サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

2014年02月

止まらぬ成長、走る、岡崎慎司

成長をやめいない男、岡崎慎司


雪が深々と降るなか、ソチ五輪を見ながら考えた。

スポーツの頂点を極めることは大変だなと。

そして、こうしたトップの一握りの選手たちというのが、どれだけ大変な思いをしてきたのか。

だから、今回は僕が取材をしてきたなかで印象的だった選手について書きたい。

それは、オカちゃんこと岡崎慎司選手、元清水エスパルスのFWだ。

 

まずはこれまでの成績一覧を。

 

■日本での成績

清水エスパルス

リーグ戦                ナビスコ杯            天皇杯                  合計

2005   1試合0得点        1試合0得点        3試合0得点        5試合0得点

2006   7試合0得点        2試合0得点        3試合0得点        12試合0得点

2007   21試合5得点      2試合0得点        2試合0得点        25試合5得点

2008   27試合10得点    5試合0得点        2試合1得点        34試合11得点

2009   34試合14得点    4試合1得点        3試合2得点        41試合17得点

2010   31試合13得点    2試合1得点        4試合2得点        37試合16得点

 

■ドイツ・ブンデスリーグでの成績

シュトゥットガルト

2010-11シーズン  12試合2得点     

2011-12シーズン  26 試合7得点    

2012-13シーズン  25 試合1得点    

マインツ

2013-14シーズン  18 試合9得点     ←いまここ

 

■日本代表での成績

2008   4試合0得点

2009   16 試合15得点

2010   15 試合3得点

2011   14 試合8得点

2012   9 試合3得点

2013   14 試合7得点

合計       72試合36得点

 

 

ちなみに、日本代表のエースストライカーと言えば、歴代最強FWとしては釜本邦茂さん、ドーハの悲劇を経験した三浦知良、中山雅史の2トップが記憶にあたらしい。

 

釜本邦茂76試合75得点(14年間)

(国際Aマッチに数えない国際試合では157 試合79得点、通算すると233試合154得点)

三浦知良89 試合55得点(11年間)

中山雅史53 試合21得点(14年間)

 

現日本代表で同世代のWエースといえば、この2人。

本田圭佑53試合21得点(6年)

香川真司53 試合16得点(6年)

 

 

現在、日本代表としての通算成績は72試合36得点。約2試合に1得点という驚異的な数字を残している。今シーズンもドイツのリーグで2桁得点に迫る勢いでゴールを量産している。

この成績だけをみても、日本のエースストライカーであることに誰も異論はないだろう。

 

しかし、僕が取材を始めた2006年ごろはほぼ無名に近い選手だった。

 

高校は名門の滝川二で1年生から活躍し、高校選手権にも出場。

だがプロ入団の2005年は同期に即戦力の大卒選手も多く、当時、清水エスパルスの指揮官である長谷川健太監督(現G大阪監督)は、「SBへのコンバートも考えた」、「FWでは8番手で、本当にどうしようかと思った」(2005年のFW登録は6人で北島秀朗、久保山由清、チェ・テウク、マルキーニョス、チョジェジン、岡崎だったが、攻撃的な選手、澤登正朗、平松康平らを含めると8番手になる)というエピソードがあるほどで、チーム内での評価は厳しいものだった。しかし、そんな彼が今ではドイツのリーグで2桁ゴールに迫ろうという大活躍をしている。

 

当時はまさかこのような活躍をするとは思ってもいなかった。いや、想像できなかったというのが正解かもしれない。しかし、取材を続けていくたびに、オカちゃんの活躍は必然的なものだったこと、そして、今その理由を考えると成る程と妙に納得できる選手だったのだ。

そういう意味では本当に不思議な体験、取材をさせて貰った選手だ。

 

当初のイメージは、チームメイトから常にイジられるタイプで、明るくて面白いキャラクター。取材時には常に笑顔が耐えない。そんな感じの印象がある。



□転機は2007年の初ゴール@川崎F

 

少しずつ変化がでてきたのは2007年ころ。当時はFWではなく中盤での起用が多かった。しかし、それでもクロスボールに頭から飛び込む大胆なプレーで指揮官の信頼を得ていった。

 

実はこのシーズン、長谷川監督は中盤のシステムを決めかねていた。ダブルボランチからダイヤモンド型への変更を試したがトップ下の選手に決め手が無かった。しかも、この川崎F戦の前にはトップ下を務めていた枝村が怪我で離脱してしまい、代役的としての先発出場が決まったのだ。

すると、この試合で岡崎は見事に先制ゴールを決めてみせる。結果的に試合は逆転負けをしてしまうが、監督から「これが最後のチャンスだぞ」と何度も言われていたというような話も聞いていただけに、このゴールはいいアピールになった。

しかし、この後は枝村が復帰し、更に実績のあるフェルナンジーニョと矢島、西澤が起用されるようになり岡崎は先発を勝ち取るまでには至らなかった。

 

それでも、オカちゃんは黙々と練習を続けた。

ガムシャラに、上手くなるために、ゴールを取るために。

 

そんな岡崎の側に立って常にサポートしたキーパーソンが2人居る。

それが、現大分監督の田坂和昭コーチと、現法政大学教授の杉本龍勇フィジカルコーチだ。

 

岡崎はオフになると、足を早くするために大学の陸上部に混じって練習を重ねたのだった。杉本コーチの練習というか、指導する走り方は一見すると不思議な印象を受ける。その後も、永井雄一郎が指導されているときに見る機会を得たが、サッカー選手っぽくない走り方を徹底的に反復練習する。しかし、その理由をよくよく聞いてみると、走るイメージを大事にしていることが分かった。

サッカー選手はサッカーをするために走るので、走るというイメージがない。陸上選手のように走りから入った選手は居ない。そのためボールを追うときや、パスを受けるために走る姿勢やバランスのことを意識している選手はまず居ないという。そこで、走るイメージを先に脳にインプットして、体に染み込ませ覚えさせる。そうすることでプレーしている中でも体が自然とスムーズに動作するようにする。

と、いうような内容だったと思う。

 

まあ、いずれにしても根気よく丁寧に、長い時間をかけて岡崎は杉本塾に通い、体に走り方を染み込ませた。この結果、今ドイツでも高く評価される走りを身につけた。

持続性は勿論だが、瞬間的な速さ、そしてスピードを維持する走り方を身につけたからこそ、多少調子の落ちているときでもベースとなる走力で勝負できるようになったとも言える。

 

そして、岡崎のサッカー人たるベースを作ったのが田坂和昭コーチ。

「基本的な動きを知らない」と一蹴した田坂コーチは、サテライトリーグや練習試合で岡崎を本来のポジションであるFWではなく、右SBやボランチなど様々なポジションで岡崎を起用した。

 

理由は単純だった。

これまでやったことがないポジションでプレーすることで、FWに何が必要なのかを教えていたのだ。例えばSBでプレーするときは、FWはどのタイミングでパス貰いたいのか。またSBはどのタイミングでクロスを入れたいのか。そして、FWSBを使うときのプレーだ。パスの受け方、出し方、オーバーラップのためのスクリーンのやり方など、そうしたことを試合の中で体験させた。

ボランチでの起用も同様だ。岡崎はDFラインの裏への動き出しに優れるFWだが、そうした動き出しの質を上げることができたのも、ボランチ(中盤)の選手としてプレーした経験が活きている。MFがパスを出すタイミングを知ることで、FWとしての受ける場所、動き出しや、動き直すタイミングを覚えていった。

 

 

