サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

清水エスパルス

2014年 J1第2節 清水エスパルス vs 横浜Fマリノス PV

2014年 J12

清水エスパルス vs 横浜Fマリノス PV

 38日 IAIスタジアム日本平 1500分~

 

 

■予想先発メンバー

◇清水

----------長沢----------

高木俊-----ノヴァ----大前

------杉山----村松------

河井--キャラ---平岡---吉田

----------櫛引---------

 

◇横浜FM

----------伊藤----------

齋藤------中村------藤本

------富澤----中町------

下平---中澤---栗原---小林

----------榎本---------

 

 

■プレビュー

開幕戦は取材に行けなかったので、MRを書きません。が、第2節のPVは書きます。

 

さて、7年ぶりとなる開幕戦勝利を掴んだ清水。しかも、先制に成功し、その後一度逆転されにもかかわらず再度逆転して勝利を掴んだ。これほどの粘り強さをみせたのはこれまでにない大きな成長だと思う。そして、得点に絡むツインタワーの攻撃力の高さも証明ができた。アウェイの開幕戦として考えれば及第点以上だったと思う。

 

しかし、気になるのは守備面。特に失点のシーンだった。意外、というと失礼かもしれないが、リズムを掴み攻めに出ている時間帯に簡単に裏を狙われるという何ともイージーな内容だった。そして、せっかく先制しておきながら相手にリズムを持っていかれた。その要因はやはり攻めている時の中盤のスペースの使い方にあるように思う。今回の横浜FM戦では、そこがポイントになりそうだ。というのも、キーマンとなる中村はトップ下の位置に留まらずサイド、トップ、ボランチまで幅広くピッチを動く。そして、自分がフリーになる場所を確保して自分主導のプレーをするため、型にはめることができない。

 

しかも、中村不在のポジションにはボランチの中町、サイドの齋藤、藤本が入ってプレーをするし、伊藤も下がってプレーすることができるので少々厄介だ。そこで、いかに中盤でスペースと自由を与えないかというのが重要になる。特にサイドへボールを展開し、そこから中のツインタワーを狙ったクロスを入れる。この攻撃パターンは今年の清水の最大の強みであることは間違いないが、その後の対応だ。こぼれ球や、跳ね返されたボールに対しての寄せ、反応が大事。横浜FMには屈強なCB中澤、栗原が居て単純な高さ勝負に関しては相当な自信を持っている。それだけに勝率は五分五分、いや8割は向こうと読んでおいたほうがいい。となると、その次。相手にセカンドボールを拾われたら、長いボールで簡単に状況をひっくり返されてしまう。特に中村は長いボールを正確に蹴ることができるので厄介だ。そして、ゴール前でスペースを与えてしまえば、齋藤や伊藤が得意のドリブルでフィニッシュまで持ってくることだろう。その意味では、攻撃に出ているときこそ守備の約束事をしっかりとしておく必要がある。

 

一方で、開幕戦に出場停止だった村松がボランチに復帰することが予想される。得意のスピードと奪取力で早い段階でカウンターの芽を潰せれば前述の懸念材料も解消されるだろう。が、もし昨年のように中村にマンツーマンで村松を付ける戦術を採用するとなれば、少し違った展開になる可能性もある。そして、その場合にはダブルボランチを組む相棒に大きな負担がかかることになる。何故ならば、前述したように中村は縦横無尽に動く。マークをしてこない位置までポジションを下げたり、大きくサイドに開いたりもする。そうやってフリーの状況を作り出す。そのときに、村松が付いて行けば基本布陣のバランスが崩れてしまうので、中盤で人数が足らいない状況となる。こうなると開幕戦のように簡単にゴールまでの進出を許し、失点のリスクが高まる。そうならないためには、ダブルボランチがどのようにゲームを作り90分を戦うのか。それがこの試合を左右しそうだ。相棒には杉山、本田、竹内の選択肢がある。杉山は怪我の状況次第だとは思われるが、上手くバランスを取りながら潰し役と、スペースを埋める役とを同時にこなせる頭のいい選手なので、この試合は杉山がどこでプレーをしているかを見てみると面白いだろう。

 


(C) 2014 tomo2take

2014年 J1第1節 名古屋グランパス vs 清水エスパルス PV

2014年 J11

名古屋グランパス vs 清水エスパルス PV

 31日 豊田スタジアム 1400分~

 

 

■予想先発メンバー

◇名古屋

-----玉田---ケネディ-----

小川----------------枝村

------ダニ----磯村------

本多---闘莉王大武-—田鍋

----------楢崎---------

 

 

◇清水

----------長沢----------

高木俊-----ノヴァ----大前

------杉山-----竹内-----

河井---ヨン---平岡---吉田

----------櫛引---------

 

 

■プレビュー

いよいよ開幕戦が明日に迫ってきた。無理だとは思っているけど、これからは可能な限り、簡単に(ここ重要(笑))試合ごとのPV(プレビュー)とMR(マッチレポート)を書いていこうと思う。

 

さて、今回は第一弾。

待ちに待った開幕戦だ。清水エスパルスの第1節はアウェイで名古屋グランパスと豊田スタジアムでの対戦となる(どうも最近の開幕戦はアウェイが多い)。

 

