

そして、こういう状況でのPSMであり、結果だということを先に頭に入れておきたい。

 

 

さて、その試合だが終わってみれば51の大勝を収めた。

どんな相手でも勝利は別格。嬉しいものだ。

 

それではまず収穫から。

 

何と言っても2トップ(キックオフの並びは縦型)がゴールという形でしっかり結果を出したのは大きい。特にFWはゴールを決めることが一番の薬となるだけに、シーズン前にこれだけ得点を重ねることができれば自信を持って開幕戦を迎えることができる。

 

中でも長沢は清水エスパルスに戻ってきた今シーズン、練習試合で怒涛のゴールラッシュ(4得点)を記録しており、その好調さをこの試合でもしっかりと示した。

 

特に、ニアサイドで合わせるシュートが上手くなったし、多くなった印象がある。しかも、課題であるヘッドに力強さを加えた。ゴール以外でのシーンでも、前半と後半の立ち上がりに二度、吉田のクロスをニアサイドで合わせているがこういうシュートができるようになると、相手DFPE内でエリアを守るのではなく人にくっついていかなければならないし、厄介で怖い存在であることを認識することになる。そして、ニアに走られるということは、マークにつくCB1人がゴール前の危険なエリアから引っ張りされるということになる。となれば、ゴール前の高さは減る。

 

そうなると、もう一人の長身FWノヴァコヴィッチが活きてくる。

 

実際、この試合でも2得点したノヴァコヴィッチのシュートはどちらもファー(もしくは中)でのもの。特に前半ロスタイムのシーンは、はじめはファーに居た長沢がニアに走り、ニアにいたノヴァコヴィッチがバックステップを踏み中へ流れた。2選手がクロスの動きをした。このことでCBはマークをし辛い状況になった。

しかも、CBのマークはFWに対して各1人ずつ。190cmオーバーのノヴァコヴィッチに対し、普通に180cmそこその選手が1人マークに着くだけではシュートを阻止するのは難しくなる。

勿論、有能なCBはその10cmの差を埋める術を持っている。しかし、それでも確率の問題だろう。例えば1試合に10回、クロスに対して190cmオーバーのFWと競り合うシーンがあるとする。それを1人で対応した場合と、2人で対応する場合ではまるで勝率は違うものになる。たった1度もミスできないという状況か、それとも万全の体制でシュートさえ打たせなければ、残りの部分を味方の選手がカバーしてくれるのか、そうではないかではプレッシャーがまるで違う。

人数不足。そうなれば、ボランチが下がって挟み込みに行くのか、SBが中に寄せてCBを助けに行くのか。チームとしての守り方、対応も変わってくる。

 

まあ、そういう意味では長沢、ノヴァコヴィッチというツインタワーがゴール前に居るというのは大きな恐怖となる。サイドからのクロスを長身FWが中で合わせる。シンプルで判りやすい攻撃ではあるが他クラブにはない武器としてシーズンを戦えるように思う。

シンプルイズベストではないが、ゴチャゴチャしたプレーをするよりも簡単なのが強い。これは、今回のPSMを見た多くのチームが再認識したことだろう。

 

ちなみに、補足すると、10番大前、11番高木俊にゴールが生まれなかった点について心配する声もあるが、これは時間の問題かなと感じた。

 

何故ならば、高木俊のクロスにノヴァコヴィッチが合わせた1点目のシーンがあるが、その場面を振り返ると、ゴールを決めたノヴァコヴィッチの後ろには大前がDFと競り合って倒れていた。

また15分には大前のクロスにノヴァコヴィッチがシュートした場面(これはGKに止められた)があるが、このときは後ろに高木俊がしっかりと走りこんでいた。

ということは、ノヴァコヴィッチの頭の上をボールが越えてきた場合、もしくはDFとの競り合いで最悪ノヴァが倒れてしまった場合でも、更にファーへ走りこむ選手(大前や高木俊)がこぼれ球に合わせることができる。そういうシーンが今後出てくる可能性が高いということになる。

 