そして、なかでも田坂コーチが最も力を入れたのが守備の意識。

 

SBでもボランチでも、FWと連携してチームとしての守備をする。

相手ボールになればパスコースをどう切るのが正解なのか、自陣のどこで挟み込んでボールを奪うのか。もしボールが取れない場合、FWがボールホルダーに対してどこまでマークに来なければならないか、どこでマークを受け渡すかなど多くのルールを学ばせた。

また、ボランチはFWと違って360度の視野の確保が必要となること、SBはライン際のため守備の仕方が違うことなども分かる。また他のポジションの選手がどこでパスを貰いたいのか、貰いたくないのかなど、FW以外のポジションにコンバートされたことで多くのことを体験することができた。そして、田坂コーチもそうした起用をしたあと、岡崎にプレーに関しての質問をすることで、より理解度を上げていったのだった。

そう、狙いは全て本来のポジション(FW)でプレーしたときにどうしたら良いかだった。(まあ、他のポジションでの可能性も多少はあったと思うが、いずれにしても大きな視点でサッカーを教えた)。

 

そうしたサッカーのベース、体のベースを上げることで岡崎は一歩、また一歩と階段を登っていった。

 

そこからは数字もついてくる。2008年にはシーズン途中から先発の座を掴み、10得点を記録。同年7月には北京五輪のメンバーにも選ばれ本大会に出場すると、9月には日本代表にも選出される。また、チームでもレギュラーの座を奪い一躍クラブの顔となった。

FW争いの最後尾からスタートした岡崎が、僅か4年でトントントンと階段を駆け上がった。

 

 

□それでも貪欲な性格が成長を促す

 

取材メモもどこかにいってしまい、なんの試合だったか思い出せないが岡崎がある決定機を外した試合がある(しかも、北京五輪大会だったと思う)。左足のシュートは大きく枠を外れてしまった。

そのシーンを見たあと、練習後に岡崎本人に話を聞こうと思っていた。すると、その日の練習では既に左足のシュートをバンバン放っている姿があった。これには流石に驚いた。気になって直接聞いてみると案の定だった。

「ああいうシーンが来た時に、しっかり左足のシュートができれば」ということだった。一つの失敗を失敗で終わらせない。

ゴールを背にボールを受け、反転して左足シュート。それまでの岡崎にはあまり見られないプレーだったが、チームでの全体練習が終わると居残りでいるところを何度か見た。

 

普通、18歳を過ぎてからの技術の向上はそう簡単ではないし、一足飛びに上手くはならない。実際スポーツという世界はそういうものだという固定概念があった。

実際、リーグ戦などでも何本かは素晴らしい左足のシュートを見たが、お世辞にも上手いというには…だった。しかし、気がつけばこちらのそういうイメージも薄らいできていた。2011年には433の左FW、で起用されることが多くなったこともあり、右からのパスを受けて左足でシュートなんてシーンも多く見らえるようになった。

それに、先日ドイツでプレーする姿を動画サイトで見たが、今では普通に左足でシュートを放つし、トラップや落としのパスも左足で器用にこなすようになっていた。これには恐れいった。

 

得意のゴール前でのポジショニングは勿論だが、ドイツではその前のゲームを作る部分でのプレーにも成長の跡がみえた。

チーム事情もあるのだろうが、センターライン近くまで下がってプレーすることが増えたからなのか、単なるFWとしてのプレーだけではなくなっている。ボールを受けて出す。そして走っていった味方を追い越してゴールへと迫る。守備ともなれば相手に向かって体をぶつけボールを奪う、そして奪った瞬間にカウンター、ドリブルで仕掛けてラストパス。こんなプレーを簡単にこなしていた。

 

数年前までJ1クラブでFWとして8番目だった選手。しかし、今では欧州でも一流のサッカー大国ドイツのトップリーグで堂々としたプレーをしている。

 

 

□キャラクター、人間性も重要

最近は海外で活躍していることもあり直接顔を合わせることが無いが、以前、何かの用事で日本代表の練習を取材した。そのときも岡崎は、「あれ、どうしたんですか?」と向こうから寄ってきてくれた。勿論、代表番の記者ではないから珍しかったこともあるだろうが、そういうところにも気が付き声をかけてくる。三保のころと同じように、子犬のような人懐っこさがある。

 

また別のときの取材では、こんなエピソードがある。

南アフリカ行きを自らのゴールで決め一躍注目度の増した岡崎は、一日に2本インタビューを受けることも増えたようだった。しかも、W杯開幕の直前ということもあって連日のように取材が続いた。午前は練習、午後は取材のはしご。クラブハウスを引き上げるのは無名時代に比べ段違いに遅くなった。そんな毎日が続いていた。

 

そこで、あるインタビュー取材の前、準備中に、「何度も何度も同じこと聞かれて大変でしょ?」と聞いた。

しかし、オカちゃんは普通の顔でさらっと言った。

「いえ、自分もこうして話すことで頭の中が整理できるし、逆に考えがまとまるので助かります。だから大丈夫です」と。

 

こちらに気を使った答えだとしても、ここまでしっかりと大丈夫とは言えないだろう。

しかも、自分の役に立っているなどと

僕ならばできないと瞬間的に思った。

 

つい先日、神の手でゴールを決めてニュースになった。

しかし、結局はすぐに「反省!」という見だしでブログを更新した。

 

http://ameblo.jp/okazaki-shinji/entry-11765017792.html

 

もっと上手くなりたい。もっとゴールを決めたいという貪欲なサッカー馬鹿。

オカちゃんが努力以外の方法でゴールを決めるなんてありえないし、作為的にこうしたプレーをするとは思えない。もしかしたら、「瞬間的に手が反応しちゃった(笑)」なのかもしれない。

だから、ブログでの釈明を見なくても故意ではないとすぐに思った。だからこそ、怪我も恐れず得意のダイビングヘッドで飛び込んでいく。泥臭いけど真面目。そんな岡崎しか想像ができない。

 

 

屈託の無い純粋なサッカー小僧は、上手くなりたいと本気で思えば日本代表にもなれるし、欧州のトップリーグでも活躍できることを証明した。

だから、今の育成年代でプレーしている子供たちは諦めないでほしい。


下手でもいい。

レギュラーでなくてもいい。

セレクションに落ちてもいい。

試合に負けてもいい。

明日、次の試合、次のステージで結果を出せばいい。

努力しているやつは絶対に報われる。

 

それを岡崎慎司選手から教えてもらった。

そして、ソチで戦う五輪選手たちも同様に負けず嫌いなだけなんだ。

 

また、そういう人の周りにはサポートしてあげようという人が必ず出てくる。

もしくは、そういう人と出会うことになっている。

そんなことをソチ五輪を見ていて思ったのでこのブログに書き留めておく。

 

 

背番号10は司令塔か?