名古屋のスタメンは、、、正直いって予想がしにくい。タイキャンプでの練習試合では3バックを採用しているようだったが、この新システムがどうもしっくりきていないとのことで帰国後には急遽4バックに変更したという報道もある。また、ずっと練習参加していた福岡大学(3年)の大武峻が強化指定されたというリリースが出たが、これで彼の先発はほぼ確定した。

 

一方で、攻撃に関してはタレントが豊富で多彩な印象。エースのケネディ、実績十分の玉田、小川、矢野、枝村に加えて、昨年、大分の強化指定選手として活躍した松田も居る。とにかくアタッカー陣に関しては多種多様な駒を持っている。ということは組み合わせが何通りもあり、どのようなメンバーになるかは蓋を開けてみるまで分からない。そういう意味では交代枠を含めたバリエーションがあり、90分が終わるまで気が抜けないといえる。

しかし、西野新監督を迎えた1年目のシーズン。採用するシステムを含め、起用する選手の選定、戦術や指揮官の考え方などの落とし込みにはまだまだ時間がかかっていると考えていい。それだけに、今シーズンの開幕戦はまだまだアイドリング状態と見ている。

 

 

一方の清水はというと、アフシン・ゴトビ監督が4年目のシーズンを迎える。チーム戦術の落とし込みなど名古屋に比べれば一日の長がある。しかし、開幕戦はダブルボランチの要である村松が出場停止。そのため、そのポジションに誰が入るのか。それが1つめのポイント。そして、もう1つのポイントは攻撃陣。長身2トップの扱いだろう。

 

村松が不在となるボランチには候補が沢山いる。しかし、川崎とのPSMを見ていると本田のコンディションが少し上がっていないように感じた。本人も「走りこみが足りない」と言っていたので、それがちょっと引っかかる。昨年の後半戦では、村松+本田というフィルターが中盤で守備に大きく貢献した。共に体をぶつけたり、プレーを遅らせたり、ボールを奪うのが上手い選手で、セカンドボールへの予測も長ける。そのため、この2人が同時にスタメンから外れるとなれば守備力がかなり落ちてしまう。また、そうなった場合は長身2トップ採用の問題にもリンクしそうなので、どのような対策(組み合わせ)を指揮官が選択するのかに注目したい。個人的には怪我から復帰した杉山が入って、少し前目のファジーなポジションを取ってくれること。そうすれば、空いた中盤のスペース、前線からのフォアチェック(守備への貢献)という2つの問題を一気に解決できるのではないかと思っている。そういう頭を使ったプレーが自然とできるのが杉山なのである。相棒は竹内になりそう。展開力もあるし、運動量も問題ない。村松+本田がハードな守備力を高さを武器とするならば、杉山+竹内は展開力と運動量の豊富さが武器と言えるだろうか。

 

攻撃に関してやはり2トップに注目が集まる。闘莉王&大武VSノヴァコヴィッチ&長沢のエアバトルは、この試合最大の見ものとなるだろう。名古屋は、昨シーズン終わりに増川隆洋、田中隼磨、阿部翔平という黄金時代を担った選手が一気にクラブを去った。そのため、今シーズンは最終ラインを若手で組むしかなくなっている。更に、そこに加え既にシステム変更によって大きく遅れをとっている。これでは、いかに元日本代表の闘莉王であっても負担が大きい。となれば、190cmオーバーのツインタワーを名古屋DF陣にどうぶつけていくのか。その使い方が勝負の分かれ目となるだろう。ボックス内で何回バトルシーンを作り出せるか。清水が勝利を掴むためには絶対条件となる。

 

高さという点では数センチ有利にある。そこで真っ向勝負して勝てる可能性は勿論あるが、ただ闇雲にクロスを放り込むのでは芸がない。では最も効果的な方法はなにか?単純に相手の未成熟な部分を突くのが一番利口なやり方だろう。SHには大前、高木俊、SBには吉田豊、河井陽介といった多彩なキックを蹴られる選手が居る。名古屋のDFラインが揃う前、アーリー気味に速いクロスを入れていく、もしくは深くえぐって連携ミスを誘ってゴール前の勝負を仕掛ける。こうしたやり方が得策だ。こうした揺さぶりを何度できるか。弾き返されても何度でも仕掛ける。それがゴールへの近道になる。

 

いずれにしても、この試合の注目点はゴールに繋がる1つ手前での攻防。その仕掛け、駆け引きに注目したい。

 

PSM 清水×川崎Fレポート

■清水エスパルス vs 川崎フロンターレ PSM

 216日 IAIスタジアム日本平 1330分~

 

■結果

清水 5-1川崎F

 

■得点

清水:

平岡 康裕[27分]

ノヴァコヴィッチ[46分]

長沢 駿[51分]

ノヴァコヴィッチ[68分]

カルフィン ヨン ア ピン[88分]

 

川崎F

森島 康仁[33分]

 

■先発

◇清水

----------長沢----------

高木俊----ノヴァ-----大前

------村松-----竹内-----

河井---ヨン---平岡---吉田

----------櫛引---------

 

◇川崎F

----------森島---------

可児------森谷-----金久保

------山本-----パウ----

山越---福森---谷口--武岡

----------杉山---------

 

■交代

長沢→高木善(63分)

竹内→本田(63分)

高木俊→村田(78分)

河井→六平(83分)