つまり、今はノヴァコヴィッチ、長沢が好調なため、シュートにも精度がありゴールに向かっているが、リーグ戦が開幕し彼ら2人へのマークが強まり万全の体制でシュートが打てない状況がでてきたとしても、3番目のシューターとして大前や高木俊への期待が高まってくる。ということでゴールは時間の問題かなと。しかし、本人たちにすればはやくゴールを決めて一つ落ち着きたいところであるには違いない。

 

とはいえ、ゴール前に人数を多くすることがゴール量産の肝であることは間違いないので、そういう意味では長身2トップ+1枚(サイドハーフ)がPE内に入っていくシーンが増えているのは、今シーズンの得点力アップに対して期待していいように感じた。

 

攻撃に関してもう一つ蛇足気味で書いておく。

 

サイド攻撃がここまで明確になると、SB吉田、河井の技術の高さが更に光るように感じた。というか、これで守備専門のSB起用はチームカラーとして可能性が低くなりそうだ。

大前、高木俊のキック力、技術があるのは勿論だが、吉田、河井のクロスの質も高かった。特に吉田や河井は、低い位置からもアーリー気味にカーブをかけて落とすキック、ポイントを狙ったクロスを蹴ることができるので、ニアに居る相手DFの頭を越えて味方FWに合わせるというシーンを作り出すことができる。

 

そして、大前、高木俊というJリーグを代表する看板アタッカーが居る清水の場合(昨シーズンまでの成績をみても明らかだけに)は、サイドで彼らを自由にしてはならない。となれば、大前、高木俊が高い位置を取った場合、そこに対してのマークは勿論強くなる。となれば、ワイドの低い位置でフリーの状況が多くなる。

もしくは、大前、高木俊に対してのマークを強めたい相手からすれば、その前後周辺でポジションを入れ替え、ボールの受け渡しをしながら、プレッシャーがない状況でクロスを上げる河井、吉田まで手が回らない。となると、この縦に居る2枚を抑えこむことができないチームはクロスからのシュート練習をしているかの如く、90分試合をしないといけないような状況になりそうだ。

 

相手からしたら守り方は2つ。

引いてスペースを埋める。果敢にプレスを仕掛け出処を抑える。

しかし、これだけFWが大きいと引いてスペースを埋めても上空のスペースを埋めることはできないので厳しい。となると、出処を抑えてクロスを入れさせないという選択肢が有効。ということで、高い位置からプレッシャーをかけるチームが今シーズンは増えそうだ。

 

 

■一方で見えた課題とは

大勝の裏で見えた課題というのは少ないが、あるといえばある。

 

試合後に監督も言っているが、この結果はあくまでも1つのバリエーション(長身2トップ)が有効であるという証明でしか無い。しかし逆に言えば、それ以外のバリエーションを披露するには足らなかったことになる。

 

流れの中でのゴール以外にも、FKCKから平岡とキャラが得点を決めたことは大きな収穫。しかし、どちらも長身2トップがもたらしたプラスαの要素でもあるということもできる。それに、通常の状況でもセットプレーからの得点力アップというのはどのチームも課題にしており、その質を上げてきたことが結果として出ただけとも言える。特にキャラが苦手のヘディングで得点を決めたのは大きな成長だろう。

 

となると、気になるのは高さ以外の部分。

 

例えば、サイドを崩して入れたグラウンダーのクロスに対しFWがニアに入ってきて足元で合わせるシーンや、マイナスのクロスを走りこんできた中盤の選手がシュートするなど、3人目、4人目が絡んでいくといった攻撃があまり見られなかった点にある。

 

2トップが怖いのは結果を見ても明らかだし、ここまで書いてきた通り。

しかし、では2トップを警戒している相手に対してどう崩しにかかるのか。もしくは、横浜FMの中澤、栗原のような日本代表クラスのDFが居るチーム、広島や浦和のような3バックを使うチームなどは23で数的不利になったり、単純に高さだけでは崩し切れない状況が出てくる。

