サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

清水エスパルス

2014年 第4節 浦和レッズ vs 清水エスパルス MR

2014年 第4

浦和レッズ vs 清水エスパルス MR

 323日 埼玉スタジアム2002 1500分~

 

 

■メンバー

◇浦和

先発:

GK21西川 周作

DF22阿部 勇樹

DF 4那須 大亮

DF 5槙野 智章

MF14平川 忠亮

MF13鈴木 啓太

MF 8柏木 陽介

MF 3宇賀神 友弥

MF 7梅崎 司

MF 9原口 元気

FW30興梠 慎三

 

サブ:

GK18加藤 順大

DF 2坪井 慶介

DF12濱田 水輝

DF17永田 充

MF26関根 貴大

MF29矢島 慎也

FW20李 忠成

 

監督:

ペトロヴィッチ

 

 

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF 8石毛 秀樹

DF 3平岡 康裕

DF 4カルフィン ヨン ア ピン

DF28吉田 豊

MF17河井 陽介

MF16六平 光成

MF20竹内 涼

FW10大前 元紀

FW18ノヴァコヴィッチ

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK31三浦 雄也

DF 2イ キジェ

DF19ヤコヴィッチ

MF 6杉山 浩太

MF 7本田 拓也

MF23高木 善朗

FW11高木 俊幸

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

■フォーメーション

◇浦和

----------興梠---------

------原口----梅崎-----

宇賀神鈴木-—柏木—-平川

槙野------那須------阿部

----------西川---------

 

◇清水

----------長沢---------

石毛------ノヴァ-----大前

------六平----竹内-----

河井-—キャラ-平岡---吉田

----------櫛引---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:

長沢 駿(19分)

◇浦和:

原口 元気(76分)

 

□警告・退場

◇清水:

69分 大前 元紀

 

■交代

◇清水:

65分 竹内 涼 → 杉山 浩太

70分 石毛 秀樹 → 本田 拓也

86分 長沢 駿 → 高木 俊幸

◇浦和:

46分 梅崎 司 → 永田 充

46分 平川 忠亮 → 関根 貴大

64分 宇賀神 友弥 → 李 忠成

 

■レポート

Jリーグ創設22年で初となる無観客試合。試合の内容や対戦チームの因縁など別として、大変注目の集まる試合となった。

 

清水は前節からスタメンを少し変更した。トップ下の竹内をボランチに下げ、長沢を前線に。そしてダブルボランチの相棒には六平が入ってきた。そして、左サイドハーフには石毛を起用。間にナビスコ杯を挟んではいるが、大胆なメンバー変更を行ったという印象だ。

 

しかし、前半はそんな不安を他所に攻撃的に攻めたのは清水。ダブルボランチからの攻撃的な姿勢が入ることで動きに変化が出たのか、立ち上がり早々に石毛、大前と繋がったボールを最後は長沢がヘッドでゴールネットを揺らした。しかし、これはオフサイドの判定。対する浦和は長いボールと、緑レンジからのシュートで反撃に出る。7分には槙野、14分には興梠がシュートを放つが枠を捉えることができない。

 

先制点は清水。左CKから大前が手前にいる石毛に向けショートパスを選択、ワンタッチでリターンを受けた大前はファーへ蹴る。そこにはフリーの六平が居た。そのままシュートを放つが力み過ぎボールはクロスのようになり、中央で長沢が合わせて先制する。最初のCKということもあり、相手が食い付いてこないというスカウティングのもとショートを選択し、見事ゴールに結びつけた。

 

しかし、先制はしたものの清水も多くの決定機を作り出せた訳ではない。手元の集計では前半のシュートは僅かに3本(公式は5本)と少ない。マイボールになってからボールを動かすことができたが、その先でのアイデアを欠いたり、ミスでボールをロストする場面が散見した。結果、浦和はカウンターから何度かいい形を作り清水ゴールへと迫った。しかし、浦和は決定機なシーンで右WBの平川のクロスが精度を欠いたり、左WBの宇賀神が決定機でシュートを外すなど、こちらも問題を抱えたままだったため清水は前半を10で折り返すことができた。

 