大前→石毛(83分)

ノヴァコヴィッチ→金子(91分)

 

川崎F

杉山→西部(HT

山本→實藤(HT

可児→大島(HT

パウリーニョ→小林(63分)

福森→中澤(65分)

森島→田中(68分)

 

■大量得点勝利から見えた強力な長身2トップ

 

関東圏では金曜日から大雪だったが、清水には雪の「ゆ」の字も感じられないほど暖かくポカポカ陽気。その中でPSMが開催された。

 

しかし、雪の影響は対戦相手の川崎Fには大有り。

川崎Fの選手に聞いてみたら「この3日間まったく練習もできない」という状況。更に、試合前日の夕方に清水へ到着した選手たちだが芝生の上で体を動かすこともできないままスタジアム入り。ピッチに立ったのは試合前の練習になってからだったという。

 

日本の大動脈、東名高速道路の封鎖などもあってバスでの移動も叶わず。各自、新幹線などで移動してきたが、こうした状況を考えると精神的な披露は勿論だが身体的な披露もあっただろう。試合途中で足をつる選手が多かったのもうなずける。だから、怪我を回避するため、動ける選手ということでスタメンには若い選手が多く名を連ねていたと思う。中村や大久保といったところは無理をさせるわけにはいかなかったと思うので、こういう先発メンバーになったのだろう。

 

そして、こういう状況でのPSMであり、結果だということを先に頭に入れておきたい。

 

 

さて、その試合だが終わってみれば51の大勝を収めた。

どんな相手でも勝利は別格。嬉しいものだ。

 

それではまず収穫から。

 

何と言っても2トップ(キックオフの並びは縦型)がゴールという形でしっかり結果を出したのは大きい。特にFWはゴールを決めることが一番の薬となるだけに、シーズン前にこれだけ得点を重ねることができれば自信を持って開幕戦を迎えることができる。

 

中でも長沢は清水エスパルスに戻ってきた今シーズン、練習試合で怒涛のゴールラッシュ(4得点)を記録しており、その好調さをこの試合でもしっかりと示した。

 

特に、ニアサイドで合わせるシュートが上手くなったし、多くなった印象がある。しかも、課題であるヘッドに力強さを加えた。ゴール以外でのシーンでも、前半と後半の立ち上がりに二度、吉田のクロスをニアサイドで合わせているがこういうシュートができるようになると、相手DFPE内でエリアを守るのではなく人にくっついていかなければならないし、厄介で怖い存在であることを認識することになる。そして、ニアに走られるということは、マークにつくCB1人がゴール前の危険なエリアから引っ張りされるということになる。となれば、ゴール前の高さは減る。

 

そうなると、もう一人の長身FWノヴァコヴィッチが活きてくる。

 

実際、この試合でも2得点したノヴァコヴィッチのシュートはどちらもファー(もしくは中)でのもの。特に前半ロスタイムのシーンは、はじめはファーに居た長沢がニアに走り、ニアにいたノヴァコヴィッチがバックステップを踏み中へ流れた。2選手がクロスの動きをした。このことでCBはマークをし辛い状況になった。

しかも、CBのマークはFWに対して各1人ずつ。190cmオーバーのノヴァコヴィッチに対し、普通に180cmそこその選手が1人マークに着くだけではシュートを阻止するのは難しくなる。

勿論、有能なCBはその10cmの差を埋める術を持っている。しかし、それでも確率の問題だろう。例えば1試合に10回、クロスに対して190cmオーバーのFWと競り合うシーンがあるとする。それを1人で対応した場合と、2人で対応する場合ではまるで勝率は違うものになる。たった1度もミスできないという状況か、それとも万全の体制でシュートさえ打たせなければ、残りの部分を味方の選手がカバーしてくれるのか、そうではないかではプレッシャーがまるで違う。

人数不足。そうなれば、ボランチが下がって挟み込みに行くのか、SBが中に寄せてCBを助けに行くのか。チームとしての守り方、対応も変わってくる。

 

まあ、そういう意味では長沢、ノヴァコヴィッチというツインタワーがゴール前に居るというのは大きな恐怖となる。サイドからのクロスを長身FWが中で合わせる。シンプルで判りやすい攻撃ではあるが他クラブにはない武器としてシーズンを戦えるように思う。

シンプルイズベストではないが、ゴチャゴチャしたプレーをするよりも簡単なのが強い。これは、今回のPSMを見た多くのチームが再認識したことだろう。

 

ちなみに、補足すると、10番大前、11番高木俊にゴールが生まれなかった点について心配する声もあるが、これは時間の問題かなと感じた。

 

何故ならば、高木俊のクロスにノヴァコヴィッチが合わせた1点目のシーンがあるが、その場面を振り返ると、ゴールを決めたノヴァコヴィッチの後ろには大前がDFと競り合って倒れていた。

また15分には大前のクロスにノヴァコヴィッチがシュートした場面(これはGKに止められた)があるが、このときは後ろに高木俊がしっかりと走りこんでいた。

ということは、ノヴァコヴィッチの頭の上をボールが越えてきた場合、もしくはDFとの競り合いで最悪ノヴァが倒れてしまった場合でも、更にファーへ走りこむ選手(大前や高木俊)がこぼれ球に合わせることができる。そういうシーンが今後出てくる可能性が高いということになる。

