サッカーのこといろいろ書いちゃうブログ

フリーのサッカーライター(tomo2take)が、取材で感じたことや、気になったニュースなど、そのときどきで書いていきます。

湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレ 新シーズンは変則4バックを採用か?

1月26日、平塚競技場で開催されたフェスティバルを取材してきた。

その中で、新バージョンの湘南ベルマーレが見えてきた。


■キッズガード湘南フットボールフェスティバル Presented by FIELD MANAGEMENT

 

■結果

湘南 5-0 福島

 

■得点

湘南:宮市剛(35分)、古林将太(38分)、梶川諒太(62分)、永木亮太(69分)宮市剛(86分)

福島:

 

■先発

◇湘南

----------宮市----------

-----梶川------岡田-----

菊池---永木--エデル--古林

----三竿--丸山--菊地----

----------秋元----------

 

◇福島

----------小林----------

田村---内山---猪狩----

----------石堂----------

大原---時崎---岡村---小峰

----------内藤----------

 

※交代は特別ルールだったので割愛

 

■リザーブメンバー

湘南:梶川裕、福岡、白井、前田、吉濱

福島:植村、岡田大、岡田亮、野田、山口、堀米、安東、益子、柴原、金、久野、河野

 

 

 

■新戦力チェック

さて、この試合では主に新鮮力の観察に力を注ぐ。

加入組でこの試合でプレーをしたのは12人。

それぞれ見て感じたことを書いていく。

 

秋元陽太:

GK。スタメンで出場したが、攻め込まれる場面も少なく自身がプレーする機会は少なかった。それだけに判断は難しいが、全体的に見ていて佇まいに安定感はあるし数度のプレーを見る限りフィードの精度も悪くなさそう。しかし、まだまだ試合感はこれからかなと。

 

菊地俊介:

CB。 すっと前へ出ていくときの動き、パスカットのタイミングも悪くないしボールを奪ってから縦へ付けるパスもまずまず。クロスボールの対応などはなく高さを見 せる場面は殆どなかったが、数回の接触プレーからは競り合いにも強そうな印象を受けた。あとはボールを回している時もパスを受けるときのステップもまずまず。右利きだし、ポジション的にもこの位置が適正かもしれない。

 

丸山祐市:

中央CB。見ていても安心できるCB.。その理由は足元の技術にある。さすが学生時代にセットプレーのキッカーを務めていただけはある。ボール回しのときは左も右も問題なく蹴っているし、持ち替えて逆を向くときの動きもスムーズだった。中央でしっかりラインコントロールもできて、縦への付けるパスもできる。FC東京時代は左SBでプレーしていたのを見たが、中央が適正ポジションかもしれない。

 

三竿雄斗:

CB。 ポジション的にも、ザ・左利きというプレーが多かった。試合の中では最もプレーの機会が多かったのでは?と思うほど。オーバーラップの回数も多く、走力、 キック力をある程度の回数を見ることができた。また、ボールを受けてからクロスを上げるまでの動き、足の振りも素早く全体的にいい印象が残った。上背もま ずまずあり対人能力もあるから、1年目から先発候補になりそうな予感。ちなみに、本人曰く「クロスはえぐって上げるより、アーリーのほうが多い」とのこと。

 

エデル:

ボランチ。持ち替えて左サイドへのパ スが得意ではないかと推察。そういうプレーというか動きが何度かあり本人も好んでいるように思う。裏を返せば逆サイドをよく見ているということ。しかし、 この日は夏のブラジルから冬の日本ということもあり動きは重かったし、パスミスもあり全体的にプレーの精度はいまいち。監督も、「これからだと思います」 と言っていたので今後に期待。

 

岡田翔平:

予想通りスピードがあることは分かった。一方で、意外とセカンドボールの落下位置やこぼれ球といったものの予測に長けという印象。そういう場所での感が冴えるのか、経験値なのは聞いてみないとわからないが、単なるラインの裏とり名人ではないようだ。恐らく、DFラインとの駆け引きや、動き出し、動き直しを続ける中で得た能力ではないだろうか。あと、前線からのプレスもお得意の様子。

