サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

清水エスパルス

2014年 第7節 清水エスパルス vs 大宮アルディージャ  MR

2014年 第7

清水エスパルス vs 大宮アルディージャ  MR

412日 IAIスタジアム日本平 1500分~

 

 

■メンバー

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF19ヤコヴィッチ

DF 3平岡 康裕

DF 4カルフィン ヨン ア ピン

DF28吉田 豊

MF16六平 光成

MF20竹内 涼

MF17河井 陽介

FW10大前 元紀

FW18ノヴァコヴィッチ

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK21相澤 貴志

DF 5村松 大輔

MF 6杉山 浩太

MF 7本田 拓也

MF 8石毛 秀樹

FW11高木 俊幸

FW22村田 和哉

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

 

◇大宮アルディージャ

先発:

GK31清水 慶記

DF27今井 智基

DF 2菊地 光将

DF17高橋 祥平

DF14中村 北斗

MF10渡邉 大剛

MF18横山 知伸

MF38増田 誓志

MF41家長 昭博

FW11ズラタン

FW32長谷川 悠

 

サブ:

GK21江角 浩司

DF 3福田 俊介

DF30渡部 大輔

MF 4橋本 晃司

MF 9曹 永哲

MF23金澤 慎

FW20ラドンチッチ

 

監督:

大熊 清

 

■フォーメーション

◇清水

----------長沢--------

大前------ノヴァ----河井

------六平----竹内-----

吉田-—キャラ-平岡---ヤコ

----------櫛引---------

 

◇大宮

------ズラ----長谷川----

家長----------------渡邉

------増田----横山-----

中村---高橋---菊地--今井

----------清水---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:

ノヴァコヴィッチ(48分)

大前 元紀(90+2分]

 

□警告・退場

◇大宮:

30分 横山 知伸

34分 今井 智基

 

■交代

◇清水:

90分 杉山 浩太 ← 竹内 涼

90分 村田 和哉 ← 河井 陽介

90+3分 村松 大輔 ← ノヴァコヴィッチ

 

◇大宮:

57分 増田 誓志 → チョ ヨンチョル

74分 横山 知伸 → 橋本 晃司

80分 長谷川 悠 → ラドンチッチ

 

■レポート

前半こそ退屈な内容に終始したが、後半に入ってからは久しぶりに安心して試合をみれたように思う。特に崩しの形が見えてきたことが、チームの成長を感じさせた。

 

前半、シュートは2本だったが左サイドからの崩しに加え、中で動き出す河井、大前らの動きもあり何度かチャンスを作り出していた。シュートこそ打てなかったが、サイドからのクロス、コンビネーションで崩すという意識ができてきているのが分かる。そして、少ないタッチでボールを動かしていくという意識が選手間で共有されている。

 

得点は後半に入ってから。起点はやはり左サイド。吉田が持ち上がり、ややカーブをかけたパスを前方に送ると大前が反応し、そこから中にクロスを送ると、長沢、ノヴァコヴィッチと繋がり先制ゴールが生まれる。その後もサイドを起点に攻撃を組み立てるが、追加点は生まれず。ジリジリとしたゲーム展開になっていくが守備は思った以上に安定している。そして、我慢の時間を耐えるとチャンスは再び訪れる。アディショナルタイムに入ってから、交代でピッチに入っていた村田のカウンター。逆サイドには大前。胸トラップから豪快に蹴りこみ追加点を決め20。このまま試合は終了した。

 

ポイントはナビスコ杯で試したヤコヴィッチの右SB起用だったと思う。何度か左サイドで組み立てが始まったときに、右サイドでの押し上げが足りずポッカリとスペースが生まれることがあった。もし、この瞬間に逆サイドにボールが入ればもっと攻撃に厚みができるというシーンだったが、それは仕方がないというか愛嬌だろう。ヤコヴィッチには攻撃ではなく守備でチームに貢献することが求められたから現時点ではこれでいい。

 

むしろ、ヤコヴィッチ起用によって逆サイドに居る吉田が活き活きとプレーしていることが重要だろう。サイドハーフにいる大前、もしくは河井との連携で左サイドから深くえぐり崩す。こうすることでゴールの可能性がより強まった。前回のナビスコ杯@G大阪戦のMRでも書いたが、これまでは長身2トップがゴール前に張りつくことがストロングポイントではなくウィークポイントになっていたが、今のシステムにしたことでトップ下には大前もしくは河井が入ってプレーできるので、長沢とノヴァコヴィッチをゴール前で勝負させることができるようになった。そして、左サイドから効果的に崩しきることができるので、クロスを上げてもよし、跳ね返されてもトップ下がボールを回収し2次攻撃に繋ぐこともできた。