 

つまり、今はノヴァコヴィッチ、長沢が好調なため、シュートにも精度がありゴールに向かっているが、リーグ戦が開幕し彼ら2人へのマークが強まり万全の体制でシュートが打てない状況がでてきたとしても、3番目のシューターとして大前や高木俊への期待が高まってくる。ということでゴールは時間の問題かなと。しかし、本人たちにすればはやくゴールを決めて一つ落ち着きたいところであるには違いない。

 

とはいえ、ゴール前に人数を多くすることがゴール量産の肝であることは間違いないので、そういう意味では長身2トップ+1枚(サイドハーフ)がPE内に入っていくシーンが増えているのは、今シーズンの得点力アップに対して期待していいように感じた。

 

攻撃に関してもう一つ蛇足気味で書いておく。

 

サイド攻撃がここまで明確になると、SB吉田、河井の技術の高さが更に光るように感じた。というか、これで守備専門のSB起用はチームカラーとして可能性が低くなりそうだ。

大前、高木俊のキック力、技術があるのは勿論だが、吉田、河井のクロスの質も高かった。特に吉田や河井は、低い位置からもアーリー気味にカーブをかけて落とすキック、ポイントを狙ったクロスを蹴ることができるので、ニアに居る相手DFの頭を越えて味方FWに合わせるというシーンを作り出すことができる。

 

そして、大前、高木俊というJリーグを代表する看板アタッカーが居る清水の場合(昨シーズンまでの成績をみても明らかだけに)は、サイドで彼らを自由にしてはならない。となれば、大前、高木俊が高い位置を取った場合、そこに対してのマークは勿論強くなる。となれば、ワイドの低い位置でフリーの状況が多くなる。

もしくは、大前、高木俊に対してのマークを強めたい相手からすれば、その前後周辺でポジションを入れ替え、ボールの受け渡しをしながら、プレッシャーがない状況でクロスを上げる河井、吉田まで手が回らない。となると、この縦に居る2枚を抑えこむことができないチームはクロスからのシュート練習をしているかの如く、90分試合をしないといけないような状況になりそうだ。

 

相手からしたら守り方は2つ。

引いてスペースを埋める。果敢にプレスを仕掛け出処を抑える。

しかし、これだけFWが大きいと引いてスペースを埋めても上空のスペースを埋めることはできないので厳しい。となると、出処を抑えてクロスを入れさせないという選択肢が有効。ということで、高い位置からプレッシャーをかけるチームが今シーズンは増えそうだ。

 

 

■一方で見えた課題とは

大勝の裏で見えた課題というのは少ないが、あるといえばある。

 

試合後に監督も言っているが、この結果はあくまでも1つのバリエーション(長身2トップ)が有効であるという証明でしか無い。しかし逆に言えば、それ以外のバリエーションを披露するには足らなかったことになる。

 

流れの中でのゴール以外にも、FKCKから平岡とキャラが得点を決めたことは大きな収穫。しかし、どちらも長身2トップがもたらしたプラスαの要素でもあるということもできる。それに、通常の状況でもセットプレーからの得点力アップというのはどのチームも課題にしており、その質を上げてきたことが結果として出ただけとも言える。特にキャラが苦手のヘディングで得点を決めたのは大きな成長だろう。

 

となると、気になるのは高さ以外の部分。

 

例えば、サイドを崩して入れたグラウンダーのクロスに対しFWがニアに入ってきて足元で合わせるシーンや、マイナスのクロスを走りこんできた中盤の選手がシュートするなど、3人目、4人目が絡んでいくといった攻撃があまり見られなかった点にある。

 

2トップが怖いのは結果を見ても明らかだし、ここまで書いてきた通り。

しかし、では2トップを警戒している相手に対してどう崩しにかかるのか。もしくは、横浜FMの中澤、栗原のような日本代表クラスのDFが居るチーム、広島や浦和のような3バックを使うチームなどは23で数的不利になったり、単純に高さだけでは崩し切れない状況が出てくる。

となったときに、ボールはサイドまで動くが単純にクロスを入れるのか?それでは前半の40分ころまでのようなサッカーにしかならない。

 

HTのコメントを見ても監督が少々お怒りだったのだが、そのへんの判断だったと思う。

 

ボールをサイドに持っていくまではスムーズにできたが、その先だ。2トップに合わせるのか、それとももう一度持ちなおして逆サイドに持っていく、もしくはドリブルで仕掛けてマークを1人外してからクロスを上げるのか。そうした変化、アクセントの判断が必要となる。などなど。

 

特に前半は、その傾向が顕著に出ていた。サイドにボールを持ってくと中盤がポッカリと空いてしまった。ボールは保持できた。しかし、クロスを跳ね返されたときに相手にセカンドボールを拾われ、カウンターを喰らうシーンが増えることになった。

 

特に川崎Fはボールを早めに前へ前へと運ぶチーム。そして、アタッキングサードに入ってくると複数の選手が絡み、左右、前後にボールと人を出し入れして、スペースを空け、マークを剥がすように動きで攻撃を作るチーム。それだけに相性が悪かった。これでは潰し屋の村松も対処できない。そして、中盤で村松のタックルが1発で決まらないと一気にピンチに陥った。

 