■本田圭佑がACミランに移籍、伝統ある10番を背負った。

 

18日、ACミランへの移籍が発表された。

そして、10番を付けることが決まった。


その記者会見で、「ACミランで背番号10をつける意味は分かっているか?」と問われたとき本田はこう答える。

 

「夢が現実のものになってうれしい。12歳の時に、セリエAでプレーしたいと作文に書いた。背番号10をつけたいと思っていた」と。

 

そして、その後副会長のコメントから「本田は最初、4番か7番を希望していたが空いていなかった」ということが分かった。そして、10番が空いていることを知らせると喜んで受けたことがメディアにも伝わった。

しかも、その後「自信がなければ10番は着けない」とキッパリ言うあたり、流石というか、世界が注目する場所で物怖じせずに強心臓ぶりを発揮してくれた本田さんは本当にカッコ良かった。

 

ACミランの歴代10番は

セリエAでリーグ優勝8回、カップ戦や欧州リーグなども含めると欧州いちのタイトルを獲得してきたのが赤と黒の名門、ACミランだ。しかも、バックにはイタリアのメディア王でもあり国の主席を務めたベルルスコーニが鎮座する。そんなビッククラブであるACミランの歴代10番は錚々たるメンバーが受け継いでいる。

 

ルート・フリット(オランダ代表)                           :黒いファルカン

デヤン・サビチェビッチ(旧ユーゴスラビア代表)  :ジェニオ(天才)

ズボニミール・ボバン(クロアチア代表)              :ゾロ・ズボーネ(怪傑ゾロ)

ルイ・コスタ(ポルトガル代表)                           :マエストロ(指揮者)

クラレンス・セードルフ(オランダ代表)                :プレジテンテ(大統領)、プロフェッサー(教授)

ボアテング(ガーナ代表)                                  :ザ・ボア(大蛇)、ザ・ビッグ・バン(宇宙の大爆発)

 

サッカーを少しでも知っていれば聞いたことのある名前ばかりだ。しかも、彼らはクラブだけでなく国の代表としても大いなる貢献を果たしてきたエース級の選手が顔を揃える。

そこに本田圭佑が名を刻んだ。

 

ちなみに、日本サッカーで10番と言えば、絶対的な司令塔、中盤の王様というイメージがある。それは多くの人がアニメ、キャプテン翼くんを見ていたからだろう。かなりその影響が大きいと思う。

 

おぼろげな記憶を紐解くとこうだ。

翼くんを一生懸命指導してくれたロベルト本郷だったが、翼には一言も告げず突然ブラジルに帰ってしまう。しかし、彼が残したノートには多くのアドバイスが書かれていた。

中でも、「中盤を制するものは世界を制する」と書かれていた言葉を信じた翼くんは、将来を見据えてFWからMFにポジションを変更する。

それ以来、日本ではエース=10番の司令塔というイメージが子供たちの間で浸透していった(と、TVで見たように思う)。

 

■Jリーグでの10番は?

さて、本田といえば香川と共に日本代表のエースで顔だ。

司令塔でもあり得点源でもあり、チームを鼓舞する精神的支柱でもある。

プレースタイルはというと、魔法の左足を駆使したパス、シュートで攻撃の中心となってゲームを作る。近年は世界で戦えるようにフィジカルも強化した、超近代的な司令塔といっていいだろう。

 

でも、10番って司令塔だけが背負うものなのか?というと、ちょっと違う。

 

本田は前所属のCSKAモスクワでは「7番」をつけていた。そして、日本代表では「4番」をつけている。移籍したACミランでも初めは47を希望していたことから、特に10番にこだわっているわけではなかったように思う。むしろ、日本人には7番のイメージが強いはずだ。10番でなければいけない、という感じではない。

 

ちなみに、現日本代表で10番を背負っているのは、マンチェスター・U所属の香川真司。彼のベースはドリブルで、自分が中心となってパスで味方を使うというよりも、攻撃の核に居ながらも味方に使われながら個性を出す。そして、局面ではまた味方を使うという感じの10番だ。

 

少し前の10番は、中村俊輔、名波浩、ラモス瑠偉といったところが着けており、このへんの名前からは多くの人が「司令塔」をイメージしやすい。

厳密に言えばそれぞれのタイプは少し違うが、いずれもチームの中心的な存在であり高い技術とパスセンスを駆使してゲームを作る純粋な司令塔タイプだった。

 

さてそこで、今シーズンのJリーグでは誰が10番を背負っているのか。また、どんな司令塔タイプが10番を背負っているのか、気になったので調べてみた。

 

J1クラブ

広島       高萩洋次郎           MF 31試合3得点10アシスト)       トップ下

横浜FM  中村俊輔              MF 33試合10得点6アシスト)       トップ下

川崎F    レナト                    FW 28試合12得点11アシスト)      SH

C大阪   

鹿島       本山雅志              MF 24試合0得点2アシスト)         トップ下

浦和       マルシオ・リシャルデス         MF 26試合5得点3アシスト)         トップ下

新潟       田中亜土夢           MF 40試合4得点7アシスト)         SH

FC東京  梶山陽平              MF 8試合0得点0アシスト)           セントラルMF

清水       大前元紀              FW 14試合7得点4アシスト)         SH

           レアンドロ・ドミンゲス           MF 12試合2得点3アシスト)         SH、トップ下

名古屋    小川佳純              MF 33試合9得点1アシスト)         SH

鳥栖       キム・ミヌ                            MF 33試合5得点4アシスト)         SB

仙台       リャン・ヨンギ         MF 30試合4得点8アシスト)         SH

大宮       渡邉大剛              MF 33試合5得点5アシスト)         SH

甲府       クリスティアーノ     FW 40試合16得点14アシスト(J2)              CF

G大阪    二川孝広              MF 36試合4得点14アシスト(J2)  SH

神戸       森岡亮太              MF 18試合56アシスト(j2)        FW

徳島       クレイトン・ドミンゲス            MF -試合-得点)                            セントラルMF

 

J2クラブ

湘南       菊池大介              FW 30試合2得点1アシスト(J1)     トップ下

磐田       山田大記              MF 30試合8得点3アシスト(J1)     SH

大分       チェ・ジョンハン      FW 28試合1得点3アシスト(J1)) 左WB

京都       工藤浩平              MF 38試合2得点6アシスト)         セントラルMF

千葉       兵働昭弘              MF 30試合4得点1アシスト)         SH

長崎       佐藤由紀彦           MF 3試合0得点0アシスト)

松本       船山貴之              FW 41試合11得点6アシスト)       トップ下

札幌       宮澤裕樹              MF 33試合2得点3アシスト)         セントラルMF

栃木       杉本真                  MF 24試合4得点0アシスト)         SH

山形       伊藤俊                  MF 33試合5得点9アシスト)         SH

横浜FC 寺田紳一              MF 38試合2得点4アシスト)         SH

岡山       千明聖明              MF 39試合1得点1アシスト)         セントラルMF

東京V   

福岡       城後寿                  FW 35試合5得点2アシスト)         セントラルMF

水戸       船谷圭祐              MF 13試合0得点1アシスト)         SH

北九州    小手川宏基           MF 41試合8得点8アシスト)         SH

愛媛       原川力                  MF 7試合0得点0アシスト)           SH、左SH

富山       苔口卓也              FW 34試合11得点4アシスト)       FW

熊本       養父雄仁              MF 29試合2得点3アシスト)         セントラルMF、左SH

草津       平繁龍一              FW 41試合13得点5アシスト)       FW

岐阜       美尾敦                  MF 40試合0得点4アシスト)         トップ下

讃岐       高木和正              MF 24試合1得点1アシスト)         セントラルMF

 

※ポジションはFootball LAB[フットボールラボ]さんのHPを参照にして、昨年最も多く先発したポジションを選んでいる

http://www.football-lab.jp/

 

ざっと調べると、なるほどやはり10番はチームの中心的選手が背負うことが多い。ポジションも攻撃的な選手が多いし、得点やアシストを見てもチームの核となる選手たちだ。それはやはりクラブも顔として期待しているという現れでもあるだろう。

 

 

Jリーグの10番は、いくつかのタイプに分けることができそうだ。

登録上のポジションはFWMF

そして、出場ポジションは主にボランチかトップ下、またはサイドの選手が多い。

いわゆる、攻撃的なポジションということになる。

 