 

守備では3バックにして安定度が増した。特に右SBヤコヴィッチは基本ステイの姿勢でいるので、スペースが生まれる時間が少ない。しかも、ロングボールを蹴りこんでも長身のヤコヴィッチは前に跳ね返す力がある。そうなれば対面して仕掛けるしかないが、意外(といっては失礼だが)にもスピードがあり、抜かれてからのカバーもできるという有能ぶり。日本で初めてのプレー、清水でのプレーに慣れていないヤコヴィッチがセンターに入ると、周囲との言葉の問題も加わり連携に難しさを残す。しかし、右SB1つ出れば多少相手に食いつき気味にプレーしてもバックラインで大きな破綻は生まれない。

 

スタートは4231に近い形だが、攻撃に出れば352となり、守備になれば4411のような形になる。単純に、この決まり事を守るだけでチームは混乱を回避できる。どんなに練習を積んでも、ピッチに入ってからは瞬間的な判断が求められるのがサッカーであり、あまりに多くのことを叩き込まれると混乱するのが人間だ。その意味では、シンプルに3つ程度の決まり事を守り、攻撃ではシンプルにベーシックなことをすればいい。それだけで得点が生まれるというのは、清水に居る選手の質が高い証拠でもある。

 

暫くはこの形で進めて良いだろう。そして、もうすこし枝葉を付けるのは中断期間中で十分だ。下位に沈むクラブのように勝ち点が思うように増えないと、いろいろなところでストレスが生じる。それにより監督解任という決断を下したチームもある。そして、そうしたことによってチームに悪影響が出ることを考えると、単純かもしれないが今のやり方をベースにしていくべきだろう。

しかし、敢えて言わせて貰えるのならば、ゴトビ監督が就任して4年目ということを考えると少し物足りないように思う。前任者の長谷川健太さんは2年目、3年目でリーグ戦4位、4年目でナビスコ杯準優勝をしているだけに、もう少しハードルを高くしてもいいように思う。

 

 

(C) 2014 tomo2take

2014年 ナビスコ杯 GL第2節 清水エスパルス vs G大阪 MR

2014年 ナビスコ杯 GL2

清水エスパルス vs G大阪 MR

 42日 IAIスタジアム日本平 1900分~

 

 

■メンバー

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF 3平岡 康裕

DF19ヤコヴィッチ

DF 4カルフィン ヨン ア ピン

MF28吉田 豊

MF 8石毛 秀樹

MF16六平 光成

MF 7本田 拓也

MF20竹内 涼

FW10大前 元紀

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK21相澤 貴志

DF 5村松 大輔

MF24高木 純平

MF17河井 陽介

MF23高木 善朗

FW18ノヴァコヴィッチ

FW30金子 翔太

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

 

G大阪

先発:

GK 1東口 順昭

DF22オ ジェソク

DF 3西野 貴治

DF 6金 正也

DF 4藤春 廣輝

MF 7遠藤 保仁

MF15今野 泰幸

MF19大森 晃太郎

MF11倉田 秋

FW24小川 直毅

FW10二川 孝広

 

サブ:

GK16河田 晃兵

DF 2エブソン

DF23内田 裕斗

MF27内田 達也

MF37井手口 陽介

FW 9リンス

FW20佐藤 晃大

 

監督:

長谷川 健太

 

 

■フォーメーション

◇清水

----------長沢---------

大前------竹内-----石毛

------六平----本田-----

吉田--—キャラ-平岡---ヤコ

----------櫛引---------

 

G大阪

----------小川---------

倉田------二川-----大森

------遠藤----今野-----

藤春--キム----西野----

----------東口---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:

長沢 駿(33分)

 

□警告・退場

G大阪:

77分 オ ジェソク

81分 リンス

 

■交代

◇清水:

51分 本田 拓也 → ノヴァコヴィッチ

63分 石毛 秀 → 樹河井 陽介

86分 長沢 駿 → 村松 大輔

G大阪:

46分 小川 直毅 → 佐藤 晃大

46分 二川 孝広 → リンス

88分 金 正也 → 内田 達也

 