となると、攻撃では最後までやり切る必要がある。もしくは、そうできない場合はリスク回避をしながらもう一度ゲームを作り直して、ミドルシュートなどでゴール前の壁を崩す工夫が生じてくるが、このへんのアイデアが少し足りなかった。

 

そういう意味では、後半に高木善が出てきてからは中央にドリブルで流れてミドルシュートを放つなど積極的にアクセントを加えようというプレーが見られたのは良かった。2トップの長沢、ノヴァコヴィッチにしても高さだけでなく足元の技術も高いという、珍しいFWタイプだけにもう少し使い方があるように感じる。

 

サイドにボールを入れて単にクロスを上げるのではなく、SBを引っ張りだし、ボールを下げつつFWにくさびのパスを入れ、そのままワンタッチでリターンをシュート。もしくは、ノヴァコヴィッチならばDFを背負いながら強引にシュートという選択肢も出てくるだろう。

 

しかしまあ、PSMでどこまで手の内を見せるかという判断もあるので、全部見せたらリーグ戦開幕した時に完全丸裸なんてことになりかねないので、それはそれで良かったのだが、そういうシーンが1度でも2度でも出てきていたら、スタンドで見ている方にもバリエーションがあって良かったかなというのが今回の感想。

 

おそらく、こういう出てきた修正点に関しては次の練習試合でテストされると思うので、開幕戦までの時間をどのように使うかというのがこれからの課題。

 

 

ちなみに、前半ベンチから試合を見ていたある川崎Fの選手は、「仙台みたい」だと言っていた。「シンプルで判りやすいけど、FWがデカイし活かし方としてはいいと思う」とのこと。

 

この段階で言えるのは、このままサイド攻撃の清水というイメージを徹底し、選手間で共有いくこと、それがまずは開幕に向けて大事かなと。

 

 

 

 

清水エスパルス ~高さという武器を加えた~

■清水エスパルス vs 大田韓国水力原子力

 131日 三保グラウンド 14時~

 

■結果

清水 3-1大田

45分×2本)

 

■得点

清水:

1本目:長沢駿(26分)、長沢駿(33分)

2本目:竹内涼(40分)

大田:13

 

■先発

◇清水1本目

----------長沢----------

高木俊----高木善----大前

------村松-----本田-----

河井---ヨン---ヤコ---吉田

----------相澤---------

 

◇清水2本目

----------ノヴァ----------

村田------長沢------大前

------村松-----竹内-----

河井---ヨン---ヤコ---吉田

----------櫛引---------

 

■交代

1本目:

高木善→ノヴァコヴィッチ(40分)

本田→竹内(40分)

 

2本目:

村松→六平(20分)

大前→石毛(20分)

吉田→藤田(25分)

ヨンアピン→三浦弦(33分)

ノヴァコヴィッチ→金子(40分)

 

 

■新戦力チェック

新加入組でプレーしたのは5人。

 

相澤 貴志:

経験値があるだけに、ゲームの流れを読んで積極的に声をかけている。特に大きな声はよく通る。後ろから声があると選手は安心するので、声が大きいのは凄く長所だと思った。プレーに関しては特に悪いところはなかったと思うが、パスミスからの失点は、そうなる前に声で統率をしたかったところだろう。また、だからこそよく声が出ていたのかもしれない。セットプレーなどを見ていても安心感もあるので大丈夫だろう。

 

ヤコヴィッチ:

高さもあるが、足の長さが印象的。スライディングをしてボールを絡めとるプレーでは、そこまで出てくるかという印象を受ける。おそらくJリー グの中でも相当リーチが長い選手であることは間違いなく、対戦相手は戸惑うことだろう。また、足が長いためなのかバックステップの幅が広く、意外と素早い という印象。よーいドンの早さは、試合の中でそういうシーンが殆ど無かったため判断しにくいが、ボール奪取のために前に出て、すぐにラインに戻るという動 作はスムーズかもしれない。

 

高木 善朗:

プレー時間が思ったよりも短かった。入団会見で語っていたような中央からの攻撃をしようという姿勢は見せるが、サイド攻撃に慣れたチームとフィットするにはまだ時間が短かったのかもしれない。あとは、前で受けるのではなく、下がって受ける機会が多かったため、自分の特徴は出しきれていない印象。預けて、リターンを 受ける。そういうプレーが増えてくれば違ったと思う。

 

ノヴァコヴィッチ:

まさかとは思ったが、長い時間プレーをした。ピッチに入るとき、スパイクを履いていたので、もしかしたら出るかな?程度に考えていたため嬉しい悲鳴。プレーの方は得点こそ無かったが、存分にレベルの高さを見せたと思う。とにかくワンタッチでの落とし、くさびの受け方などが上手い。しかも、収まって奪われないので中盤の選手たちはやりやすいと思う。まだコンディション的にも十分でないことを考えると、自分で持っていくよりも人を使ったほうが良いという判断だったかも しれないが、人を使うことも、人に使わることもできるタイプであるというのは、この試合を見ただけでも分かる。

 

金子 翔太:

5分ほどのプレーだったため多くは判断できない。しかし、すばしっこさは感じた。試合後に話をしたら、村田がよく面倒を見ていて、そのお陰なのかチームには慣れた様子。ただ、2月からは新人研修などもあり、チームから再び離脱。鹿児島キャンプではとにかく頑張って監督にもアピールし、チームメイトにも自分のプレーを示すこと、そしてチームに溶け込んで出番を多くしたいところだろう。