となったときに、ボールはサイドまで動くが単純にクロスを入れるのか?それでは前半の40分ころまでのようなサッカーにしかならない。

 

HTのコメントを見ても監督が少々お怒りだったのだが、そのへんの判断だったと思う。

 

ボールをサイドに持っていくまではスムーズにできたが、その先だ。2トップに合わせるのか、それとももう一度持ちなおして逆サイドに持っていく、もしくはドリブルで仕掛けてマークを1人外してからクロスを上げるのか。そうした変化、アクセントの判断が必要となる。などなど。

 

特に前半は、その傾向が顕著に出ていた。サイドにボールを持ってくと中盤がポッカリと空いてしまった。ボールは保持できた。しかし、クロスを跳ね返されたときに相手にセカンドボールを拾われ、カウンターを喰らうシーンが増えることになった。

 

特に川崎Fはボールを早めに前へ前へと運ぶチーム。そして、アタッキングサードに入ってくると複数の選手が絡み、左右、前後にボールと人を出し入れして、スペースを空け、マークを剥がすように動きで攻撃を作るチーム。それだけに相性が悪かった。これでは潰し屋の村松も対処できない。そして、中盤で村松のタックルが1発で決まらないと一気にピンチに陥った。

 

となると、攻撃では最後までやり切る必要がある。もしくは、そうできない場合はリスク回避をしながらもう一度ゲームを作り直して、ミドルシュートなどでゴール前の壁を崩す工夫が生じてくるが、このへんのアイデアが少し足りなかった。

 

そういう意味では、後半に高木善が出てきてからは中央にドリブルで流れてミドルシュートを放つなど積極的にアクセントを加えようというプレーが見られたのは良かった。2トップの長沢、ノヴァコヴィッチにしても高さだけでなく足元の技術も高いという、珍しいFWタイプだけにもう少し使い方があるように感じる。

 

サイドにボールを入れて単にクロスを上げるのではなく、SBを引っ張りだし、ボールを下げつつFWにくさびのパスを入れ、そのままワンタッチでリターンをシュート。もしくは、ノヴァコヴィッチならばDFを背負いながら強引にシュートという選択肢も出てくるだろう。

 

しかしまあ、PSMでどこまで手の内を見せるかという判断もあるので、全部見せたらリーグ戦開幕した時に完全丸裸なんてことになりかねないので、それはそれで良かったのだが、そういうシーンが1度でも2度でも出てきていたら、スタンドで見ている方にもバリエーションがあって良かったかなというのが今回の感想。

 

おそらく、こういう出てきた修正点に関しては次の練習試合でテストされると思うので、開幕戦までの時間をどのように使うかというのがこれからの課題。

 

 

ちなみに、前半ベンチから試合を見ていたある川崎Fの選手は、「仙台みたい」だと言っていた。「シンプルで判りやすいけど、FWがデカイし活かし方としてはいいと思う」とのこと。

 

この段階で言えるのは、このままサイド攻撃の清水というイメージを徹底し、選手間で共有いくこと、それがまずは開幕に向けて大事かなと。

 

 

 

 

BIGで10億2円を狙うより、totoGOAL3がオススメ?!

totoの売上がウハウハで止まらない

 

また、今シーズンの開幕戦で行われる第678回でも、102円のチャンスが生まれる!

http://www.toto-dream.com/big/jyuoku/

 

あと随分前だけど(笑)、Yahoo!ニュースで、totoの売上が1000億円を超えそうだという記事も見た。

 

気になったので検索してみると、ポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)を運営する日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長が「2013年年度の売り上げが初めて1000億円を超える見通し」と記者会見で発表したという。これは激アツ!!