 

宮市剛:

センターFW。この時期ということも考えると、十分にインパクトがあった2ゴー ル。本物のストライカーだ。そして、前評判に違わぬ実力。ボールに合わせる動きもいいし、ペナルティエリアに入ってくる動きと迫力に加え、ダイレクトに ボールをあわせることができるセンス。ポストプレーに関してはまだまだだが、これからシーズンインまでにフィジカルを上げていくことを考えると現時点では 十分。

後半から(だったと思うが)1トップではなく、シャドウにも入ったりして外へひらいてプレーすることもあった。兄はスピードが武器だが、弟も足は武器になりそうで面白い試みだと思う。もしかすると点の取れる大型ウイングにもなれそうな予感。

 

梶川裕嗣:

GK。秋元と同様にプレーする機会が少なく判断材料に乏しい。しかし、遠目で見てもサイズは十分だったし、足元の技術もまずまずありそうな感じを受ける。

 

福岡将太:

ボランチ。登録上はDFだが、交代出場で入ってプレーしたのはボランチ。そして、びっくりしたのがその躍動感。以外にも前に出てくるタイプだった。しかも、迫力のあるボレーシュートを持っていてスタンドを沸かせてくれた。本命はDFの右だと思うが、運動もあるしボランチやサイドでも彼は活きそうな印象が残った。その意味では隠れ注目選手。

 

白井康介:

長友系のダイナモといった印象。スピードは勿論だけど、常に動いている。そのため走る距離もかなりあるだろうがスタミナには自信があるということか。上背はないがすばしっこい感じで、右のワイドや左のワイドでのプレーがメインとなるか。昨年のJFLでは一度だけ福島の試合を見たが、そのときはシャドウでもプレー。まあとにかくよく動くので、シーズンを通して考えると指揮官としては助かる選手。

 

前田尚輝:

75分に永木と交代で出場。しかし、途中から両チームとも交代選手が多くなり、ポジションの確認もできなかったため残念ながら印象が残っていない。まあ、そういう意味では目立ったプレーをするタイプではないのかもしれない。これからしっかり見ておきます。

 

吉濱遼平:

シャドウやワイド。とにかく負けん気 が強いと聞いていた。強引なシュートも打てるし、そういう面ではメンタルも強そう。だから、仕掛けるドリブルから宮市へのラストパスなど、ギリギ リのシーンでもシュートとパスという選択肢を即座に選択できる。余裕というか選べる力をしっかり持っている。考えこむとドツボだけど、上手くハマれば面白 そうな感じを受けた。

 

 

■新システムも見えてきた?

◇基本となる3バック(図1

----------宮市----------

-----梶川------岡田-----

菊池---永木--エデル--古林

----三竿--丸山--菊地----

----------秋元----------

 

◇守備時は5バック(図2

----------宮市----------

梶川-----------------岡田

-------永木--エデル-----

菊池-三竿-丸山-菊地-古林

----------秋元----------

 

◇変速4バック(図3

----------宮市----------

菊池------梶川------岡田

-------永木--エデル------

三竿---丸山--菊地----古林

----------秋元----------

※梶川か岡田がトップに入って宮市と2トップとなる442の形や、宮市が右サイドに流れ、丘だと梶川がトップに入るパターンも。

 

 

湘南は昨年と同じく、[3-4-2-1]がベース(図1)となりそうだが、この試合を見る限りでは昨年のやり方とは少し違う。

ほとんどが新加入選手だったこともえり、慣れたシステム(どこに在籍していても4バックは基本として身についている)を使ったのかもしれないが、今シーズンは4バックに近いこのやり方をどこかで採用するかもしれないのではないかと、このゲームからは感じた。

 

昨年の湘南は、守る時間には両ワイドが最終ラインまで下がって5バックのようになる。そうやってスペースを埋める(図2)。もしくは、攻めこまれたサイドに居るウイングが、その選手を最後までマークするため、最終ラインまで引っ張られていき変則4バックのような形になることがあった。それでも、守備時はだいたい5枚が最終ラインに居ることが多い。

