公式HPも完成
ようやく、公式HPでも新設されたJ3リーグの概要が発表された。
そして、日程も発表されましたので、ちょっと感じたことなどを書きたいと思います。
ちなみに、J3リーグの概要は以下
(公式HPににもPDFがあるので参考に)
★2014 明治安田生命 J3リーグ 大会方式および試合方式
■主催
公益財団法人 日本サッカー協会/公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
■大会方式
3回戦総当りリーグ戦(ホーム&アウェイ + ホームorアウェイ)
全33節/198試合
■開催期間
3月9日(日)~11月23日(日・祝)
■試合会場
原則として各クラブのホームスタジアム
※Jリーグ・アンダー22選抜はホームゲームを開催せず、対戦チームのホームゲームとして試合を行う。
■開催概要
《試合方式および勝敗の決定》
90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分けとする。
《勝点》
勝利:3点、引き分け:1点、敗戦:0点
《年間順位の決定》
リーグ戦が終了した時点で、勝点合計の多いチームを上位とし、順位を決定する。
ただし、勝点が同じ場合は、以下の順によって順位を決定する。
(1)得失点差
(2)総得点数
(3)当該チーム間の対戦成績(イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数)
(4)反則ポイント
(5)抽選
※抽選は、J2昇格チームの決定等、理事会が必要と判断した場合のみ実施される。
■試合エントリー
1チーム16名以内
(外国籍選手は2名まで。ただし、Jリーグが別途「Jリーグ提携国」として定める国の国籍を有する選手* 1名に限り、追加エントリー可)
■選手交代
試合中の選手の交代は5名以内とする。
■警告の累積
J3リーグにおいて警告累積が4回に達した場合、同大会の直近の試合が出場停止となる。
■出場資格登録期限
2014年9月19日(金)
■表彰
1位 :賞金500万円/Jリーグ杯
2位 :賞金250万円
★パートナー
■J3リーグ タイトルパートナー
明治安田生命保険相互会社
■J3リーグ オフィシャルパートナー
アディダス ジャパン株式会社
日本航空
■J3リーグ オフィシャルブロードキャスティングパートナー
スカパーJSAT株式会社
■スポーツ振興パートナー
独立行政法人日本スポーツ振興センター
■Jリーグとの違い
□冠スポンサー、パートナーの存在
まず、先日J3のリーグロゴが発表されたように、既存のJリーグとは違うリーグであることが明確にアピールされた。
そして、「2014 明治安田生命 J3リーグ」という大会名から、冠スポンサーが居ることが分かる。現段階ではJリーグには冠スポンサーはないので、ここがまず違う。
しかし、冠スポンサー(J3 ではパートナーと呼んでいる)が今後J1、J2のリーグ戦にも付く可能性はありそうだ。ナビスコ杯や海外のリーグ戦のように、「2015 ○○J1 リーグ」や、「2015 ○○○○J2リーグ」という名称になる可能性は大いにある。
新たにリーグを発足したり、Fリーグなど傘下に多くのリーグを抱えている協会としては、より多くの資金を集め分配するためには必要だと考えてのことだろう。そして、広告代理店とそういう計画を立てているのは違いないと思う。
□スカパー!放送について
地元のクラブがJ3リーグへの参入が決まったというサポーターさんたちの一番の関心は、TVで試合が見られるのかというところだったが、スカパー!と3年間の契約をしたとのこと。
スカパーでは、全198試合のハイライト放送に加えて、注目試合を年間約10試合、開幕節に関しては、FC琉球対JリーグU-22選抜の試合を生中継するとのこと。
全試合生放送とはならなかったが、ハイライト放送があるのは嬉しいことだ。
□リーグ戦について
基本的には勝ち点の計算や累積警告など、Jリーグと大会方式に大きな違いはない。
あるとすれば、以下の3つ。
エントリー数、外国人選手のエントリー数、交代選手の人数。
エントリー数は1チーム16名以内。
これはちょっと前までのJ2も同じだったし、クラブ規模の差を少なくし競争させようという意図もあるように思う。まあ、そんなに違和感はない。
外国人選手は2名まで
ただし、Jリーグが別途「Jリーグ提携国」として定める国の国籍を有する選手1名に限り、追加エントリー可ということなので、インドネシアやシンガポールの選手は追加できる。
交代選手が5人。
これが一番大きな違いかな。
昨今、高校サッカーでも交代枠は3人まで。しかし、J3リーグでは育成も目的のひとつに入っているのでベンチメンバー全員が出場できるというのはテスト的なトライだが面白い制度だと思う。
場合によっては、前半と後半でGKを交代させることもある(もしかしたら、主にこれはU-22選抜のためのルールかもしれないけど)。