後半に入ると先に動いたのは浦和。HTに平川を下げルーキーの関根を投入。梅崎を下げ永田をピッチに送り込む。すると、永田はそのまま最終ラインに入り、阿部は一つ前のボランチへ上がり、柏木がトップ下へとスライドしていく。この効果があったのか、攻撃が活性化された浦和は怒涛の攻めをみせる。48分にはCKから阿部がヘディングでゴールを襲うと、槙野、原口、那須と立て続けに清水ゴールに迫る。そして、ようやくその攻撃が実る。76分、右サイドを突破した関根からのクロスに飛び込んだ李のシュートは阻止されるが、こぼれ球に素早く反応した原口が決め同点に追いつく。押せ押せムードとなった浦和はかさにかかって攻めに出たが、清水もなんとか持ちこたえるとロスタイムに千載一遇のチャンスを迎える。六平が前線のノヴァコヴィッチに縦パスをつけると、それに反応した大前が絡み、更に再び六平がゴール前に詰める。GKとの11は「股の間を狙った」が無常にも西川のセーブが光った。そしてそのまま試合は終了。歴史的一戦は11のドローとなった。

 

アウェイで勝ち点1を掴んだ清水は、最低限の勝ち点は掴んだ。ただ、敢えてポイントをあげるとすれば大幅なメンバー変更の点だろうか。ボランチは、村松が怪我とのことだが、杉山と本田をベンチに置き、竹内と六平を先発させた。また、普段は右SBで起用してきた石毛を左SHで先発させた。そして、C大阪戦で先発を外した長沢を再び先発に戻してきた。まだ開幕して間もないが、ナビスコ杯を含んだ5試合でメンバーが随分と変わっている。

 

初先発となった六平の動きは悪くなかった。守備でも粘り強く、攻撃に出てもチャンスを創りだした。十分合格点となるプレーだったし、他の選手達も悪くない動きではあった。しかし、万全の選択だったのかという疑問が残る。怪我人や出場停止など不可抗力の部分もあるが、試合ごとにこれだけメンバーが変われば、完成形となるまでもう少し時間が必要になるだろう。勿論、それなりに理由もある。コンディションの上がってこない選手が居たり、加入して間もないためチームにフィットする時間が短いなどの点は理解できるが、目指すサッカー、自分たちのサッカーを表現するにはもう少し辛抱しないとならないかもしれない。そうしたことも含めてもう少し様子をみないといけないかもしれない。

 

 

 

(C) 2014 tomo2take

2014年 J1第4節 浦和レッズ vs 清水エスパルス PV

2014年 J14

浦和レッズ vs 清水エスパルス PV

 323日 埼玉スタジアム2002 1500分~

 

 

■予想先発メンバー

◇浦和

----------興梠---------

------原口----梅崎-----

宇賀神阿部-—柏木—-平川

槙野------那須------濱田

----------西川---------

 

◇清水

----------長沢--------

高木俊----ノヴァ----大前

------杉山----村松-----

河井-—キャラ-平岡---吉田

----------櫛引---------

 

 

 

■プレビュー

Jリーグ22年目にして初となる無観客試合。そういう意味では、順位や因縁など関係なく、今節一番注目が集まる試合でもある。

 

とは言え、いまさら差別問題とか弾幕の意図とか、クラブの対応の遅さとかをここで書くつもりはない。今回は単純にPV。どんな試合になるかを純粋に考えたい。と言ったそばからだが、無観客試合は選手にどんな影響を与えるのかというのは経験したことがないので少々イメージしにくい。しかし、選手間の言葉が試合中は通ることが予想できるので、セットプレーや守備のシーンでは支持が的確にできるだろうというのは想像できる。だが、だからといっていい試合になるかは別。

 

むしろ、無観客という異質な空間がどのように選手たちのメンタルに影響を与えるのだろうか。その結果つまらない試合になる可能性も否定出来ない。その意味では、アウェイの清水のほうが試合に入るまでが難しいかもしれない。いち早く現場の環境に慣れ、いつもどおりの力を出せたほうが勝てる。そのような感じがする。

 

そんな状況に挑む清水は、ナビスコ杯で大勝を収めた後だけに、攻撃陣のメンバーに少しテコ入れがあるかもしれない。C大阪戦で先発を外れた長沢を戻し、出場停止だった杉山の復帰もあるだろう。またヤコヴィッチがC大阪戦後に別メニューだったことも考えると、CBにはナビスコ杯と同様にキャラが戻って4バックを組むと思われる。またGKもくしびきがナビスコ杯では及第点のプレーをしていたため先発復帰と予想した。

 

開幕してナビスコ杯を含め4試合を消化したが、清水は出場停止や怪我などもあって現在のベストメンバーというのがどこなのか判断しにくい状況にある。しかし、そういった中でベストなメンバー、コンディションの良い選手を選び、試合で勝てるように持っていく。そういうマネージメントを指揮官には求められていた。その意味では、チームのベースとなる部分を早く決めたい。という時期にタイミング悪く無観客試合になったのは運が悪いとしか言い様がない。