異例なのは鳥栖のキム・ミヌで、彼だけは左SBとしての先発回数が一番多かった。まあ、これは昨年だけのデータを調べたのでチーム事情ということだろう。もともと一昨年までは左サイドハーフで起用される事のほうが多かったので(今回のデータは)例外かなと。

また、1トップ(FW)で起用されているのが2人で、富山の苔口、草津の平繁となる。2トップの場合は、神戸の森岡、甲府のクリスティアーノ(前所属の栃木で)という具合だが、こうしてみると10番の(センター)FW起用は基本的には少ない。

ユベントスではカルロス・テヴェスなんて例もあるけど、ロベルト・バッジョ、デル・ピエーロ時代から見ていた僕からすると少し違和感がある(笑)。やはり昔からセンターFWといえば9番だろう。

 

また、最近では343システムを採用するチームが多くなっており、広島の高萩や浦和のマルシオ・リシャルデスのように、トップ下(シャドウ)の位置での出場が増えている傾向がある。

 

そして、一番多いのがサイドハーフ。オーソドックスな4424231システムの場合では最も起用されるのが多いようだ。

しかし、サイドハーフでもプレースタイルはいろいろだ。

例えば名古屋の小川、大宮の渡邉、新潟の田中などは縦へのスピードやドリブル突破でのチャンスメイクを得意としているタイプで、清水の大前や磐田の山田、仙台のリャン・ヨンギなどは周りを使いながらポジションを変えてラストパスやシュートで決定機を作るのが得意なタイプ。

あとは最近では少なくなったけど、北九州の佐藤のようなクロッサータイプもいる。元イングランド代表のベッカムなんてのもクロスだけで世界レベルで戦える特異な選手だった(けど彼は10番ではなく7番だね)。

 

純粋な司令塔という意味では、横浜FMの中村のように4231の[3]の真ん中でプレーする選手も居る。

しかし、この場合でもそのポジションでドンと構えて動かないようなタイプは殆ど居ない。トップ下でもどちらかのサイドに開いたり、ボランチまで下がってゲームメイクをすることも多い。また、場合によってはゴール前に顔を出していく。こうした幅広い動きをするのがもはや当たり前になった。

 

勿論、攻撃のときには多くの選手がボールに絡みゴールに繋がる仕事を請け負っているのが10番だが、段々とそのポジションや役割も細分化されてきたし、こうして数名の例をみてもその役割は随分と変わってきたことが分かる。

 

かつて、王様のように君臨したコロンビア代表のバルデラマはもう居ない(これはこれで凄い格好いいし、そういう選手がまた出てきたら面白いとは思う)。

そして、その想像力をピッチで存分に披露してくれたイタリア代表のデル・ピエーロのようなファンタジスタも減ってきている。むしろ、今の日本にはタフで走れてパスが上手い選手が多くなった。

 

もしくは、フィジカルは強くないが、その差分を運動量で補うようなタイプが増えてきている。

スタミナやフィジカルで分が悪いと感じている選手は、ポジションを少し下げボランチの位置からゲームを作る。接触プレーを避ければスタミナも持つし、プレッシャーが少ない中で自慢のテクニックを披露していくというパターンも多い。

 

ちなみに言うと、J1J2では10番の選手のポジションに少し違いがある。

J1では前目のポジションが多いのに比べて、J2ではボランチの選手が多いというのが今回のデータから見ることができて面白かった。

これはなんの根拠もないが、J2リーグの特質なのか、それとも実績もあり技術の高い選手をボランチで使う指揮官が多いのだろうか?そういう決断によって、そのチームで最も効果的にプレーできるという答えが出てきているのだろうか。

まだこのへんはちょっとデータだけでは判断しかねるが、その謎には大変興味が出てきたし、今年は湘南がJ2で戦うので取材に行ったときは意識して見て行きたいと思う。

 

 

■個人的に気になる選手

最後に、個人的なまとめ。

キャプテン翼の翼くんのようなスーパーな選手というのは漫画の世界であって、そうそう現実でお目にかかることが難しいが、それでもJには素晴らしい10番が居る。

 

これは本物のファンタジスタだと思ったのが、広島の高萩。

変態的なトラップもそうだが、そこからのアイデア、パスは見事。彼は本物の天才だ。

 

いかにも司令塔、ザ10番というのが磐田の山田。

左右両足を遜色なく使えシュートの意識も高い。優等生な10番。

 

オールマイティな10番だと思うのは清水の大前。

小柄だけど、テクニックが高い。パス、ドリブル、シュートと三拍子揃った10番。

 

そしてJ2(昨シーズン含む)。

昨年は実際に見る機会があまり多くなかったのだが、気になっているのは松本の船山と神戸の森岡だ。ダイジェストの映像などを見ていると、シュート、パス、ドリブルと三拍子が揃った10番だと思うので、早くJ1のステージでのプレーを見たい選手だ。

 

 

と、まあここまで書いて結論は?と聞かれると、難しいが、J1J210番を背負っている選手はいずれもチームの顔であることは分かる。

 

そして、10番ってどんなプレーをするの?司令塔ってなに?と、今回の本田圭佑の一件から不思議に思ってくれたり、このブログを読んで思ってくれたらと思う。

あとは自分で試合を見て欲しい。そうすれば10番ってどんな選手なのかイメージができると思う。

 

でも、悲しいけど既に10番はもう司令塔だけの役目ではなくなった。

時にはストライカーでもあり、時にはパサーの役割をしなければならないし、時にはチームのために守備をしなければならない。守備をサボる10番なんてのは既に抹殺された、もしくは死滅したといっていいだろう。走れない、走らない10番を指揮官は起用しないし、チームの中でもエースであることは許されない状況になってきている。だから、少しずつスタイルを変えて生き残ってきている。

 

本田が名門ACミランで10番を背負うことはオールドファンにとっては嬉しいが、単なる司令塔で終わらないで欲しいと思っている。そして、それが本田圭佑であると思っている。

そして、彼に続くような10番がJリーグから出てくることを期待して、開幕したら各クラブの背番号10をじっくり見てみるのも面白いかもしれない。へぇこんなスタイルなんだとか、ウイングバックが10番なんだなんて思いながら見てみるといいだろう。そうすると、その起用法や役割からチームの目指すスタイルや戦いかたが違うことがわかるので楽しいと思う。

そして、その10番の役目がチームを表現していたりするので、サッカーがもっと面白くなると思う。

 

岐阜は日本のチェルシーになるのか?