■レポート

長沢の先制点で勝利した清水ではあるが、スタッツを見ると悲しくなるのがシュート数の少なさ。前半に3本、後半に1本。先制点以外のシーンでは、ほぼG大阪に試合の主導権を握られていた。特に後半には課題が残る。リンス、佐藤の2トップとなったG大阪は明確に攻撃への圧力をかけてくると、シュート11本を放った。同点ゴールこそ決まらなかったが、できる選択肢の中で手をうちしっかり修正してくるあたり、流石は長谷川監督である。

 

さて、この試合での注目点は2つあった。1つはヤコヴィッチの右SB起用。もう一つは石毛の右サイドハーフでの起用。といっても、実はこの2つは1つの目的がそうさせたものでもある。

 

まず清水は守備にテコ入れを行った。練習でも殆どやっていない形ではあるが、ヤコヴィッチを右SBに据えることで守備の強化を計った。そして、攻撃のときは3バック気味に守るようにした。ヤコヴィッチへ指示は守備のみで攻撃へのオーダーは出ていない。そして,平岡にはしっかり周りを動かせという指示が出ていた。これで1つ、最終ラインではメンタル的に少し安定ができた。この少しの安定が大きかった。また、ヤコヴィッチの前のSHには石毛を起用したが、彼には攻撃で力を発揮しやすくできるように守備に遷延させたヤコヴィッチと縦の配置にした。SBが頻繁に攻撃参加する選手の場合、SHが戻って守備もしなくてはならない。そもそも連携をしっかりしないといけない。が、この日のオーダーは石毛が攻撃に専念できるように配慮されていた。つまり、石毛、ヤコヴィッチのお互いの得意なことろを、どうやぅて出させるかを考えた選手起用を打ってきた。

 

そして、この新布陣はこれまでチームの課題であった、守備と攻撃の両方での解決を狙った。その意味では、前半の得点までの状況をみると効果があったと考えていいだろう。特に平岡は上手くDFラインを統率していたので、このやり方は今後もテストされる可能性が大きい。また、後ろが安定してくれば攻撃にも手を入れやすい。

 

このブログで何度も書いているように、今季の清水には長身2トップという絶対的な武器がある。しかし、その最大の武器を活かすための策が見えてこなかった。特に中央からの攻撃を熟成しないとならないのだが、2トップが極端に前に張り付いてしまうためバランスを欠いた。そこで、後ろを変則3バックにして、中盤で数的優位を作ることができる。この日の先発で言えば、左SB(吉田)が1つ前のポジション左SHの役割となり、左SH(大前)は中央に絞って、1トップと連携して動くことができる。といった具合だ。長沢、ノヴァコヴィッチの2トップになっても同じようにrね慶できることができれば、かなり攻撃での改善も見られそうだ。

 

いずれにしても久しぶりの無失点勝利。これは大きな自信になる。リーグ戦でも、この調子を続けて欲しいと思う。攻撃では公式戦4試合連続ゴールを記録している長沢が居る。ここまでゴールを決めていればフロックではない。しかし、本格的に化け始めようとしている長沢の前には大きな壁が立ちはだかるのは間違いない。どのチームも彼に注目し、マークもきつくなる。そういう意味では、この先が正念場になるだろう。

(C) 2014 tomo2take

2014年 ナビスコ杯 GL第2節 清水エスパルス vs G大阪 PV

2014年 ナビスコ杯GL2

清水エスパルス vs G大阪 PV

 42日 IAIスタジアム日本平 1900分~

 

 

■予想先発メンバー

◇清水

----------長沢---------

石毛-----高木善-----大前

------六平----竹内-----

河井--—キャラ-平岡---吉田

----------櫛引---------

 

G大阪

----------小川---------

倉田------二川-----大森

------内田----今野-----

藤春--キム----西野----

----------東口---------

 

 

■プレビュー

開幕スタートダッシュに失敗した清水は、リーグ戦では16位と苦しい状況にある。対するG大阪も、1年でのJ1復帰を果たしたが怪我人も多く本調子とは言いがたい。そういう互いの状況もあり、メンバーを予想するのは難しい。それでも、水曜日のこの試合を機に何か1つキッカケになればとお互いの指揮官が思っているのは想像に難くない。

 

そうなると、清水はどこに変更があるだろうか。怪我明けの本田、村松を先発で使うという選択肢もあるが、敢えてチームの成熟度を上げるために六平、竹内を連戦させるのではないかと思う。彼らのポジションと最終ラインとの連携、勿論、前線との連会がこれからチームの軸となると考えるならば、ここは1つでも多く公式戦をこなすべきだろう。竹内は前回のFC東京戦では64分間プレーしたが、彼のスタミナならば問題はない。逆に、コンディションを優先させるのならば2ボランチを変更するという策もあるが、もしあるとすれば六平のほうだろうか?