 

■気がついたこと

長沢駿の評価が上がっているように感じた。2ゴール(1ゴール目は、「えっ俺の1点目ですか?俺らしいけど、実は相手の足に…」なんてことも言っていたが)という結果は勿論だが、90分フル出場していることからも監督は使いたかった、もしくは長い時間プレーを見たかったというのが分かる。そして、特に2点目のシーンでは相手の上からヘディングを叩きこむなど、入っていく強さを感じた。本人に聞いても体重は増えているとのことだし、昨シーズン松本でしっかり鍛えてきた結果だと思う。

ちなみに、松本の反町監督は湘南時代からフィジカル、特に走力を上げる練習を多く取り入れる監督だったし、松本もそういう要素が強いチームなので、駿くんにとっては収穫だったのではないかと思う。

 

 

また、驚きだったのはノヴァコヴィッチがプレーしたこと。途中から長沢と190cmオーバーの2トップを組んだ。

実際は横並びの形ではなく、縦の形(システム上は4-2-3-1もしくは、4-2-2-1-1に近いか)だったが、前線に190cmオーバーの選手が2人並ぶと迫力がぜんぜん違う。過去を振り返ると高さに欠ける印象があったチーム(ラドンチッチ、バレーは居たが)だが、これで一気に迫力が増す。そして、試合展開によってはDFがラインからの放り込みにも対応できる。これはひとつの武器としても有効だし、クロスに対して中で2人入ってくるとなれば、それだけで確率は上がる。

 

そして、高さは守備でも重要な要素となる。

何本かCKなどセットプレーのシーンがあったが、長身の選手がこれだけ居ると守りやすい。

まず第一に、コーナーとゴールの間にストーン(石)として1人を配置しニアのコースを切ることができる。そして、ストーンに高さがあると相手は曲がって落ちるボールを正確に蹴らないといけなくなるのでストーンの高さは重要。

そして、余った他の長身選手は相手キーマン(FWとかCBの選手)をマークさせることができる。大体どこもエースストライカーと、CBでヘディングの強い選手が居る。おおまかにFW1人、CB2人。そこにマッチアップさせるための人数が必要(昨年は体幹の強い吉田や村松、杉山がマーカーとなったがミスマッチが何度もみられた)。しかし、長沢、ノヴァコヴィッチ、ヤコヴィッチ、ヨンアピンと、このように長身選手が複数人いればかなり有利になることは間違いない。

これは逆も同じ。攻撃になったときに、ゴール前へ長身選手4人(平岡が復帰すれば5人となる可能性も)を送り込めるというだけで、相手にとっては脅威となる。

 

 

そして、これが高木善の起用法とも関係してくる。

 

この練習試合では高木善が早々に交代でベンチに退いた。これは駿くんのプレーが良かったこともあるが、チームとしてもサイドからの攻撃のほうが現時点では有効であるという結果になったからだと思う。

中央でボールを受けて、そこから仕掛けて崩す高木善の動きは、まだ今はアクセントにならず少しぎこちない感があった。だから、そこにボールを出し次の動きをする選手が少なかった。

逆に、2点目のように本田のロングパスに吉田が反応し、クロスを入れて中の長沢のヘディングシュートという王道パターンのほうが僅か始動して2週間のチームでも綺麗に出せた。これは、もともとそういう下地があるからともいえるし、フィニッシャー役が変わってもそこに至るまでのやり方やパス、動きは昨年の経験値もあり再現できる。

しかし、中央でゲームを組み立てる役目である高木善はピッチに居たものの、そのポジションにボールを入れて崩すというチームの意識が高まらないとなかなかスムーズにはいかない。高木善とすれば、それでも今は監督とチームに認めさせて自分の良さを出していかないといけない。それが加入間もない選手の役目である。

 

 

□そして、長身FWが好調な中での弊害

更にここから派生した問題が2つ。

 

1つはボールが中央を経由しない場合の崩し方。

中央を使わない場合、相手のDFラインを崩すためには工夫が必要になる。サイドからサイドにボールを動かしていくのもひとつの方法。しかし、その場合はサイドハーフからSB、ボランチなどを経由して逆サイドに持っていく。そうなると相手もしっかりブロックを作るため壁は厚くなる。

 

そこを崩すにはどうするのか。

単純に高さを利用するのと、ミドルレンジからのシュートが解決方法になる。

その意味では、この試合ではノヴァコヴィッチと駿くんという高さがあった。

そして、竹内が決めた3点目のようなミドルレンジからのシュートがあった。

 

結果を見れば、1点目は足元だったが、結局はサイドからのクロスからの得点。そして2点めも駿くんの高さだったということを考えると、現有戦力と、サイドからの攻撃でしっかり2点を取り、最後は竹内のミドルで3点めを奪うことができたのは、試合に出ている選手と、これまでのやり方を考えると想定内だった。

 

しかしである。

逆に言えば、中を崩しラストパス、スルーパスでゴールというシーンは無かった。

となると、ポイントは高木善をどう使うかということになるのかなと思った。必要だと思ったから獲得した新戦力。使わない手はない。それには、これからいかに早くどうチームの中に組み込んでいくのかが課題かなと感じた。