最近、ネットでもニュースになっている岐阜。

ラモス瑠偉監督を迎え、川口能活、三都主アレサンドロら元日本代表選手を獲得。潤沢な資金をバックに迎え、一気に金満チームへの変貌を遂げるのだろうか。

 

ことの発端は20121225日、FC岐阜の公式HPで「藤澤信義氏・Jトラスト㈱代表取締役社長によるFC岐阜支援のお知らせ」が発表されたところからだろうか。

http://www.fc-gifu.com/news/post-2028.html

 

※藤澤氏と会社に関してはググってみれば分かるので、自分で調べてください。

ちなみにYahoo!ファイナンスには、「事業者金融発祥。買収でクレジットカード、消費者金融、保証、韓国の銀行に多角化、急成長」と書かれている。まあ、簡単に言えば金融業で一気に大きくなった会社。特に吸収合併を繰り返していき、傘下にはクレジットカード会社などがあるので経営としては基盤が硬いかなと。

 

このJトラスト㈱の支援が決まり、昨年末には藤澤氏が「(FC岐阜の強化費は)5億でも10億でも」と発言した。そして、この発言を受け昨年末にFC岐阜の流れが変わった。

 

そして、ラモス監督の就任が決まり、新加入選手が続々と決まった。

 

2014年シーズン加入

ラモス瑠偉 監督

ヘニキ                  [←Criciuma(ブラジル)

川口 能活            [←磐田]

三都主アレサンドロ[←栃木]

深谷 友基            [←大分]

木谷 公亮            [←鳥栖]

太田 圭輔            [←徳島]

チアゴ                   [←名古屋/期限付き移籍]

高地 系治            [←横浜FC

難波 宏明            [←横浜FC

宮沢 正史            [←大分]

田中 智大            [←FC岐阜SECOND]

 

元日本代表として活躍した選手としては、監督に就任したラモス(32試合)、そして元日本代表の川口(116試合)、三都主(82試合)の3人。日本だけでなく海外での経験値もあり、他の獲得選手と比べても突出した経歴を持っている。

ドーハの悲劇を経験した監督、マイアミの奇跡の川口、パイナップル頭(そこか!?(笑))の三都主。彼らはネームバリュー、知名度としても相当なものだ。

 

また、深谷(大宮、大分で207試合)、木谷(仙台、鳥栖などで297試合)、大田(清水、柏などで239試合)、高地(鳥栖、横浜FC305試合)、難波(横浜FCや水戸で152試合)、宮沢(FC東京、大分などで259試合)と、J1J2200試合以上出場している(難波がちょっと足りないけど)歴戦の猛者ばかり。昨年までの登録選手と比べても実績のある選手ばかりだ(ただ、それぞれの年齢的をみると、これからピークを迎える選手ではない感があるのは否めない)。

 

それでも、練習場にはラモス監督や、川口、三都主を一目見たいという人が二重三重に輪を作って見学しているという。勿論、そんな状況なので練習後にはサインを求める人だかりができてしまい、ラモス監督も「こんなに多いと、全員にはできないぞ」なんて言ったとか(でも実際は可能な限り対応したというからさすがだ)。しかし、この状況にはチーム広報さんも驚いたに違いない。

 

 

■そんなFC岐阜だがつい最近までは存続の危機だった。

 

2009年にはJリーグに5000万の借金をしている。また、Jリーグに加入した2008年以後の順位をみても、13位(15チーム)、12位(18チーム)、14位(19チーム)、20位(20チーム)、21位(22チーム)、21位(22チーム)という散々たる成績。昨年はなんとかJ3への降格を回避。

ここにJリーグへの借金問題もあってか、選手を獲得する場合も協会にお伺いをたてないといけなかったり(赤字にならないようにするため)苦しい時期が続いた。そのため新人を獲得するよりも、他クラブからのレンタルなどを使っての強化しかできずなかなか勝てないという悪循環に陥っていた。


しかも、このまま赤字が続くようならばJリーグライセンスの剥奪の可能性もあった。そうなればチーム存続の危機ということもあったのだ。

成績が好転しないとお客さんも増えないし、スポンサーも増えない。この三重苦に、チーム存続の機器まで振りかかるまさに四面楚歌の状況だった。

 

しかし、そこに神が舞い降りた。地元出身であるJトラスト㈱の藤澤氏が支援を決める。そして、強化費は「5億でも10億でも」という発言があった。

 

そもそも、その金額を聞くだけでも凄いけど、提示した金額の差が5億もある点がまたもの凄いことだと感じる。どこの世の中に5億ものどんぶり勘定ができる人がいるだろうか。

 

例えば、5億という金額でいえば近年のJ2では殆どのクラブの強化費をまかなえる。もし、10億ともなればJ1でも甲府や新潟、仙台と肩を並べるかもしれない。そんな強化費を使えるチームがJ2リーグで戦うとなれば、チェルシー化は簡単ではないだろうかとも思う。

 

しかし、実際いきなりそれだけのお金が使えるからといって即戦力、代表クラスをバンバン獲得できるということではない。しかも、支援を受けるというのが決まってからシーズンインまでは時間も無かった。

その時点では他のクラブの編成もあったし、既にトライアウトも始まっていたので目ぼしい選手には既に水面下で交渉が行われていたはずだ。それだけに、いきなり実力選手を連れてくるには難しいタイミングであったと予想できる。

 

■注目は、今シーズンオフだ。

 

しかし、落胆する必要はない。

既に今の段階でも、「岐阜はお金を持っている」「代表クラスの強化をしている」というイメージが一般にも、Jリーグを戦う選手たちにも付いた。それに、今シーズン1年もあれば選手同士の口コミで簡単に情報が広まるはずだ。勝利給や前泊するホテルのグレード、その他の待遇など、そういうところも実際に口コミで伝わればプレーする機会を求め、移籍を考える選手は出てくるだろう。

 

例えば、昨年のオフには名古屋が経営規模を縮小した。

その結果、藤本、増川、阿部、田中ら主力クラスがクラブを離れることになった。他にも、日本代表クラスでいえば鹿島の岩政が退団するという例もある。更に名前をあげれば、永井、西、巻、黒部、金沢など錚々たるメンバーも新天地を求めている。それだけに、時期がもう少し早ければ彼らの獲得も可能だったのではないかと思う。

そして、今年のオフも各クラブの経営状況次第では元日本代表クラスの選手が移籍市場に出てくる可能性は否定出来ない。特にクラブライセンスの問題が出ているところは尚更だ。

 

だが、本家チェルシーにしても、2003年にロシアの石油王アブラモビッチがチームを買収したが、実際に強くなったのは翌年の2004年にFCポルトからモウリーニョ監督を招聘してからだった。

モウリーニョの経歴は今更詳しく書くことでもないが、彼はポルトガル国内でも評価の別れる監督であったがFCポルトでの成功を踏み台に、その後チェルシーで指揮をとることになり世界的にも有名な監督となった。

最果ての地ポルトガルのクラブでは大きなお金を動かすことができなかったが、アブラモビッチというスポンサーを得てお金を使えるようになったことで、理想とする選手を獲得し、自分の求めるサッカーを貫いた結果、更に評価を上げた(と思っている)。


そして、それからは監督の目指すサッカーに合った選手を、移籍金や年俸を気にすることなく獲得し常勝軍団へと変化していった。


しかし、1年目はRカルバーリョ、PフェレイラらFCポルト時代から起用した信頼の置ける選手を即座に獲得した。これは自身の理念をチームに浸透しやすくするためでもあった。そして、逆に前線にはドログバ、ロッベンといった個で勝敗を決めることができる世界クラスのFWを獲得した。規律ある守備と、破壊的な個性ある攻撃力、これが勝因だったように思う。

 

そう考えると、単にお金があるからチームが強くなるのではなく、監督やクラブの考えるサッカーを表現できる選手を獲得し、試合でも活躍できるようにチームに落とし込まないと話にならない。

だから、FC岐阜が日本のチェルシーになれるかどうかは、藤澤氏が潤沢な資金を援助できるからと短絡的に結びつかない。むしろ、そのお金を使うクラブと監督がどれだけ正確に未来のビジョンを描けるかにある。それができて初めて常勝軍団、チェルシー(ギフシー)となる。

 