 

また、交代枠に関しても村田の復帰などもあり、いろいろなオプションが考えられる。J3リーグで得点を決めてきた金子の出番もそろそろあるのではないかと思う。特にオレンジ色のユニフォームを着ての出場となれば、是非ともホームで見てみたい。ダイジェストの映像だけしか見ることができなかったが、ワントラップで相手DFをかわし、そのままシュートモーションに入るまでの動きは秀逸だった。しかもインパクトのしっかりした強シュートは十分J1でも通用するレベルにあると感じた。スピードキングの村田とスキルフルでクイックネスな金子の左右両サイドハーフとい起用なども楽しみの1つになりそうだ。

 

対するG大阪も、メンバー変更はありそう。特にトップにはユース出身である小川の起用が濃厚とのこと。また、昨年より長谷川監督は若手を積極的に起用しており、フレッシュな若手が育ってきている。日本代表の遠藤や今野だけでなく、西野や内田、大森など若い力にも十分警戒がhつようからもしれない。

 

そして、最後にもう1つ。G大阪の指揮官はあの長谷川健太さんであり、清水で6年間指揮をした監督だ。そして、かつては9番を着けプレーした清水のレジェンド、ブーイングで迎えるというよりも、盛大なる拍手でスタンドは迎えるだろう。しかし、あのころよりも成長した姿、可能性を見せなければ何の恩返しにもならない。スタンドからの応援、熱は勿論だが、内容でも圧倒できるようなゲームを示し勝ち点3を掴みたい。

(C) 2014 tomo2take

2014年 第5節 清水エスパルス vs FC東京 MR

2014年 第5

清水エスパルス vs FC東京 MR

 329日 IAIスタジアム日本平 1500分~

 

 

■メンバー

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF28吉田 豊

DF 3平岡 康裕

DF 4カルフィン ヨン ア ピン

DF17河井 陽介

MF20竹内 涼

MF16六平 光成

MF10大前 元紀

MF11高木 俊幸

FW18ノヴァコヴィッチ

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK21相澤 貴志

DF 2イ キジェ

DF19ヤコヴィッチ

MF 5村松 大輔

MF 7本田 拓也

MF 8石毛 秀樹

FW23高木 善朗

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

 

FC東京

先発:

GK20権田 修一

DF 2徳永 悠平

DF 3森重 真人

DF29吉本 一謙

DF 6太田 宏介

MF 7米本 拓司

MF34野澤 英之

MF 8三田 啓貴

FW14武藤 嘉紀

FW11エドゥー

FW17河野 広貴

 

サブ:

GK 1塩田 仁史

DF50松田 陸

MF 4高橋 秀人

MF18石川 直宏

MF38東 慶悟

FW 9渡邉 千真

FW13平山 相太

 

監督:

マッシモ フィッカデンティ

 

 

■フォーメーション

◇清水

----------長沢--------

高木俊----ノヴァ----大前

------六平----竹内-----

河井-—キャラ-平岡---吉田

----------櫛引---------

 

FC東京

------武藤----エドゥ----

----------河野---------

三田---------------米本

----------野澤---------

大田---吉本--森重---徳永

----------権田---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:

長沢 駿(5分)

FC東京:

河野 広貴(44分)

森重 真人(57分)

米本 拓司(82分)

 

□警告・退場

◇清水:

56分 竹内 涼

71分 イ キジェ

FC東京:

48分 エドゥー

50分 森重 真人

90+2分 渡邉 千真

 

■交代

◇清水:

64分 竹内 涼 → 高木 善朗

70分 高木 俊幸 → イ キジェ

81分 吉田 豊 → 石毛 秀樹

FC東京:

72分 河野 広貴 → 東 慶悟

75分 エドゥー → 平山 相太

85分 武藤 嘉紀 → 渡邉 千真

 

■レポート

試合後、元清水の大田が「(試合の分岐点は?)元紀のPKじゃないですか」と言うように、あそこで2点目を奪っていたら清水が勝利を掴む可能性はかなり高かったかもしれない。

 