 

そして、もう一つ。

気になったのは最終ライン。新加入のヤコヴィッチは高さもありボールを取る技術もありそうだ。しかし、GKとの連携を含めたところでやや熟練度が必要。右SBの選手とも活発に意見を出し合っていたようだが、試合の中では何度かラインが低くなっているシーンが多かった。そのため相手にリズムを握られた時間が目についた。

これは単に言葉の問題なのか、それとも外国人CB特有の前には強いけれども後ろには弱いということなのかは選手に直接聞いてみたいと思う。しかし、いずれにしてもGKSBが押しあげたいと思っていても上がらないというシーンがあった。そのため中盤でスペースが出来て、そこを使われる。前半の立ち上がりとか、失点シーンを見てもそういうところの解決は必要かなと思わせた。

 

特にサイド攻撃を使う場合、SBがオーバーラップしているシーンが多い。それでも、クロスを上げるなりシュートするなり、最後までやりきってくるなら問題がない。もしくは、ボールがタッチラインを割るなどプレーが切れるならDFがラインに戻る時間もある。

しかし、サイド攻撃一辺倒で攻めあぐねいていると、ボールを回せていても崩し切れず、ちょっとしたミスからピンチを招くことになる。

そのとき、しっかりとラインを上げてスペースを消していれば相手FWも動けるスペースが限られ、DFが密集したエリアでボールを奪うこともできるし、オフサイドを狙って取ることもできる。

 

しかし、前線に長身FWが揃ったうえにノヴァコビッチはしっかり収まるので後ろからアバウトに入れてもタメができる。そうなると、DFにラインは早めにボールを入れたくなる。チームとしてリスクを避けるためにシンプルな作戦をとる。そうなると、DFラインが細かい上げ下げをしなくなる。

そして、ゴール前を守る2CBも高さに自信があると、「前で弾けばいい」という考え方に落ち着いてしまう。まあ、こればっかりは実戦で修正していくしかないと思っているし、平岡や杉山が復帰すれば、また違ったアプローチもあるのでこの心配は無用かもしれない。

 

いずれにしても、大田韓国水力原子力(Kリーグ所属ではない。日本でいえばJFLレベルと考えていいだろう)を相手に、3点奪って勝利したことは素晴らしい結果。

そして、清水が本来持っている実力をしっかり発揮した結果と思うし、昨年までやってきたサイド攻撃がしっかり出せていたのは、これまでの積み重ねだと思う。そう考えると、チームが始動して僅か20日程度のチームとしては十分な内容だった。


中央からの攻撃に関しても、練習をこなし、選手たちももうちょっと動けるようになれば連携も増すし攻撃のパターンも増えるだろうから、高木善を活かすやり方も増えてくると思う。そして、チームとしてそういう練習も組み込まれていくだろう。そう考えると、鹿児島キャンプでのさらなる成長に期待したい。

 

 

 

 

清水エスパルス 2014年登録メンバーから考察

■スタッフ

監督     アフシン・ゴトビ

コーチ   内田一夫

コーチ   コッサ

コーチ   栗山友文

コーチ   ジュリオ

理学療法士      ダニエル・ブーレ

アスレティック・トレーナー           大友仁

トレーナー         若松昌典

トレーナー         大沼理貴

通訳(監督担当  遠藤洋

通訳(韓国語)    福元順哉

ホベイロ           中山喜仁

 

■選手背番号

1 GK 櫛引政敏

2 DF 李記帝

3 DF 平岡康裕

4 DF カルフィン・ヨン・ア・ピン

5 DF 村松大輔

6 MF 杉山浩太

7 MF 本田拓也

8 MF 石毛秀樹

9 FW 長沢駿 (←松本/期限付き移籍終了)

10FW 大前元紀

11FW 高木俊幸

13FW 樋口寛規 (←岐阜/期限付き移籍終了)

15MF 藤田息吹

16MF 六平光成

17MF 河井陽介

18FW ミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチ (←ケルン)

19DF デヤン・ヤコヴィッチ (DCユナイテッド)

20MF 竹内涼

21GK 相澤貴志 (←町田)

22MF 村田和哉

23MF 高木善朗 (←ユトレヒト)

24MF 高木純平

25DF 三浦弦太

26FW 柏瀬暁 (NYコスモス/期限付き移籍終了)

27DF 廣井友信

28DF 吉田豊

29GK 高木和徹 (←清水ユース)

30MF 金子翔太 (JFAアカデミー福島)

31GK 三浦雄也

32FW 鍋田亜人夢

33FW 加賀美翔

 

 

■移籍選手

ラドンチッチ      (→水原三星/期限付き移籍期間満了→大宮/完全移籍)

姜成浩             (→東京V/期限付き移籍)

柴原誠             (→福島)

枝村匠馬          (→名古屋/期限付き移籍)

伊藤翔             (→横浜FM

林彰洋             (→鳥栖/期限付き移籍→完全移籍)

八反田康平      (→仙台/期限付き移籍)

イ・ミンス          (→栃木/期限付き移籍)

岡根直哉          (→栃木/期限付き移籍)

瀬沼優司          (→栃木/期限付き移籍)

内田健太          (→富山/期限付き移籍)