そして、選手獲得と共にクラブハウス問題などハード面での整備も必要となるだろう。

そう考えると、1年や2年で強豪クラブになるのではなく、中期的な計画のほうが良いように思う。

実際、ラモス監督は今シーズンの目標を「10位」としているようなので、単純な金満チームに

はならないような気がする。


いずれにしても、まずはラモス監督の手腕に期待したい。そして、ラモス監督のコネクションが今年のオフに活かせれば確実な補強ができるだろう。TVでも露出は増えていきそうな印象があるし、注目が高くなれば選手たちのモチベーションにも影響する。そうなればプラスの効果が生まれチームは上昇気流を描くことになるだろう。

 

 

■予想フォーメーション

昨年をベースに2014年布陣を勝手に予想

新加入選手では、高地、宮沢、三都主と左利きが多いので、揃って左サイドに配置した

 

------難波--スティッペ----

    (中村)

高地----------------大田

(美尾)

------宮沢----ヘニキ----

                  (益山)

三都主木谷---深谷杉山

(野垣内)

----------川口---------

 

清水エスパルス ~高さという武器を加えた~

■清水エスパルス vs 大田韓国水力原子力

 131日 三保グラウンド 14時~

 

■結果

清水 3-1大田

45分×2本)

 

■得点

清水:

1本目:長沢駿(26分)、長沢駿(33分)

2本目:竹内涼(40分)

大田:13

 

■先発

◇清水1本目

----------長沢----------

高木俊----高木善----大前

------村松-----本田-----

河井---ヨン---ヤコ---吉田

----------相澤---------

 

◇清水2本目

----------ノヴァ----------

村田------長沢------大前

------村松-----竹内-----

河井---ヨン---ヤコ---吉田

----------櫛引---------

 

■交代

1本目:

高木善→ノヴァコヴィッチ(40分)

本田→竹内(40分)

 

2本目:

村松→六平(20分)

大前→石毛(20分)

吉田→藤田(25分)

ヨンアピン→三浦弦(33分)

ノヴァコヴィッチ→金子(40分)

 

 

■新戦力チェック

新加入組でプレーしたのは5人。

 

相澤 貴志:

経験値があるだけに、ゲームの流れを読んで積極的に声をかけている。特に大きな声はよく通る。後ろから声があると選手は安心するので、声が大きいのは凄く長所だと思った。プレーに関しては特に悪いところはなかったと思うが、パスミスからの失点は、そうなる前に声で統率をしたかったところだろう。また、だからこそよく声が出ていたのかもしれない。セットプレーなどを見ていても安心感もあるので大丈夫だろう。

 

ヤコヴィッチ:

高さもあるが、足の長さが印象的。スライディングをしてボールを絡めとるプレーでは、そこまで出てくるかという印象を受ける。おそらくJリー グの中でも相当リーチが長い選手であることは間違いなく、対戦相手は戸惑うことだろう。また、足が長いためなのかバックステップの幅が広く、意外と素早い という印象。よーいドンの早さは、試合の中でそういうシーンが殆ど無かったため判断しにくいが、ボール奪取のために前に出て、すぐにラインに戻るという動 作はスムーズかもしれない。

 

高木 善朗:

プレー時間が思ったよりも短かった。入団会見で語っていたような中央からの攻撃をしようという姿勢は見せるが、サイド攻撃に慣れたチームとフィットするにはまだ時間が短かったのかもしれない。あとは、前で受けるのではなく、下がって受ける機会が多かったため、自分の特徴は出しきれていない印象。預けて、リターンを 受ける。そういうプレーが増えてくれば違ったと思う。

 

ノヴァコヴィッチ:

まさかとは思ったが、長い時間プレーをした。ピッチに入るとき、スパイクを履いていたので、もしかしたら出るかな?程度に考えていたため嬉しい悲鳴。プレーの方は得点こそ無かったが、存分にレベルの高さを見せたと思う。とにかくワンタッチでの落とし、くさびの受け方などが上手い。しかも、収まって奪われないので中盤の選手たちはやりやすいと思う。まだコンディション的にも十分でないことを考えると、自分で持っていくよりも人を使ったほうが良いという判断だったかも しれないが、人を使うことも、人に使わることもできるタイプであるというのは、この試合を見ただけでも分かる。

 

金子 翔太:

5分ほどのプレーだったため多くは判断できない。しかし、すばしっこさは感じた。試合後に話をしたら、村田がよく面倒を見ていて、そのお陰なのかチームには慣れた様子。ただ、2月からは新人研修などもあり、チームから再び離脱。鹿児島キャンプではとにかく頑張って監督にもアピールし、チームメイトにも自分のプレーを示すこと、そしてチームに溶け込んで出番を多くしたいところだろう。

 

■気がついたこと

長沢駿の評価が上がっているように感じた。2ゴール(1ゴール目は、「えっ俺の1点目ですか?俺らしいけど、実は相手の足に…」なんてことも言っていたが)という結果は勿論だが、90分フル出場していることからも監督は使いたかった、もしくは長い時間プレーを見たかったというのが分かる。そして、特に2点目のシーンでは相手の上からヘディングを叩きこむなど、入っていく強さを感じた。本人に聞いても体重は増えているとのことだし、昨シーズン松本でしっかり鍛えてきた結果だと思う。

ちなみに、松本の反町監督は湘南時代からフィジカル、特に走力を上げる練習を多く取り入れる監督だったし、松本もそういう要素が強いチームなので、駿くんにとっては収穫だったのではないかと思う。

 

 

また、驚きだったのはノヴァコヴィッチがプレーしたこと。途中から長沢と190cmオーバーの2トップを組んだ。

実際は横並びの形ではなく、縦の形(システム上は4-2-3-1もしくは、4-2-2-1-1に近いか)だったが、前線に190cmオーバーの選手が2人並ぶと迫力がぜんぜん違う。過去を振り返ると高さに欠ける印象があったチーム(ラドンチッチ、バレーは居たが)だが、これで一気に迫力が増す。そして、試合展開によってはDFがラインからの放り込みにも対応できる。これはひとつの武器としても有効だし、クロスに対して中で2人入ってくるとなれば、それだけで確率は上がる。

 

そして、高さは守備でも重要な要素となる。

何本かCKなどセットプレーのシーンがあったが、長身の選手がこれだけ居ると守りやすい。

まず第一に、コーナーとゴールの間にストーン(石)として1人を配置しニアのコースを切ることができる。そして、ストーンに高さがあると相手は曲がって落ちるボールを正確に蹴らないといけなくなるのでストーンの高さは重要。

そして、余った他の長身選手は相手キーマン(FWとかCBの選手)をマークさせることができる。大体どこもエースストライカーと、CBでヘディングの強い選手が居る。おおまかにFW1人、CB2人。そこにマッチアップさせるための人数が必要(昨年は体幹の強い吉田や村松、杉山がマーカーとなったがミスマッチが何度もみられた)。しかし、長沢、ノヴァコヴィッチ、ヤコヴィッチ、ヨンアピンと、このように長身選手が複数人いればかなり有利になることは間違いない。

これは逆も同じ。攻撃になったときに、ゴール前へ長身選手4人(平岡が復帰すれば5人となる可能性も)を送り込めるというだけで、相手にとっては脅威となる。

 

 

そして、これが高木善の起用法とも関係してくる。

 

この練習試合では高木善が早々に交代でベンチに退いた。これは駿くんのプレーが良かったこともあるが、チームとしてもサイドからの攻撃のほうが現時点では有効であるという結果になったからだと思う。

中央でボールを受けて、そこから仕掛けて崩す高木善の動きは、まだ今はアクセントにならず少しぎこちない感があった。だから、そこにボールを出し次の動きをする選手が少なかった。