 

しかし、この日は意図的に(だと思う)ボールを保持している時でも4バックのような形を見せた。それが図3

 

まず、右WBの古林が下がってきて右SBに入り、3バックの3人(菊地、丸山、三竿)が1つずつ左にスライドしていく。そうすると、右から古林、菊地、丸山、三竿の並びになる。

利き足で言えば、右、右、左、左となる。

 

そして、中盤。ダブルボランチは変わらず、左WBの菊池が左MFとなる。梶川を含めたFW3人は流動的にボジションを変えていたが、このへんはチョウ監督が新戦力の動きを見たかった部分も多いのではないかと推測する。

 

そして、この4バックだが実に動きの効率が良かった。古林は運動量も豊富で長い距離を走れるのは草津時代に証明している。そして、三竿は大学時代は左SBが本職のため、4バックでも3バックでも、最終ラインの位置からどんどん前に出ていくプレーを見せた。そして、前に出られたのはこのツルベの動きができていたから守備での(人数的)リスクを考えずに心置きなく攻めに上がれたとも言える。

 

そして、2CB。これは右利きと左利きという駒がしっかり揃ったから、それぞれ中央に置いてもボールを受ける動きにぎこちなさがない。しかも、丸山の足元は両方共問題無いときている。

 

ここに、遠藤や島村ら既存戦力が入ってくるとどうなるかはまだ不明だが、丸山と三竿の加入によって、湘南のDFラインはより高いレベルでプレーができるのは間違いないだろう。そして、常にこうした動きができるようになってくれば、試合の中でもスムーズに3バックと4バックを使い分けることができる。そうなれば再びJ1で戦うときに、ひとつの武器となることは間違いない。

 

以上、ここまでがキッズガード湘南フットボールフェスティバル Presented by FIELD MANAGEMENTから見えてきた湘南の新シーズンに向けての要素だ。

 

湘南ベルマーレ 2014年登録メンバーから考察

■コーチングスタッフ

監督                チョウ・キジェ

ヘッドコーチ      横山雄次

コーチ              白石通史

コーチ              カルロス

GKコーチ         斎藤誠一

コンディショニングコーチ 新田涼

 

■選手背番号

GK1  阿部伸行

DF2  菊地俊介            (←日本体育大)

DF3  遠藤航

DF4  宇佐美宏和

MF5  古林将太

MF6  永木亮太

MF7  大竹洋平            (FC東京/期限付き移籍から完全移籍)

MF8  梶川諒太

FW9  ウェリントン

FW10 菊池大介

FW11 中村祐也

MF13 岩尾憲

DF14 丸山祐市            (FC東京)

MF15 エデル                (←ビトーリア・ダ・コンキスタ)

MF16 石川俊輝            (←東洋大)

DF17 三竿雄斗            (←早稲田大)

FW18 宮市剛               (←中京大中京高)

FW19 大槻周平

MF20 中川寛斗            (←柏/期限付き移籍延長)

GK21 梶川裕嗣            (←東海学園大)

FW22 岡田翔平            (←鳥栖/期限付き移籍延長)

MF23 白井康介            (←福島ユナイテッド/期限付き移籍終了)

MF24 前田尚輝            (←湘南ユース/二種登録)

MF25 荒堀謙次

DF26 亀川諒史

GK27 鈴木雄太

DF28 福岡将太            (←実践学園高)

MF29 吉濱遼平            (←福島ユナイテッド/期限付き移籍終了)

DF30 島村毅

GK37 秋元陽太            (←愛媛)

FW39 武富孝介            (←柏/期限付き移籍延長)

 

■移籍選手

ステボ              (→全南ドラゴンズ)

岩上祐三          (→松本/完全移籍)

馬場賢治          (→水戸/期限付き移籍)

ハングギョン      (→柏)

鎌田翔雅          (→岡山/期限付き移籍)

山口貴弘          (→長崎/期限付き移籍)

