昨年末から今年にかけ、Jからタイのクラブへ移籍した例がかなり多い。

ざっと調べただけでこんなにもあった。

 

J1クラブから

岩政 大樹

[ 鹿島 → BECテロ・サーサナFC

橋本 早十

[ 大宮 → チョンブリーFC

茂庭 照幸

C大阪 → バンコク・グラスFC ]

 

J2クラブから

大久保 剛志

[ 山形 → バンコク・グラスFC ]

西 紀寛

[ 東京V → ポリス・ユナイテッド ]

田原 豊

[ 横浜FC → サムットソンクラームFC

黒部 光昭

[ 富山 → TTMカスタムズFC

杉本裕之

[ 岐阜 → TTMカスタムズFC

桑田 慎一朗

[ 岡山 → ナコンラチャシマー MAZDA FC ]

横野 純貴

[ 札幌 → コンケーンFC/期限付き移籍 ]

永里 源気

[ 鳥取 → ラチャブリーFC ]

小井手 翔太選手

[ 鳥取 → ナコンラチャシマーFC ]

 

■その他のリーグから

杉本恵太

[大分HOYO → チェンライ・ユナイテッド ]

鈴木 伸貴

[鹿児島ユナイテッドFC → サムットソンクラームFC ]

カレン・ロバート

VVVフェンロ → スパンブリーFC ]

 

■日本で活躍したJリーガーたち

河村崇大 、宇留野 純、田中輝和、中谷勇介、滝澤邦彦、長野 聡

 

■その他

鶴見正樹(サラブリーFC/タイ1部リーグ 元ベルマーレY→桐蔭横浜大学)

 

 

□過去には湘南や大宮で活躍した、ムラちょもプレー

昨年、元湘南の選手で村山祐介がタイ(サラブリーFC)でプレーをした。実は彼、日本で一度現役を引退してからタイで復帰したという異色な例。残念ながら契約が切れ、今年は日本でトライアウトを受けたけど、、、という感じ。でも、本人は現役復帰出来たことをとても喜んでいたので、一度取材に行っておけばよかったと後悔している。

あと、地元出身として忘れてはいけないのがベルマーレY出身の鶴見正樹。彼は大学を経てそのままタイへと渡ったというパターン。実は兄も湘南や鳥取でプレーしたJリーガー(鶴見聡貴、2013シーズン終了時点で鳥取と契約満了。しかも、鳥取ではタイ出身のヴィタヤ・ラオハクル氏が2007~2010年まで指揮していた)なので、もしかしたら兄弟揃ってタイでプレーする可能性がありそうだ。だから、そこも注目したいと思っている。

また、個人的には元湘南の選手が3人も移籍を決めているので、とにかく気になっているのは間違いない状態。できれば生で観戦したいし、練習場にも取材に行きたいと思っている。

 

 

□なぜタイに移籍するのか?

さて、ここからが本題。

とにかく、今年は(昨年の12月も含め)「○○選手、タイリーグの○○へ移籍」というリリースを何度も見たように思う。そして、ちょっと多すぎないか?とも思ったが、昨年くらいからかな、日本とタイで仕事をしている友人から、「今、タイリーグが熱いんです。給料も良くて、下手をすれば運営規模の小さいJ2クラブよりも貰っていると思います。日本でのトライアウトばかりじゃなくて、タイも視野に入れればいいのに」と聞いていたので、遂にこの時代が来たかという印象がある。

また、今シーズンの場合は、岩政、茂庭といった元日本代表クラスの選手が移籍していくこと。これは世間様のインパクトも大だった。まだまだJ1のクラブで十分にプレーできる力を持っていながらも、タイでのプレーを選択した。それだけに、今年はこれまで以上にタイリーグへの注目が高まったと思う。

 

また、この友人からいろいろと話しを聞くとタイでプレーするメリットはかなり大きいように思った。勿論契約内容にもよるが、向こうでの住居や車などをクラブが用意してくれる例もあるという。いわゆる日本のJリーグ開幕当初の助っ人外国人の扱いと似ている。また、そうでない場合でも物価が違う。日本と比べても、住居や食事など生活に必要なものはかなり安いので、毎月の生活コストが(日本での)3分の1程度で済むというのも魅力だ。実際、ホテルの宿泊費を見ても安いところを探すとベラボウに安いところもあるので、そういうものかなと思っている。

 

また、現役引退後のキャリアを考える場合でも、タイへ移籍するメリットはある。それが言語。タイでは英語の普及がかなりされているので、その気になれば英語の勉強にもなるし、思い切ってタイ語を覚えておけば引退後のキャリアで大きな武器なる。これからは日本企業もアジア圏をマーケットに捉えている。それだけに、日本とタイを結ぶパイプ役としても期待されるかもしれない。

 

□やっぱり気になるのはお給料。

現在いる有力助っ人外国人たちは、日本円で2000万近い年俸を貰っていると聞く。経済が低迷している日本とは違い、経済も好調なタイはお金持ちのクラブも多い。そういったクラブは高いお金で外国人FW2トップを組ませ、圧倒的な攻撃力を武器に優勝を目指すなんてのは普通らしい。その意味からすると、元日本代表という肩書があればかなりの好待遇が期待できそうだ。

実際、昨年秋にはオランダで活躍していたカレン・ロバートの移籍が話題になった。報道によれば年俸4000万円という契約だというが、これまでに聞いていた話を総合すれば、「あり」だなと思った。

(黒部らが移籍したプレミアリーグでないカテゴリーの場合はちょっと分からないけれども)

 

まあ、いずれにしても、今年をきっかけに今後はタイのプレミアリーグが注目を集めるのは間違いないだろう。岩政や茂庭の熱狂的なサポーターなどは現地まで応援に駆けつけるなんてこともあるだろう。そうなれば、日本の旅行代理店も目をつけるだろうし、向こうでも日本企業がスポンサーするなど動きがありそうだ。今後はそういう情報にも注意していきたい。

 

しかし、そうなると日本サッカー協会やスカパー!がアジア戦略と称しJリーグの放映権を海外で売ろうと考えているが、このままだと逆の流れになりそうだ。タイのプレミアリーグで活躍する日本人を見たいから、向こうの放映権を買って、スカパー!で観るなんてことが早ければ来年にも実現していそうな感じだ。

 

もしくは、鹿島やC大阪がプレシーズンマッチをする。と書いていたら、C大阪大阪はキャンプ中に茂庭の初速するバンコク・グラスFCと練習試合するみたいだしね。となれば、やはり多くのサポーターさんはタイまで行くだろう。そうなれば人の流れができ、お金の流れもできる。

とねれば、暫くはこのタイ旋風に注目して損はないように思う。

 

 

■順位表で移籍した選手をみるとこんな感じ

1            ブリーラム・ユナイテッド

2            SCG ムアントン・ユナイテッド

3            チョンブリーFC                                    橋本早十

4            スパンブリー FC                                 カレン・ロバート

5            バンコク・グラス FC                             茂庭照幸、大久保剛志

6            アーミー・ユナイテッド FC

7            BEC テロ・サーサナ FC                       岩政大樹

8            オーソットサパー・M-150 サラブリー

9            ポリス・ユナイテッド                              西 紀寛

10           チャイナートFC

11           バンコク・ユナイテッド FC

12           ソンクラー・ユナイテッド

13           サムットソンクラーム FC                       鈴木伸貴、田原 豊

14           チェンライ・ユナイテッド FC                    杉本恵太

15           TOT SC

16           ラチャブリー FC                                   永里源気

17           パタヤ・ユナイテッド FC

18           シーサケット FC