 

それでも、ピンチはチャンスだと考えれば、ガチンコ勝負の公式戦で一切応援の無い、声の通るピッチでゲームをすることはチームの意思疎通を徹底する良い機会だと思いたい。こういう試合でこそ、声の出せる選手、周りを動かせる選手、チームを鼓舞することができる選手の存在がポイントになりそうだ。そう考えると、大前、杉山、平岡は外せない。そして、指揮官がどれだけ的確に指示を出せるのか。そういう点に注目して試合を見て行きたい。

 

 

 

(C) 2014 tomo2take

2014年 ナビスコ杯 GL第1節 清水エスパルス vs ヴェガルタ仙台 MR

2014年 ナビスコ杯 GL1

清水エスパルス vs ヴェガルタ仙台 MR

 319日 IAIスタジアム日本平 1900分~

 

 

■メンバー

◇清水

先発:

GK 1櫛引 政敏

DF28吉田 豊

DF 3平岡 康裕

DF17河井 陽介

MF16六平 光成

MF 4カルフィン ヨン ア ピン

MF20竹内 涼

MF24高木 純平

FW10大前 元紀

FW23高木 善朗

FW 9長沢 駿

 

サブ:

GK31三浦 雄也

DF 2イ キジェ

DF25三浦 弦太

MF 5村松 大輔

MF 8石毛 秀樹

FW18ノヴァコヴィッチ

FW30金子 翔太

 

監督:

アフシン ゴトビ

 

 

◇仙台

先発:

GK22ヴコヴィッチ

DF33石川 大徳

DF 3渡辺 広大

DF 5石川 直樹

DF23二見 宏志

MF 8マグリンチィ

MF 2鎌田 次郎

MF17富田 晋伍

MF20八反田 康平

MF19武藤 雄樹

FW24赤嶺 真吾

 

サブ:

GK 1桜井 繁

DF15鈴木 規郎

MF27武井 択也

MF26藤村 慶太

MF14佐々木 勇人

FW28山本 大貴

FW 9中原 貴之

 

監督:

グラハム アーノルド

 

■フォーメーション

◇清水

----------長沢---------

高木善---高木純-----大前

-----六平----竹内------

河井--平岡---ヤコ---吉田

----------櫛引---------

 

◇仙台

----------赤嶺---------

八反田----武藤------マグ

------富田---鎌田------

二見石川直-渡辺石川大

----------ヴコ---------

 

■スタッツ

□得点

◇清水:長沢 駿(21分)、大前 元紀(32分)、ノヴァコヴィッチ(68分、74分)

 

□警告・退場

◇仙台:

84分 中原 貴之

 

■交代

◇清水

61分 高木 純平 → ノヴァコヴィッチ

73分 大前 元紀 → 金子 翔太

79分 河井 陽介 → イ キジェ

◇仙台

46分 二見 宏志 → 武井 択也

73分 赤嶺 真吾 → 中原 貴之

73分 八反田 康平 → 佐々木 勇人

 

■レポート

終わってみれば40の大勝。しかし、試合の立ち上がりは仙台が攻勢を仕掛けた。特に、19分までに武藤が放ったシュートは3本。そのうち、どれか1つでも決まっていれば流れは仙台に傾いていた可能性は大いにあった。そういう意味では、立ち上がりに不安の残る内容はこれまでの清水の課題であり、そうした点は相変わらず悪い癖が抜けていないと感じた。また、終わってみればシュート数は12本と同数。仙台側からしてみれば先制点が決まっていれば結果は違っていたかも…という内容だったに違いない。それだけに最後は決定力の差が出たということだろう。

 

先制点は清水だった。右サイドから吉田が縦への意識をみせる。高木純にクサビを入れると、簡単に落としたボールを再び吉田が受けクロスを上げる。すると、ファーサイドで待っていた長沢がCB2人の間でヘディングシュートを放つ。ボールはネットを揺らし待望の今季初ゴールが生まれた。高木純は、「ぶっつけ」と謙遜したが、このコンビネーションからのゴールが流れを変えた。しかも、これまでの清水にない、バイタルエリアへトライする縦パス、そこからの落としとクロスからのシュートという流れは基本的な動きをしっかりこなした結果。その意味では、育成年代から何度も習ってきた動きを単純に表現しただけでゴールが生まれる。何も特別なことをしなくても、それだけのタレントが居るという意味にもなる。

 

