■2014年 J2第1節
湘南ベルマーレ vs モンテディオ山形 MR
3月2日 Shonan BMWスタジアム平塚 16時00分~
■メンバー
◇湘南
先発:
GK37秋元 陽太
DF 3遠藤 航
DF14丸山 祐市
DF17三竿 雄斗
MF 4宇佐美 宏和
MF 2菊地 俊介
MF 6永木 亮太
MF10菊池 大介
FW 8梶川 諒太
FW 9ウェリントン
FW39武富 孝介
サブ:
GK27鈴木 雄太
DF30島村 毅
MF13岩尾 憲
MF26亀川 諒史
FW19大槻 周平
FW22岡田 翔平
FW29吉濱 遼平
監督:
曹貴裁
◇山形
先発:
GK 1清水 健太
DF 6山田 拓巳
DF17當間 建文
DF23イ ジュヨン
DF 5舩津 徹也
MF15宮阪 政樹
MF24ロメロ フランク
MF30山崎 雅人
MF11ディエゴ
MF 9中島 裕希
FW18萬代 宏樹
サブ:
GK16兼田 亜季重
DF 3石井 秀典
DF13石川 竜也
MF10伊東 俊
MF19秋葉 勝
MF25汰木 康也
FW29川西 翔太
監督:
石崎 信弘
■フォーメーション
◇湘南
----------ウェリ---------
------武富----梶川諒----
菊池--永木---菊地—宇佐美
三竿------丸山------遠藤
----------秋元---------
◇山形
----------萬代----------
山崎-----ディエゴ-----中島
------フランク---宮坂-----
舩津---當間---イ-----山田
----------清水---------
■スタッツ
◇得点
湘南:ウェリントン(28分)
◇警告・退場
湘南:
37分 梶川 諒太
40分 武富 孝介
47分 梶川 諒太(2枚目退場)
89分 ウェリントン
山形:
21分 フランク
31分 山田 拓巳
55分 フランク(2枚目退場)
◇交代
湘南:
59分 武富 孝介 → 大槻 周平
81分 菊池 大介 → 島村 毅
山形:
63分 山崎 雅人 → 伊東 俊
74分 萬代 宏樹 → 汰木 康也
85分 中島 裕希 → 川西 翔太
■レポート
まずメンバー表に目を通し驚いたのが、古林の名前がないこと。しかし、それは試合が始まって分かる。スタンドには松葉杖をついて歩く姿が見えたからだ。これでは開幕戦のベンチ入りは難しかっただろう。
(このへんデリケートなので、どう書こうかと悩んでいたら即座にリリースが。そして、素早い動きで補強も)
※古林の怪我は公式HPでもリリースが出された。
http://www.bellmare.co.jp/99521
※更に、古林の穴を埋めるべく新潟から藤田征也が加入のリリース。
http://www.bellmare.co.jp/99524
そして、古林のポジションには宇佐美が先発した。栃木時代から身体能力に定評がある選手だけに上下の運動量やフィジカル面での不安はない。跳躍力もあるし、守備では問題なさそうに感じた。対する山形も、GKの予想が外れたが、他では大きなメンバー変更はなかった。
さて、試合に関してだが湘南が早い段階で梶川涼のFKから、ウェリントンのヘディングシュートが決まり先制。山形も宮坂のバー直撃のシュートなどあったが、湘南がそのまま逃げ切り勝利を掴んだ。
しかし、試合内容に関しては少々期待はずれだった。というのも、雨と強風、寒さの中でのゲームとなったことに加え、追い打ちをかけたのが湘南の梶川涼、山形のフランクと2人も退場したこと。梶川涼は前半のうちに、フランクは後半の早い時間に2枚目の警告を受けて、10対10のゲームとなった。正直言えば、開幕戦で今シーズンの両チームの戦い方などを見たかったのだが、これでは仕上がり状況を見るのは無理。収穫の少ない試合となった。
それでもいくつか感じたポジティブなポイントは、湘南が大人のチームになろうとしていること。何度も書いているがDFラインのビルドアップ力が高まったこともあり、後方からしっかりとボールを回せるチームになった。そして、前線でターゲットとなるウェリントンが入ったことで、ロングボールを意図的に狙えていた。また、相手プレッシャーを受け細かくボールを繋ぐことができなくても、大きなパスで展開する。もしくは、ワイドが走ってサイドの深い位置に蹴りこむ。大きなサイドチェンジや逆サイドへの展開。そうしたことができるようになったように思う。また10人になっても慌てずゲームを進めることができたのは、精神的にも大人のチームへの変化ができていると思う。
また、加入1年目でスタメンに名を連ねた秋元、丸山、三竿、菊地らそれぞれのプレーも良かった。秋元はサイドに入れるキックでラインを割るミスキックをしたものの、10人となった時間帯に間をとってプレーを始めるなど頭を使ったプレーが良かった。DFのラインの丸山、三竿は共にボールを持って前を向けるし、ピッチコンディションが多少悪くても焦らずにボールを回せた。そして、ボランチの菊地は状況を見て前にも後ろにも動くことができ、どちらでも存在感があって良かった。
対して山形は、3バック相手の練習を殆どしていないということもあって、攻撃に出た際の崩し方、前線からのプレスのかけ方など咬み合わない部分が出た。そういう意味では、石崎監督が就任して1年目、僅か一月程度の落とし込みというチーム状況でのプレーしかできなかっただけに、湘南にとってはありがたかった。しかし、「現在の完成度は50%」というのも頷けた山形だが、ダイレクトでボールを動かすやり方や、人の動かし方に加え、中島のスパイスを利かしたパスなど意図は明確だった。そこに、これからはディエゴのコンディションが上がってくることを考えると、練習と試合を重ねた中盤戦以降では怖い存在になるなと思わせる。ただ残念ながら、この開幕戦ではまだまだ未成熟。しかも、10人を相手にした戦い方や、自分たちが10人となった場合を想定しての練習など僅かな期間では練習もできてないだけに、今回はいろいろな面で湘南に分があったのは明白だろう。
そういう意味では、この開幕戦で見えたことはごく僅かで、収穫というには少ないものばかり。だからこそ、10対10となった試合を期待はずれと書いた。しかし、湘南にとっては勝ち点3を掴み、勝利でスタートできたのは収穫。内容、スタイルよりも結果という指揮官の狙いは達成した。
ちなみに、日曜日開催のJ2開幕戦では愛媛でも退場者が1人出ているが、他ではそれほど荒れた感じはしない。審判は今シーズンの指針として笛を吹いているのだろうが、多少厳しく取るという傾向ではなかったように思う。それだけに、両チームから退場者を出すという判定にガッカリした。また、加えて言えば梶川涼は自分が1枚警告を貰っていることを意識してプレーして欲しかった。守備意識の強さは理解できるが、時間帯なども考えてプレーをしないとこういう状況になる。シーズン終盤で、大一番のゲームでは試合を壊しかねないだけに、この開幕で経験したことを確実に活かして欲しい。一方のフランクはとんだトバッチリだっただろう。リプレイを見ても足が引っかかってはいるが、悪意をもっているようにも思えない。それだけに、あれで試合が壊れたのは本当に残念だった。