2014年 第7

清水エスパルス vs 大宮アルディージャ  MR

412日 IAIスタジアム日本平 1500分~

 

 

■メンバー

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF19ヤコヴィッチ

DF 3平岡 康裕

DF 4カルフィン ヨン ア ピン

DF28吉田 豊

MF16六平 光成

MF20竹内 涼

MF17河井 陽介

FW10大前 元紀

FW18ノヴァコヴィッチ

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK21相澤 貴志

DF 5村松 大輔

MF 6杉山 浩太

MF 7本田 拓也

MF 8石毛 秀樹

FW11高木 俊幸

FW22村田 和哉

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

 

◇大宮アルディージャ

先発:

GK31清水 慶記

DF27今井 智基

DF 2菊地 光将

DF17高橋 祥平

DF14中村 北斗

MF10渡邉 大剛

MF18横山 知伸

MF38増田 誓志

MF41家長 昭博

FW11ズラタン

FW32長谷川 悠

 

サブ:

GK21江角 浩司

DF 3福田 俊介

DF30渡部 大輔

MF 4橋本 晃司

MF 9曹 永哲

MF23金澤 慎

FW20ラドンチッチ

 

監督:

大熊 清

 

■フォーメーション

◇清水

----------長沢--------

大前------ノヴァ----河井

------六平----竹内-----

吉田-—キャラ-平岡---ヤコ

----------櫛引---------

 

◇大宮

------ズラ----長谷川----

家長----------------渡邉

------増田----横山-----

中村---高橋---菊地--今井

----------清水---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:

ノヴァコヴィッチ(48分)

大前 元紀(90+2分]

 

□警告・退場

◇大宮:

30分 横山 知伸

34分 今井 智基

 

■交代

◇清水:

90分 杉山 浩太 ← 竹内 涼

90分 村田 和哉 ← 河井 陽介

90+3分 村松 大輔 ← ノヴァコヴィッチ

 

◇大宮:

57分 増田 誓志 → チョ ヨンチョル

74分 横山 知伸 → 橋本 晃司

80分 長谷川 悠 → ラドンチッチ

 

■レポート

前半こそ退屈な内容に終始したが、後半に入ってからは久しぶりに安心して試合をみれたように思う。特に崩しの形が見えてきたことが、チームの成長を感じさせた。

 

前半、シュートは2本だったが左サイドからの崩しに加え、中で動き出す河井、大前らの動きもあり何度かチャンスを作り出していた。シュートこそ打てなかったが、サイドからのクロス、コンビネーションで崩すという意識ができてきているのが分かる。そして、少ないタッチでボールを動かしていくという意識が選手間で共有されている。

 

得点は後半に入ってから。起点はやはり左サイド。吉田が持ち上がり、ややカーブをかけたパスを前方に送ると大前が反応し、そこから中にクロスを送ると、長沢、ノヴァコヴィッチと繋がり先制ゴールが生まれる。その後もサイドを起点に攻撃を組み立てるが、追加点は生まれず。ジリジリとしたゲーム展開になっていくが守備は思った以上に安定している。そして、我慢の時間を耐えるとチャンスは再び訪れる。アディショナルタイムに入ってから、交代でピッチに入っていた村田のカウンター。逆サイドには大前。胸トラップから豪快に蹴りこみ追加点を決め20。このまま試合は終了した。

 

ポイントはナビスコ杯で試したヤコヴィッチの右SB起用だったと思う。何度か左サイドで組み立てが始まったときに、右サイドでの押し上げが足りずポッカリとスペースが生まれることがあった。もし、この瞬間に逆サイドにボールが入ればもっと攻撃に厚みができるというシーンだったが、それは仕方がないというか愛嬌だろう。ヤコヴィッチには攻撃ではなく守備でチームに貢献することが求められたから現時点ではこれでいい。

 

むしろ、ヤコヴィッチ起用によって逆サイドに居る吉田が活き活きとプレーしていることが重要だろう。サイドハーフにいる大前、もしくは河井との連携で左サイドから深くえぐり崩す。こうすることでゴールの可能性がより強まった。前回のナビスコ杯@G大阪戦のMRでも書いたが、これまでは長身2トップがゴール前に張りつくことがストロングポイントではなくウィークポイントになっていたが、今のシステムにしたことでトップ下には大前もしくは河井が入ってプレーできるので、長沢とノヴァコヴィッチをゴール前で勝負させることができるようになった。そして、左サイドから効果的に崩しきることができるので、クロスを上げてもよし、跳ね返されてもトップ下がボールを回収し2次攻撃に繋ぐこともできた。

 

守備では3バックにして安定度が増した。特に右SBヤコヴィッチは基本ステイの姿勢でいるので、スペースが生まれる時間が少ない。しかも、ロングボールを蹴りこんでも長身のヤコヴィッチは前に跳ね返す力がある。そうなれば対面して仕掛けるしかないが、意外(といっては失礼だが)にもスピードがあり、抜かれてからのカバーもできるという有能ぶり。日本で初めてのプレー、清水でのプレーに慣れていないヤコヴィッチがセンターに入ると、周囲との言葉の問題も加わり連携に難しさを残す。しかし、右SB1つ出れば多少相手に食いつき気味にプレーしてもバックラインで大きな破綻は生まれない。

 

スタートは4231に近い形だが、攻撃に出れば352となり、守備になれば4411のような形になる。単純に、この決まり事を守るだけでチームは混乱を回避できる。どんなに練習を積んでも、ピッチに入ってからは瞬間的な判断が求められるのがサッカーであり、あまりに多くのことを叩き込まれると混乱するのが人間だ。その意味では、シンプルに3つ程度の決まり事を守り、攻撃ではシンプルにベーシックなことをすればいい。それだけで得点が生まれるというのは、清水に居る選手の質が高い証拠でもある。

 

暫くはこの形で進めて良いだろう。そして、もうすこし枝葉を付けるのは中断期間中で十分だ。下位に沈むクラブのように勝ち点が思うように増えないと、いろいろなところでストレスが生じる。それにより監督解任という決断を下したチームもある。そして、そうしたことによってチームに悪影響が出ることを考えると、単純かもしれないが今のやり方をベースにしていくべきだろう。

しかし、敢えて言わせて貰えるのならば、ゴトビ監督が就任して4年目ということを考えると少し物足りないように思う。前任者の長谷川健太さんは2年目、3年目でリーグ戦4位、4年目でナビスコ杯準優勝をしているだけに、もう少しハードルを高くしてもいいように思う。

 

 

(C) 2014 tomo2take