それに、もしかしたらサブGKをベンチ登録せずにベンチの5人全員をフィールドプレイヤーにしてくるチームも出てくるかもしれない。そうすれば、より攻撃的な采配が可能となるし勝利の可能性が出てくる。しかし、このへんのリスク管理も含めてクラブの色、やり方となる。
□U-22チームの存在
そして最大の違いはここ。
J3リーグにクラブチームではない、U-22選抜チームが参戦する。
原博実専務理事兼技術委員長のコメントを読むと、「日本サッカー界において一番課題である19歳~22歳の年代をどうやって鍛えるかということ」を考えての決断だという。
先日の期限付き移籍のときも書こうかと思っていたんだけど、現在のJリーグではサテライトリーグが撤廃されたことで、高卒選手や大卒年代の選手たちが定期的にプレーする公式戦の場が減っている。
だから、クラブは定期的に練習試合などを組むが、関東や関西のクラブなら高校や大学も多く地理的にも移動は少なく(比較的)簡単にセッティングできる。
しかし、そうではない地区を本籍にしているクラブはなかなか難しい。大学生にしても関東や関西と比べるとレベルも違ってくる。
ちなみに、元湘南で指揮をとった反町監督も、新潟時代は相当苦労したらしく、このことは嘆いていた。
だから、近年は高卒でJリーグに入るのではなく、大学を経由してJリーグ入りをする選手も増えてきているというのも現実的にはある。そして、そういう19歳から22歳という大事な時期に、どれだけ多くの試合でプレーし実戦経験を積んだかが、その後の成長に影響してくる。
高卒で即戦力ではなかったが、それでも我慢して育ってくれて日本代表になった岡崎慎司選手のような例は少ない。これは、清水エスパルスの強化部がしっかりと先を見据えたこと、クラブが資金的にも余裕があったこと、そして現場が選手の才能を信じたからだと思う。
しかし、運営規模の小さなクラブや、J2のクラブではなかなか難しいと思われる。
そこで、サッカー協会が自らバックアップ(お金も人材も提供)をして育成に乗り出した。
特に2年後の2016リオ・オリンピック大会を目指し、19歳から22歳までの五輪世代を強化することに力を入れることになった。
まあ、サッカー人気の低迷は日本サッカー協会の低迷に繋がる訳で、特にオリンピックへの関心の強い日本では尚更。
中田ヒデや前園、城、川口らが活躍したアトランタ五輪にしても、出場の際には、「28年目の奇跡」なんて呼ばれたが、そこから一度も出場権を失っていないのは素晴らしいこと。しかし、常態化してくると、そろそろメダルを期待されてしまうというのが難しいところ。
そのU-22選抜チームを指揮するのは高畠勉監督。川崎Fリーグでの監督としてのイメージが強いかな。また、関塚監督の名参謀という感じ。知的な印象だ。
ちなみに、U-22選抜の登録選手は今シーズンは93年1月1日以降に生まれた日本国籍を有する選手が対象となる。よって今シーズンはU-21、来シーズンはU-22の選手で構成される。そして、試合はすべてアウェイ。対戦相手のホームで試合を行う。
また、選抜選手たちの登録も事前にある。
Jリーグと同様に、第1登録期間(3月28日)までに完了し、第2登録期間(7月18日〜8月15日)に変更ができる。
それでも、基本的には所属クラブでの活躍が大前提。練習は勿論、試合に出ることが最優先となる。
しかし、出場機会が少ないと思われる選手たちは、選抜チームとして登録され、さらに週末の試合に選ばれた場合、金曜日の夜に集合、土曜日にトレーニング、日曜日の公式戦へ挑む。
こういう流れになるようだ。
ちなみに、選ばれた選手たちがどのようなメンバーになるのかはJ3公式HPでなどでリリースが出ると思うのだが、所属クラブでの対応はまだ決まっていないと思われる。
その都度、「○○選手、U-22選抜選出のお知らせ」という形でリリースをするのか、しないのか。また、事前登録をされたかどうかのリリースもどのように対応するのだろうか。
サポーターにとって、応援するクラブから誰が選ばれて、J3の試合に出るのか。毎回J3のHPを見て確認するのか。
しかも、金曜日の夜に選ばれた選手を知ったとしても、その場合にU-22選抜の試合を見に行きたいと思っても、アウェイでしか試合は無いため日程を抑えるのは至難の業だと思う。
清水エスパルスのサポーターだとすれば、試合会場が藤枝ならばなんの問題もない。
しかし、福島とか盛岡、秋田とかだった場合はどうだろうか。
湘南ベルマーレの場合、相模原、町田、横浜など関東圏での試合ならば問題はないだろうと思うが、遠方だった場合はどうするのだろうか?
このへんはこれから解決していくべき問題点だろう。
いずれにしても、J3リーグはようやく産声を上げたばかりで、やってみないと分からない部分も多い。特にU-22選抜チームに関しては協会としても初のトライ。というか、世界でも例を見ないシステムなので、2年後のリオでどのような成果を出すか、いやその前に今シーズンでどのような効果、結果、成果が出るかに注目したい。
場合によっては世界の一流リーグも真似をするなんて可能性もある。
そうなれば、世界へ日本初の新システムを売り込むチャンスでもある。