逆に、2点目のように本田のロングパスに吉田が反応し、クロスを入れて中の長沢のヘディングシュートという王道パターンのほうが僅か始動して2週間のチームでも綺麗に出せた。これは、もともとそういう下地があるからともいえるし、フィニッシャー役が変わってもそこに至るまでのやり方やパス、動きは昨年の経験値もあり再現できる。

しかし、中央でゲームを組み立てる役目である高木善はピッチに居たものの、そのポジションにボールを入れて崩すというチームの意識が高まらないとなかなかスムーズにはいかない。高木善とすれば、それでも今は監督とチームに認めさせて自分の良さを出していかないといけない。それが加入間もない選手の役目である。

 

 

□そして、長身FWが好調な中での弊害

更にここから派生した問題が2つ。

 

1つはボールが中央を経由しない場合の崩し方。

中央を使わない場合、相手のDFラインを崩すためには工夫が必要になる。サイドからサイドにボールを動かしていくのもひとつの方法。しかし、その場合はサイドハーフからSB、ボランチなどを経由して逆サイドに持っていく。そうなると相手もしっかりブロックを作るため壁は厚くなる。

 

そこを崩すにはどうするのか。

単純に高さを利用するのと、ミドルレンジからのシュートが解決方法になる。

その意味では、この試合ではノヴァコヴィッチと駿くんという高さがあった。

そして、竹内が決めた3点目のようなミドルレンジからのシュートがあった。

 

結果を見れば、1点目は足元だったが、結局はサイドからのクロスからの得点。そして2点めも駿くんの高さだったということを考えると、現有戦力と、サイドからの攻撃でしっかり2点を取り、最後は竹内のミドルで3点めを奪うことができたのは、試合に出ている選手と、これまでのやり方を考えると想定内だった。

 

しかしである。

逆に言えば、中を崩しラストパス、スルーパスでゴールというシーンは無かった。

となると、ポイントは高木善をどう使うかということになるのかなと思った。必要だと思ったから獲得した新戦力。使わない手はない。それには、これからいかに早くどうチームの中に組み込んでいくのかが課題かなと感じた。

 

そして、もう一つ。

気になったのは最終ライン。新加入のヤコヴィッチは高さもありボールを取る技術もありそうだ。しかし、GKとの連携を含めたところでやや熟練度が必要。右SBの選手とも活発に意見を出し合っていたようだが、試合の中では何度かラインが低くなっているシーンが多かった。そのため相手にリズムを握られた時間が目についた。

これは単に言葉の問題なのか、それとも外国人CB特有の前には強いけれども後ろには弱いということなのかは選手に直接聞いてみたいと思う。しかし、いずれにしてもGKSBが押しあげたいと思っていても上がらないというシーンがあった。そのため中盤でスペースが出来て、そこを使われる。前半の立ち上がりとか、失点シーンを見てもそういうところの解決は必要かなと思わせた。

 

特にサイド攻撃を使う場合、SBがオーバーラップしているシーンが多い。それでも、クロスを上げるなりシュートするなり、最後までやりきってくるなら問題がない。もしくは、ボールがタッチラインを割るなどプレーが切れるならDFがラインに戻る時間もある。

しかし、サイド攻撃一辺倒で攻めあぐねいていると、ボールを回せていても崩し切れず、ちょっとしたミスからピンチを招くことになる。

そのとき、しっかりとラインを上げてスペースを消していれば相手FWも動けるスペースが限られ、DFが密集したエリアでボールを奪うこともできるし、オフサイドを狙って取ることもできる。

 

しかし、前線に長身FWが揃ったうえにノヴァコビッチはしっかり収まるので後ろからアバウトに入れてもタメができる。そうなると、DFにラインは早めにボールを入れたくなる。チームとしてリスクを避けるためにシンプルな作戦をとる。そうなると、DFラインが細かい上げ下げをしなくなる。

そして、ゴール前を守る2CBも高さに自信があると、「前で弾けばいい」という考え方に落ち着いてしまう。まあ、こればっかりは実戦で修正していくしかないと思っているし、平岡や杉山が復帰すれば、また違ったアプローチもあるのでこの心配は無用かもしれない。

 

いずれにしても、大田韓国水力原子力(Kリーグ所属ではない。日本でいえばJFLレベルと考えていいだろう)を相手に、3点奪って勝利したことは素晴らしい結果。

そして、清水が本来持っている実力をしっかり発揮した結果と思うし、昨年までやってきたサイド攻撃がしっかり出せていたのは、これまでの積み重ねだと思う。そう考えると、チームが始動して僅か20日程度のチームとしては十分な内容だった。


中央からの攻撃に関しても、練習をこなし、選手たちももうちょっと動けるようになれば連携も増すし攻撃のパターンも増えるだろうから、高木善を活かすやり方も増えてくると思う。そして、チームとしてそういう練習も組み込まれていくだろう。そう考えると、鹿児島キャンプでのさらなる成長に期待したい。

 

 

 

 

J3を考える

公式HPも完成

http://www.j3league.jp/

 

ようやく、公式HPでも新設されたJ3リーグの概要が発表された。

そして、日程も発表されましたので、ちょっと感じたことなどを書きたいと思います。

 

 

ちなみに、J3リーグの概要は以下

(公式HPににもPDFがあるので参考に)

 

2014 明治安田生命 J3リーグ 大会方式および試合方式

■主催

公益財団法人 日本サッカー協会/公益社団法人 日本プロサッカーリーグ

 

■大会方式

3回戦総当りリーグ戦(ホーム&アウェイ + ホームorアウェイ)

33節/198試合

 

■開催期間

39日(日)~1123日(日・祝)

 

■試合会場

原則として各クラブのホームスタジアム

※Jリーグ・アンダー22選抜はホームゲームを開催せず、対戦チームのホームゲームとして試合を行う。

 

■開催概要

《試合方式および勝敗の決定》

90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分けとする。

 

《勝点》

勝利:3点、引き分け:1点、敗戦:0

 

《年間順位の決定》

リーグ戦が終了した時点で、勝点合計の多いチームを上位とし、順位を決定する。

ただし、勝点が同じ場合は、以下の順によって順位を決定する。

()得失点差

()総得点数

()当該チーム間の対戦成績(イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数)

()反則ポイント

()抽選

※抽選は、J2昇格チームの決定等、理事会が必要と判断した場合のみ実施される。

 

■試合エントリー

1チーム16名以内

(外国籍選手は2名まで。ただし、Jリーグが別途「Jリーグ提携国」として定める国の国籍を有する選手* 1名に限り、追加エントリー可)

 

■選手交代

試合中の選手の交代は5名以内とする。

 

■警告の累積

3リーグにおいて警告累積が4回に達した場合、同大会の直近の試合が出場停止となる。

 

■出場資格登録期限

2014919日(金)

 

■表彰

1位 :賞金500万円/Jリーグ杯

2位 :賞金250万円

 

 

★パートナー

■J3リーグ タイトルパートナー

明治安田生命保険相互会社

 

■J3リーグ オフィシャルパートナー

アディダス ジャパン株式会社

日本航空

 

■J3リーグ オフィシャルブロードキャスティングパートナー

スカパーJSAT株式会社

 

■スポーツ振興パートナー

独立行政法人日本スポーツ振興センター

 

 

Jリーグとの違い

□冠スポンサー、パートナーの存在

まず、先日J3のリーグロゴが発表されたように、既存のJリーグとは違うリーグであることが明確にアピールされた。

 