 

 

さて、このtoto導入に関しては紆余曲折があった。

様々なところから反対もあったがようやく開始にこぎ着けた。しかし、初年度は物珍しさとかCMでの露出もありかなり注目されたが、「どこに販売店があるか分からない」とか、「全然当たらない」とかもあって売上は徐々に落ちていく。本来のターゲットであったサッカーファンすらtotoを買わない状況が出ていたと思う。

 

そりゃそうだよね。

 

購入には二十歳以上だとか、販売店の場所が近くにないとか、導入当初は条件が悪かった。

 

しかし、その後の起爆剤になったのがtotoBIG

最高当選額が6億円!ってやつです。

 

これは、自分で勝ち、負け、引き分けを選択しないでいいのがサッカーを知らないおじさんたちにもウケた。購入したい口数を言えば、あとはコンピューターにランダムで選んでもうというシステムも良かったのかもしれない。サッカー知らないけど、6億当たるかも?!ってこと。

 

サッカーファンの間では、「自分で決められないんじゃ、totoくじではない」という意見もあったけど、これが一度目の起爆剤になった。しかし、そうかと思ったがまたも苦難の道。なかなか16億円の当たりが出ない。そして、繰越金は増えたが売上は再び低迷する。

 

しかし、遂にというかようやく20076月、16億円が2口出る!!!

すると、再びフィーバーがやってきた。

 

そして、売上が多くなれば当選金、口数も増える。

なんと、その年だけで14口の16億円が出た。

(正直、羨ましい)

 

ここから一気に注目を集めると、その後はみなさん知っての通り。

そして、つい先日には、遂にあまりにも繰越金が多いので10億円2円当選の限定totoBIG発売の回には相当数の購入者が増え、なんと9口(9018円)も当選が出た。

 

そして、10億円という日本最大当選金額くじには、コアなサッカーファンというよりも、サッカーには興味が無い普通のサラリーマン、そこらへんのおばちゃん、OLさんなんて女性も多くいる。

 

そして、totoが購入できる場所が以前から設置されている宝くじ売り場や専門の販売所だけではなく、近所のコンビニや、インターネットでも簡単に買えるようになった。

これが売上の後押しをしている。

 

そして、予想しなくていいこと。

欲しい口数だけ決めて買える。

これが大ヒットに繋がった。

 

ちなみに、これまでの当選口数はというと

 

2008年、43

2009年、44

2010年、40

2011年、33

2012年、41

2013年、40口(102円当選9口を含む)

 

と、なっており、実に241口(複数回当たっている人がいるかもしれないので、241人なのかは不明)も6億円が当選しており、それだけの人が億万長者となっている。

 

昨今、サラリーマンの生涯年収は3億と言われているが、単純に考えても人生2倍の当選金額が手に入る!!

これは買いたくなる!

 

□お薦めはtotoGOAL3だ!

でも、別に僕はtotoの手先でもなんでもない。

むしろ、僕が何を書きたいかといえばtotoBIGを買いましょう!ではない。

いや、むしろtotoBIGを買っても当たる可能性は低いから、余裕のある人はどうぞ。

 

ちなみに、他の方法で億万長者をねらうとするとこんな感じ。

 

ジャンボ宝くじ1等の当選確率           1000万分の1(セット数から)

ロト6 1等の当選確率                       6096454分の1(理論値)

totoBIG 1等の当選確率当               4782969分の1(理論値)

 

見ての通り、確率は相当低いです。

では、何をお薦めするのか。

それは、totoGOAL3

 

そう、億万長者ではなく、小額当選狙い。

 

 

先日、20は危険なスコアなのか?というブログを書いたときにデータを見て気がついた。

 

J1には18クラブが所属しており、それぞれが対戦するのでひとつの節で行われる試合は全部で9試合。

そして、リーグ戦は全34節なので年間306試合が行われる。

(ナビスコ杯も対象試合になるが、今回は理解しやすいように排除)

 

で、昨年のJ1リーグ戦(2013シーズン)では1試合で2点以上記録された試合が174試合あった。ということは、306試合中の174試合で2得点以上が記録されている。ということは、ひと節の中で平均5試合は2点以上入っていることになる。更に、その中で2点差がついた試合は48回ある。

 

となると、どういうことか。

2点以上決まった試合                        174÷3040.567

(その中で3点以上決まった場合        174÷480.276

3点以上決まった試合                        48÷3040.158

となる。

 