追加点は32分。PE手前で得たFKを大前が直接シュートを狙い決めた。欲しい時間帯での2点目。彼のスキルはこういうところでも発揮されるし、大事な場面をよく判っていた。その結果、最後は40という大量得点になった。しかし、毎回こうも簡単に得点が取れるわけではない。リズムが作れず苦しい展開。必死に守って守ってからの1チャンスに掛けるというゲームもシーズン中には何度かある。そういう時に、大前のような武器は大変重宝される。例に出すまでもなく、横浜FMの中村など飛び抜けた一芸があるということは、それだけでチームをピンチから救うことがある。その意味では、大前は自分の仕事をしっかりしてくれた。

 

その後の追加点は助っ人FWのノヴァコヴィッチが決めた。しかも、2本のシュートで2得点という大変効率のいい仕事だった。だが、これは意外と難しい。どんなに簡単な場面、フリーの状況でもGKとの駆け引きがあり、また少しでも判断が遅れればシュートは決まらない。そういう中で、簡単に見える状況で、しっかり2ゴールを決める能力というのはやはりベテランらしいし、これからの活躍にも期待ができる。

 

こうしてみると総じて攻撃陣が目立った試合ではあったが、その裏には献身的な守備があったことを忘れてはならない。特に最終ラインの平岡は90分間、細かく支持を出し修正を加え、しっかり前に跳ね返すという仕事を黙々と続けた。そして、前線では高木純がハイプレスを仕掛け足がつるギリギリまで走った結果でもある。そうした理由から、個人的にはこの試合のMOMは高木純にしたいと思う。ナビスコ杯は若手の登竜門ではあるが、奇しくもこの試合ではベテラン勢が存在感を示した。ゴールという結果こそ出ていないが、今後のリーグ戦でも十分戦力になるというアピールをしたと思う。

(C) 2014 tomo2take

 

2014年 ナビスコ杯 第1節 清水エスパルス vs ヴェガルタ仙台 PV

2014年 ナビスコ杯 第1

清水エスパルス vs ヴェガルタ仙台 PV

 319日 IAIスタジアム日本平 1900分~

 

 

■予想先発メンバー

◇清水

----------長沢---------

高木俊---高木善-----金子

-----六平----竹内------

河井---平岡---ヤコ---吉田

----------櫛引---------

 

◇仙台

-----赤嶺----柳沢------

武藤----------------マグ

-----八反田---武井-----

鈴木石川直-渡辺石川大

----------ヴコ---------

 

 

 

■プレビュー

ナビスコ杯が開幕する。若手の登竜門という趣が強いこの大会は、2014シーズンが開幕してリーグ戦がまだ3節しか消化されていないため、メンバー規定の問題もない。となれば、どのチームも大幅に選手を入れ替えて来る可能性がある。リーグ戦での問題点を消化するために若手を起用したいクラブ、怪我明けの主力選手のテストを兼ねたい場合など、思惑はそれぞれだがナビスコ杯が開幕するというだけで少しワクワクするものだ。

 

さて、清水の先発には高木善が入ってくるようだ。監督も明言したようだし、ここにきてようやくサポーターの前にお披露目となる(しかし、アフシン・ゴトビ監督はメディアを使ったアピールというのは本当に上手いと思う。取材をしていたときから感じたことだが、ちらちらと翌日の見出しに使えそうなヒントを出してくるのはまるで政治家のようだ(笑))。また、これまで出番のなかった金子も先発の可能性が高そうだ。一方で怪我やコンディションに不安のある選手は確実にお休みとなる。杉山、本田、ヤコヴィッチらには今回出番はなさそうだ。

 

さて、そうなると自然と注目することになるのが新戦力の状態。特に高木善はトップ下の適正を再確認しないといけないだろう。そして、金子も同様にプロの世界でどれだけできるかという点に注目したい。というのも、リーグ戦でもこのところ攻撃の形が見えてこない。それだけに、中盤の組み合わせと攻撃陣のテコ入れを考えたいところなので、ここでの活躍がそのままリーグ戦へのアピールとなる。

 

また守備に関してはリーグ戦で先発落ちをしたGK櫛引はこの試合でしっかりリベンジして、スタメンに返り咲きたいところ。そして、DFラインとボランチを含めた守備陣は周囲との連携、カバーリングなどの動きを再確認する意味もある。特にC大阪戦で4失点した後だけに、改善の余地が見られないようだとリーグ戦に影響が出ると思われる。それだけに、単純な勝ち負けだけでなく、内容が求められるゲームとなりそうだ。