白崎凌兵          (→富山/期限付き移籍延長)

高原寿康          (→町田)

橘章斗             (→未確定)

犬飼 智也        (→松本/期限付き移籍延長)

 

 

■期待のかかるそれぞれのポジション

□スタッフ

大きな変更はなく、ゴトビ監督4年目のシーズンとなる。コーチやスタッフも知ったか顔となり、就任当初のような戸惑いはないだろう。静岡の生活にも慣れた頃。それだけにそろそろ結果への期待が大きくなる。

 

GK

GK4人。若手の多い陣容だが昨年後半から正GKの座を掴んだ櫛引が1番となり、チームの絶対的守護神として期待がかかる。高原の抜けた穴は同じくベテランの相澤を町田から獲得。経験値に期待したい。新加入の高木和はサイズもあるし、しっかり成長してほしい。特に、プレミアリーグでは得点王の金子のシュートを止めまくったということなので大いに期待している。

 

DF

DF8人。今年も村松はDF登録だ(笑)。CBには現役カナダ代表のデヤン・ヤコヴィッチが加入(愛称はデッキーです)。188cmと高さもあり、CBとしての起用が考えられる。昨年終盤は杉山がCBで起用されているなど、層の薄かったポジションだけに期待は大きい。

同様にSBの人選も気になる。キャラの左SB起用なども考えると選択肢は豊富に。右も左もできる吉田が一番手だろうが、イ・キジェ、河井、石毛も昨年に続いて構想にあるのかもしれないし、藤田、三浦弦の可能性もあるか。

 

MF

MF登録は11人と最大。そして、チーム内で最も競争の激しいポジション。主にボランチでプレーする選手が多いが、そこに加えて攻撃的なポジションでもプレーできるという選手が複数人いるのがこのチームの特徴とも言える。特に杉山、竹内、河井、本田という中盤でオールマイティにプレーできる選手を揃えているだけに、ゲーム中でも頻繁にポジションやシステムを変えるという戦術もある。守備専門で考えると、DF登録の村松、本田が一番手になる。これが一番守りは固いかも。

攻撃的なポジションでは、オランダ帰りの高木善に期待がかかる。本人も言うように、中央での仕事が得意ということで、サイド攻撃の多いチームの中でどのようなアクセントになるか。そして、弟のラストパスを兄がゴールするというホットラインはいつ見られるのか。想像するだけでもワクワクする。

また、ここにジョーカー役の村田に加え、河井や石毛、2年目の六平や新加入の金子などサイドや中央でプレーできる個性豊かな選手が揃う。このポジションはJ1の中でも本当に層が厚い。

 

FW

FWの登録は6人。最も注目されるのはノヴァコヴィッチだろう。昨年は大宮で12得点。単純に考えると、伊藤(6得点)、ラドンチッチ(6得点)の穴を埋めたことになる。ただ懸案材料もある。それは怪我。今年で35歳になるし、昨年の大宮では26試合に出場しているが怪我で離脱していた時期もある。年齢的にも無理はさせたくない。しかし、伝説にもなりそうな、スーパーボレーシュートを決めるなど技術は抜群。流石は昨年まで現役バリバリで活躍していたスロベニア代表だ。

ここに、両ワイドの大前と高木俊が加わるのが2014年の基本布陣か。この二人は過去の実績を見ても頭ひとつ抜け出ている。加えて昨年のゴール数は、大前が7、高木俊が6でチームの1位と2位タイ。そして、ノヴァコヴィッチが12点。上手くフィットすれば、3人合計で30得点は余裕でクリアできそうだ。いや、下手すれば50得点も狙えるのではないだろうか…と期待は膨らむ。

また個人的には4年ぶりに復帰した長沢の成長にも期待している。特に高さに関しては昨年までのチームに足りないピースだっただけに(何度かDFを上げてパワープレイしていたけど)、試合展開によってはノヴァコヴィッチとのツインタワーというのもあるか。

 

■トータル

9人の選手を期限付き移籍で外に出しているが、全体的にはほぼ満足できる補強となったのではないだろうか。欲を言えば昨年ブレイクした伊藤の流失を止められていたらもっと良かったが、本人の考えもあるし、更に厳しい環境を選んだ本人の意志を尊重したい。これはサッカーの世界では常だし仕方がないこと。

あとは、ゴトビ監督が数人の選手をコンバートしたこともあり、試合中、もしくは試合ごとに臨機応変に少ない人数で変化を与えることができる。そういう選手が多くいるのが今のチームの特徴とも言える。CBヤコヴィッチとCFノヴァコヴィッチというチームの前と後で、ドカンと中央に居座れる感じの大きな(身長でも)軸できたのは大きいと思われる。

 

最後に、個人的な希望になるが今年は「あっ!」と驚くような活躍をする選手の出現を期待している。藤本淳吾や兵働昭弘など前評判に違わず素晴らしい活躍をしてきた選手は沢山いるが、岡崎慎司のような愛嬌のあるキャラクターでチームを引っ張る選手がそろそろ出てきてくれても良いように思う。明るくて、チームの雰囲気だけでなく、サポーターやスタジアムを盛り上げることができる。そんな選手。街を歩いていても、「○○ちゃーん」と気軽に声をかけられるような存在が出てくると嬉しいなと。候補としては村田かな。

 

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