そう、つまりひとつの節で1試合2点以上が決まる可能性は約57%。

000110という可能性は半分以下と少なく、11200231という複数得点の試合が半分を超えている。

ということは、ひとつの節は9試合あるが、その中で約56試合が2得点以上入っていることになる。

 

totoGOAL3の高額当選

では、実際にtotoGOALでの高額当選を見てみる。

すると、過去一番当選金額が多いのが2,608,925円(当選口数は3本)で、そのときは(3試合を予想して)203303という結果だった。

 

つまり、

Aチーム対Bチームの試合結果は20

Cチーム対Dチームの試合結果は33

Eチーム対Fチームの試合結果は03

 

これをtotoGOAL3で予測する

 

Aチーム 2

Bチーム 0

Cチーム 3

Dチーム 3

Eチーム 0

Fチーム 3

(つまり、203303ということ)

これが、予想通りならば当選となる。

 

 

ちなみに、100万円以上の当選金となったときは、totoGOAL3の場合、333231とか、133030233022132330130332331102231102といった具合(当選口数が10口より多いケースは2回だけ)で、こういうケースのときに比較的高額当選が期待できる。

 

 

100万円オーバー当選をねらえ

つまり、100万円オーバーの当選を狙うならば23を多く入れるべきだ!ということが分かる。

 

そして、対戦カードの中で2チーム合計GOAL数が2以下の場合(特に100万円以上の当選金の場合、001001の組み合わせが一度もない)は少ないというのが分かる。

 

しかし、まあ実際は絶不調のチームならば0点を予想するのは難しくないので、無得点(0点)のマークを1つか2つは入れつつも、3試合の中で233つ以上マークすると高額当選を狙うコツかもしれない。

 

もしかしたら、全部スコアレスドローなんて場合(000000)や、全部1点の引き分け(111111)もあるだろうけど、その場合は同じようなことを考えて購入している人も多く、もし当たったとしても当選口数が多くなり高額は狙えないだろう。

 

ならば、2点の引き分け(22222)とか、2点以上入ることを予想して大量得点のケース(323232など)で購入する。とにかく、2014シーズンからは23を多く入れた買い方でトライしてみてはどうだろうか?今よりは確実に高額当選を狙えそうな気がしてきたでしょ(悪笑)

 

もちろん、Jリーグが急にセリエA(イタリア)のようなカテナチオを美学とするような守備一辺倒のリーグに変わってしまえば別だが、今は見ていて楽しいサッカー、スペインのバルセロナを目標とするようなチームが増えてきているので守備に注視するよりも、得点力増加の傾向にある。

 

中でも、浦和や川崎のような攻撃的なチームが大量得点を多く記録しており、降格したチーム(2013年ならば湘南、磐田、大分など)と対戦した場合に複数失点をすることが多いので、そういう場合はなおさら高額当選狙いでいける。

 

逆に、失点の少ない広島、横浜FMのようなチームの場合は常に01を入れていくと良いだろう。あとは、昨年の場合は鳥栖のようにGK林とDF菊池を補強した直後から急に守備が安定して連続完封するケースがあるので、そういう点をプラスしていくとより確率が高まると思う。

 

ちなみに、totoの予想サイトは沢山あって、totoGOAL3の場合は6つの数字を合計した場合、10を超えると高額当選の傾向にあるようだ。

しかし、220003のように、2点で引き分け、0点で引き分け、大差がついた試合というようなパターンでも高額当選がある。

なので、このブログを見ている人は基本的にはサッカーに詳しい人だと思うので、当該(贔屓もしくはよく見ている)チームがセレクトされているときなどは特徴を知っているだけに当てやすいのではないかと思います。

(横浜FMのサポーターさんなら、「○○には殆ど負けたことがないし、いつも無失点だ!」とか、浦和サポーターさんなら、「大宮とは愛称が悪いから無失点はないな」などなど)

 

あとは、高額当選が当たるように希望的な条件を加味しながらやると面白いと思います。

 

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