前半、早い時間帯(5分)に長沢が先制ゴールを決め清水がリードを奪った。FC東京は順位通りというか、成績通りというか内容にやや迷いがあった。特に攻守の切り替えに関してはバタバタと表現したほうがいいかもしれない。それでも、エドゥーと河野、武藤という3人が連携し、誰かが引いて受けて、そこから縦パスで裏を狙う、もしくはミドルシュートを狙うという形と、遅攻の場合は左サイドに展開し大田のクロス(特にDFGKの間)という2つの武器で攻撃を組み立てる。これが清水の最も苦手とするライン裏への対応を見事に突いていた。中でも、何度かキャラがゴールに向かって追いかけるシーンがあったと思うが、そういう形を作ることでFC東京は徐々に流れを引き戻した。すると、前半終了間際には武藤のシュートから、GK櫛引が弾いたこぼれ球に河野が反応し同点に追いつくことになる。前半のうちに11にしたことでFC東京がまだ行けるというメンタルを保つことになる。

 

それでも後半の立ち上がりにネジを巻き直した清水が、再び攻撃で圧力をかけリズムを引き戻しにかかる。そうやってPKを獲得したまでは良かった。しかし、冒頭にも書いたように大前のシュートがGK権田に止められると、FC東京が息を吹き返した。セットプレーから森重に2点目、カウンターから米本に3点目を決められ清水の敗戦が決まった。これで順位もFC東京に抜かれ16位。降格圏内へと落ちた。

 

しかし、試合の分岐点は大前のPK失敗じゃない。

むしろ、同点にされたあとのチームのマネージメントだ。

 

今の2ボランチの選択は悪く無いと思う。しかし、相手とのパワーバランス、もしくはシステムや得意とするスタイルで相性が悪くなる可能性があることを痛感した試合だった。ポゼッションをしたい。または、繋いでくるチームに対しては竹内、六平は守備の技術も向上してきているし、もともと技術もあるので適任かもしれない。だが、縦に急ぐチーム、もしくはカウンターを得意とするチームを相手にした場合は、やや相性が悪い。ゴトビ監督はDFラインを高く保ちたいし、そうやってコンパクトな形からボールを繋いで攻撃をしたい。実際そういう要求をする。しかし、裏にボールを何度も入られると全体が間延びしてしまう。そうなると中盤を省略したゲーム展開となり、この2人の特長は活きない。もっと言えば、カウンターやロングボールでひっくり返される展開を考えると、彼らの特長は出しにくい。その意味ではあまりこの試合では良さを出せなかった。

 

逆に言えば、前半のいい時間帯は六平が的確なポジショニングからボールを奪って、持ち上がりスルーパスというプレーも出ていた。また自らシュートを打つシーンもあったことから分かるが、バランスを取りつつ前に顔を出すことで前線に攻撃の厚みを与えた。つまり、地上戦ならばこれだけのことを普通にこなすことができる選手だと思う。

 

また、ここにきて見えてきたのが長身2トップの使い方。長沢、ノヴァコヴィッチという強力な武器を活かすためにはボックスの中で勝負をしたい。190cmオーバーのFW2人居るというのは、Jリーグではそうそう無いため相手にとってはかなり脅威。それは間違いない。そのため、この2人のストロングポイントを強めるためにもチームとしては極力前線で勝負して欲しい。特に、今回のような、ボールが行ったり来たりする試合になるとその意識が強くなる。しかし、ここに弊害が生まれる。特に同点とされてから、逆転されてからは前に張り付くので、中盤がポッカリと空いてしまう。そうなると、チーム全体の意識統一が難しい。特にバックラインは相手のカウンターを恐れるため、攻撃に出るときの形、崩しの形が雑になる。リスクを考えると、サイドからのアーリー気味のクロスか、ロングボールを蹴るばかりとなる。また、相当なアップダウンを繰り返すためスタミナ配分も考えなければならない。そうなると相手CBからすれば、視線に入る前から来るボールに対して跳ね返すのは簡単な作業となり、更にこのこぼれ球に詰める選手が清水には居ないので、FC東京はボールを拾い攻撃に移行できる。そうなると行ったり来たりという展開に拍車をかけてしまう。そして、清水はそういう展開のサッカーは苦手なのに、その傾向を更に強めたのが4132システムへの変更。このメッセージは攻撃に力を入れる意図だったのは間違いないが、あまりにも意識が前に行き過ぎたことでボールの落ち着かない急いだ展開になった。結果論かもしれないが、失敗すれば博打と呼ばれても仕方がない乱暴なシステム変更だった。

 