(C) 2014 tomo2take

2014年 J1第3節 C大阪 vs 清水エスパルス PV

2014年 J1第3節

C大阪 vs 清水エスパルス PV

 3月15日 ヤンマースタジアム長居 1500分~

 

 

■予想先発メンバー

C大阪

----------柿谷----------

南野------フォル---長谷川

------扇原----山口------

丸橋--山下---カチャ--酒本

----------キム---------

 

◇清水

----------ノヴァ---------

高木俊-----竹内-----大前

------キャラ----村松------

河井---平岡---ヤコ---吉田

----------櫛引---------

 

 

 

■プレビュー

火曜日にACLで山東魯能との対戦があり、中3日でのゲームとなるC大阪に対して、準備万全で挑む清水。まずはポイントとなるのが、この日程のアドバンテージだろう。そして、その十分な準備期間を利用してアフシン・ゴトビ監督は守備の部分に手を付けているようだ。

 

まず現状を整理すると、杉山が出場停止となり、本田が負傷しているためボランチの組み合わせで、前節、プラス開幕戦からメンバー変更を余儀なくされている。更に、フォルラン加入によって一躍豪勢な駒が揃ったC大阪の攻撃陣をどう抑えるかというテーマを同時に消化しなくてはならない。また、昨年のアウェイで4失点していることもあり、メンタル的にも守備への意識は少し高めていく必要があると思われる。

 

そして、指揮官が出した答えがカルフィンヨンアピンのボランチ起用。そして、そのままトップ下にもメスを入れ竹内の起用が濃厚となっている。しかし、(ただ、個人的にはオプションの色合いが少し濃いような気もしているため)蓋を開けてみれば通常通り、ダブルボランチに竹内と村松、キャラは左SB、そして2トップはノヴァコヴィッチと長沢というパターンも十分ありそうだ。まあ、いずれにしても前回の横浜FM戦で出てきた課題を、杉山、本田が不在の中でどう解消するのかというのがこの試合では一番のテーマとなり、指揮官の手腕が問われるところである。

 

そうなると、注目しなくてはいけないのは2つ。メンバーを大きく変更させた場合、短い期間で変更した意図や目的を、どこまで選手たちに落としこめているのかという点。特に守備に関しては、キャラがボランチで先発した場合には潰しどころと、ボールの動かし方が一番の課題となる。キャラは前に出ての潰しには絶対的な強さとスピードがある。これはJでも屈指だと思っている。しかし、相棒の村松も同じような潰しを得意とする選手。なので、どちらがどのタイミングで、どこに食いつくのか。二人同時に行かないようにすること。もしくは敢えて行かないで相手をディレイさせDFラインを揃えるのか。そうした守備での約束事がどれだけ短期間で落とし込めたか。さらに言えば、後ろでカバーに入るヤコヴィッチの戦術理解度も重要になっている。

 

そして、ボールを奪った後。攻撃に出るときの約束事。キャラはSBのときから自分で持ち上がることもできる選手なので、自らドリブルを入れ持っていくという選択肢もある。しかし、中央でのドリブルを戦術としては入れていない清水では、そうしたプレーは制限されそうだ。ではどう展開するか。パスをサイドに散らすとしても、この2ボランチの得意分野ではない。

 

その場合、助けとなるのが竹内。下がってきて、受けて反転し展開する。もしくは簡単に1タッチなどでSBの吉田、河井らに捌いてサイドから作り直すなどアクセントを付けることができる。その意味では、中盤の3人の組み合わせとしては可能性が一番高い。逆に言えば、キャラ、村松の2ボランチにした場合、長身2トップを選択したら完全に中盤が無くなる可能性が高いといえる。しかも、運動量という点からも竹内のプレースタイルは守備でもチームを助けるだろう。


まあ、いずれにしてもC大阪はACLとリーグ戦とも決して順調とはいえない試合内容を露呈している。特にフォルランの状況はキャンプでの怪我もあり出遅れている印象を受けるし、新加入の長谷川、更にニコルス、カチャルの両助っ人に関しても合流が遅かったこともあり、まだまだチームへのフィット感は薄いように思う。むしろ昨年在籍した選手だけで来たほうが現段階では驚異的かもしれない。更に冒頭でも触れたようにACLから中3日という日程的な問題もある。だから、構図としてはこうだ。出場停止と怪我人によって万全の状態ではない清水に対して、有り余るタレント軍団を揃えるC大阪。しかし、指揮官の変更、新加入選手のフィット感、日程などの問題が残るC大阪。両チームの差は殆どないと言っていいだろう。



(C) 2014 tomo2take

 

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