そして、「2014 明治安田生命 J3リーグ」という大会名から、冠スポンサーが居ることが分かる。現段階ではJリーグには冠スポンサーはないので、ここがまず違う。

しかし、冠スポンサー(J3 ではパートナーと呼んでいる)が今後J1J2のリーグ戦にも付く可能性はありそうだ。ナビスコ杯や海外のリーグ戦のように、「2015 ○○J1 リーグ」や、「2015 ○○○○J2リーグ」という名称になる可能性は大いにある。

新たにリーグを発足したり、Fリーグなど傘下に多くのリーグを抱えている協会としては、より多くの資金を集め分配するためには必要だと考えてのことだろう。そして、広告代理店とそういう計画を立てているのは違いないと思う。

 

□スカパー!放送について

地元のクラブがJ3リーグへの参入が決まったというサポーターさんたちの一番の関心は、TVで試合が見られるのかというところだったが、スカパー!と3年間の契約をしたとのこと。

スカパーでは、全198試合のハイライト放送に加えて、注目試合を年間約10試合、開幕節に関しては、FC琉球対JリーグU-22選抜の試合を生中継するとのこと。

全試合生放送とはならなかったが、ハイライト放送があるのは嬉しいことだ。

 

□リーグ戦について

基本的には勝ち点の計算や累積警告など、Jリーグと大会方式に大きな違いはない。

あるとすれば、以下の3つ。

エントリー数、外国人選手のエントリー数、交代選手の人数。

 

エントリー数は1チーム16名以内。

これはちょっと前までのJ2も同じだったし、クラブ規模の差を少なくし競争させようという意図もあるように思う。まあ、そんなに違和感はない。

 

外国人選手は2名まで

ただし、Jリーグが別途「Jリーグ提携国」として定める国の国籍を有する選手1名に限り、追加エントリー可ということなので、インドネシアやシンガポールの選手は追加できる。

 

交代選手が5人。

これが一番大きな違いかな。

昨今、高校サッカーでも交代枠は3人まで。しかし、J3リーグでは育成も目的のひとつに入っているのでベンチメンバー全員が出場できるというのはテスト的なトライだが面白い制度だと思う。

場合によっては、前半と後半でGKを交代させることもある(もしかしたら、主にこれはU-22選抜のためのルールかもしれないけど)。

それに、もしかしたらサブGKをベンチ登録せずにベンチの5人全員をフィールドプレイヤーにしてくるチームも出てくるかもしれない。そうすれば、より攻撃的な采配が可能となるし勝利の可能性が出てくる。しかし、このへんのリスク管理も含めてクラブの色、やり方となる。

 

U-22チームの存在

そして最大の違いはここ。

J3リーグにクラブチームではない、U-22選抜チームが参戦する。

 

原博実専務理事兼技術委員長のコメントを読むと、「日本サッカー界において一番課題である19歳~22歳の年代をどうやって鍛えるかということ」を考えての決断だという。

 

先日の期限付き移籍のときも書こうかと思っていたんだけど、現在のJリーグではサテライトリーグが撤廃されたことで、高卒選手や大卒年代の選手たちが定期的にプレーする公式戦の場が減っている。

だから、クラブは定期的に練習試合などを組むが、関東や関西のクラブなら高校や大学も多く地理的にも移動は少なく(比較的)簡単にセッティングできる。

しかし、そうではない地区を本籍にしているクラブはなかなか難しい。大学生にしても関東や関西と比べるとレベルも違ってくる。

ちなみに、元湘南で指揮をとった反町監督も、新潟時代は相当苦労したらしく、このことは嘆いていた。

だから、近年は高卒でJリーグに入るのではなく、大学を経由してJリーグ入りをする選手も増えてきているというのも現実的にはある。そして、そういう19歳から22歳という大事な時期に、どれだけ多くの試合でプレーし実戦経験を積んだかが、その後の成長に影響してくる。

 

高卒で即戦力ではなかったが、それでも我慢して育ってくれて日本代表になった岡崎慎司選手のような例は少ない。これは、清水エスパルスの強化部がしっかりと先を見据えたこと、クラブが資金的にも余裕があったこと、そして現場が選手の才能を信じたからだと思う。

しかし、運営規模の小さなクラブや、J2のクラブではなかなか難しいと思われる。

 

そこで、サッカー協会が自らバックアップ(お金も人材も提供)をして育成に乗り出した。

特に2年後の2016リオ・オリンピック大会を目指し、19歳から22歳までの五輪世代を強化することに力を入れることになった。

まあ、サッカー人気の低迷は日本サッカー協会の低迷に繋がる訳で、特にオリンピックへの関心の強い日本では尚更。

中田ヒデや前園、城、川口らが活躍したアトランタ五輪にしても、出場の際には、「28年目の奇跡」なんて呼ばれたが、そこから一度も出場権を失っていないのは素晴らしいこと。しかし、常態化してくると、そろそろメダルを期待されてしまうというのが難しいところ。

 

そのU-22選抜チームを指揮するのは高畠勉監督。川崎Fリーグでの監督としてのイメージが強いかな。また、関塚監督の名参謀という感じ。知的な印象だ。

 

ちなみに、U-22選抜の登録選手は今シーズンは9311日以降に生まれた日本国籍を有する選手が対象となる。よって今シーズンはU-21、来シーズンはU-22の選手で構成される。そして、試合はすべてアウェイ。対戦相手のホームで試合を行う。

 

また、選抜選手たちの登録も事前にある。

Jリーグと同様に、第1登録期間(328日)までに完了し、第2登録期間(718日〜815日)に変更ができる。

それでも、基本的には所属クラブでの活躍が大前提。練習は勿論、試合に出ることが最優先となる。

しかし、出場機会が少ないと思われる選手たちは、選抜チームとして登録され、さらに週末の試合に選ばれた場合、金曜日の夜に集合、土曜日にトレーニング、日曜日の公式戦へ挑む。

こういう流れになるようだ。

 

ちなみに、選ばれた選手たちがどのようなメンバーになるのかはJ3公式HPでなどでリリースが出ると思うのだが、所属クラブでの対応はまだ決まっていないと思われる。

 

その都度、「○○選手、U-22選抜選出のお知らせ」という形でリリースをするのか、しないのか。また、事前登録をされたかどうかのリリースもどのように対応するのだろうか。


サポーターにとって、応援するクラブから誰が選ばれて、J3の試合に出るのか。毎回J3HPを見て確認するのか。

しかも、金曜日の夜に選ばれた選手を知ったとしても、その場合にU-22選抜の試合を見に行きたいと思っても、アウェイでしか試合は無いため日程を抑えるのは至難の業だと思う


清水エスパルスのサポーターだとすれば、試合会場が藤枝ならばなんの問題もない。

しかし、福島とか盛岡、秋田とかだった場合はどうだろうか。


湘南ベルマーレの場合、相模原、町田、横浜など関東圏での試合ならば問題はないだろうと思うが、遠方だった場合はどうするのだろうか?


このへんはこれから解決していくべき問題点だろう。

 

 

いずれにしても、J3リーグはようやく産声を上げたばかりで、やってみないと分からない部分も多い。特にU22選抜チームに関しては協会としても初のトライ。というか、世界でも例を見ないシステムなので、2年後のリオでどのような成果を出すか、いやその前に今シーズンでどのような効果、結果、成果が出るかに注目したい。

場合によっては世界の一流リーグも真似をするなんて可能性もある。

そうなれば、世界へ日本初の新システムを売り込むチャンスでもある。

 

 

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