いずれにしても、試合を見ていて、こうしたスクランブルの状況は練習でもやっていないだろうなという印象があった。何故ならば、こうした戦術(スクランブルのシステム等)は時間をかけて普段の練習とは別に、合間、合間で時間を取ってやらないと身につかない。相手が1人退場になり数的有利となったときの状況や、逆に自分たちが10人となったときのシステムや戦い方など、こうしたスクランブルに備えて月に1回か2回、時間が取れる時にやる。もしくは無理矢理にでも入れていく。そうやってチームの土台は積み重なって強くなる。そして、そういうことができるチームは強くなる。しかし、現状ではなかなかそこまでできていないように見える。新加入選手も多く仕方がない部分、怪我人の多さなどエクスキューズもあるが、指揮官が就任してもう4年目だということは忘れてはいけない。

 

とはいえ敗戦を嘆いても仕方がない。まずは攻撃の形、そこから連携した守備への修正をして水曜日のナビスコ杯に挑みたいところ。スケジュール的にも日数は無いし、メンバーの変更もありそうだが、逆に考えればチャンスでもあり、即効で可能な修正部分だけ注視させるという方法もある。そういう意味では、いい勉強になった、分岐点になった、という試合にしたい。

 

ちなみに、清水はもともとカウンターが得意なチームだと思う。特に大前、高木俊の2人は個人でのアイデアも技術も申し分ない。過去にもこの2人だけで得点を奪うシーンが何度かあったと思うが、彼らのスキルはJリーグでもかなり高いと思う。しかし、それはあくまでも個のスキルであり、チームの戦い方、狙いではない。そういうことも含め状況に応じた戦い方、これからのチームの狙いを明確にしないとならない。


(C) 2014 tomo2take

2014年 J1第5節 清水エスパルス vs FC東京 PV

2014年 J15

清水エスパルス vs FC東京 PV

 329日 IAIスタジアム日本平 1500分~

 

 

■予想先発メンバー

◇清水

----------長沢--------

高木俊----ノヴァ----大前

------六平----竹内-----

河井-—キャラ-平岡---吉田

----------櫛引---------

 

FC東京

------渡邉----エドゥ----

----------三田---------

-----------------米本

----------高橋---------

大田---森重--加賀---徳永

----------権田---------

 

 

■プレビュー

3月最後の試合となるが、清水はここまでナビスコ杯を含めた5試合で212敗と五分の成績。しかし、リーグ戦では112敗の勝ち点4で順位は15位と降格圏内の一歩手前にいる。開幕戦こそ名古屋に勝利したが、その後はやや勝利に見放されている。対するFC東京も開幕から勝利がなく22敗の勝ち点216位。新監督を迎えたがなかなか調子が上がってこない。

 

清水のスタメンは、前節の浦和戦とほぼ同じと考えている。村松の状況や本田のコンディションなどもあるが、負けていないチームの状況をポジティブに捉えれば変更する理由はない。そうなるとポイントはダブルボランチの出来だろうか。浦和戦では前半こそ攻撃でのポジティブなアクションが見られたが、後半に入ると浦和の勢いに押され対応するだけで精一杯という状況だった。最後の最後に六平が決定機を創りだしたが、その1発のみだった。そう考えると、90分を通してダブルボランチがどのように試合を組み立てていくのか。試合のリズムを読んで、どのような流れをチームに与えることができるのかというのがキーとなる。もし、浦和戦の後半のような状況が続くようならば、本田、杉山らがすぐさま投入されることとなる。

 

そして、もう1つ。リーグ戦で気になっていることがある。それは守備面。ナビスコ杯では仙台を完封したものの、リーグ戦ではまだ1度も完封がない。C大阪戦は勿論だが、浦和戦でも攻撃を受ける時間が長く耐える時間が多かった。それでも、そうした状況下で後ろの守備陣はよく踏ん張っているように思う。しかし、そうなる理由としてチーム全体の守備の仕方に問題があるように感じている。特に2トップが攻撃的なイメージがあるためか攻め残りの時間が多いので、相手のDFラインにプレッシャーをかける時間をもう少し多くしていきたい。3枚の交代枠を使いきれるのならば、前線にフレッシュな選手を入れ、プッシュして後ろを助けるのもFWの役目である。

 

しかし、この試合が終わるとすぐにナビスコ杯も控えているため、指揮官がどのようなプランを持っているかも試合の後半には影響する。主力に休みを与えるのか。それとも、ナビスコ杯はターンオーバーを想定して若手で挑むのであれば、スタメンを長く引っ張るという可能性もある。いずれにしても、プレスの行き方、交代枠の使い方までを含めどの選手をどの時間帯に使うのかというとこrまでが、この試合ではポイントになる。また当然だが、次のナビスコ杯にも影響があるということを頭に入れて見て行きたい。

 

 

(C) 2014 tomo2take
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