石神直哉          (→長崎)

下村東美          (→北九州)

高山薫             (→柏)

田村翔太          (→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍)

河野諒祐          (→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍)

猪狩佑貴          (→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍)

村岡拓哉          (→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍)

アレックスサンターナ      (→コメルシアル/期限付き移籍期間満了)

安藤駿介          (→川崎F/期限付き移籍期間満了)

大野和成          (→新潟/期限付き移籍期間満了)

古橋達弥          (→未確定)

 

※新加入し、そのまま移籍

MF安東輝(JFAアカデミー福島/→福島ユナイテッドへ期限付き移籍)

 

 

■期待のかかるそれぞれのポジション

GK

GK4人。安藤、サンターナが期限付き移籍終了となり、愛媛から秋元、大卒の梶川裕を獲得。年齢層は、阿部が29歳、鈴木と秋元が26歳、梶川裕が22歳。

実績で言えば阿部が一歩リードか。それとも愛媛での活躍を加味すると秋元が正GKの座を奪うのだろうか。はたまた昨年同様にコンディション優先なのかは気になる。

そして、鈴木は向上高、秋元は横浜FMユースでともに神奈川出身で…と思ったら、彼らはジュニアユース時代には横浜FMJY菅田で一緒にプレーしているようだ。これは何とも興味深いし、良いライバルとして切磋琢磨してほしい。

 

DF

DF登録は8人。半分の4人が新加入選手となる。そして、注目すべきは選手の大型化。菊池180cm、丸山183cm、三竿177cm、福岡180cmと、一気に180cm台が3人も増えた。しかも、そのうち左利きが3人(福岡の利き足を確認し忘れた)という徹底ぶり。となると、3バックのメンバーがどうなるのかというのか気になる。

丸山、三竿のプレーは見たことがあるが、どちらもパスが上手い印象。特に三竿はナビスコ杯の清水戦で取材をした際に聞いたのだが、ほとんどチームに練習参加せずぶっつけ本番で合わせるという強心臓の持ち主だった。同じくルーキーの菊地は、ここ数年で周りでも「いい選手だ」という声が多かった選手。早くプレーが見たい。

そして、外せないのは亀川。昨年最も伸びた選手。現在はU22の遠征中だが、チーム唯一の代表選手として大いに期待したい。

しかし、こうやって登録選手を見るとCBと左ワイドを兼務できるタイプが本当に多い。

 

MF

MF12人。やや守備的なポジションが薄い印象。永木とコンビを組むのが誰になるのか。新加入のエデルは未知数。となれば、DF登録の選手を起用するという可能性もある。個人的には遠藤の将来性を考えるとボランチでの起用が一番ではないかと思っている。攻撃的なスタイルでいくならば梶川諒が筆頭だが、そこに誰かが割って入るならば、チームの底上げになりそう。

両ワイドに関しては、右は古林、左は亀川(登録はDF)が第一候補となるか。このポジションはアップダウンが多く体力の消耗も激しいため、相当なスタミナの持ち主でなければ勤まらない。

 

FW

FW7人。注目はやはり宮市。高校2年のときに選手権で見たが、顔に似合わずゴリゴリと骨太なプレーをしていたのが印象的。しかも、デカくて速くて上手い。中田ヒデ以来の大型新人かもしれない。しかし、3トップの真ん中はウェリントンが一歩リード。昨年終盤に見たときはボールが収まるしタメも作れる。チームにもフィットしてきているだけにJ2では多くのゴールでサポーターを沸かせてほしい。

シャドウに関しては候補が多すぎて悩ましいところ。司令塔タイプなら10番の菊池、ポストプレータイプなら大槻、スピードタイプなら武富と選択肢が豊富。ここに、新加入の岡田が割って入るか。そして、2シャドウにはMF登録の梶川や永木も居るので、本当に選択肢が広く競争が激しいポジションとなりそう。

 

■トータル

今年の補強に関しては、全体的に守備陣へ力を入れたという印象を受ける。GKの秋元、DFの丸山は即戦力での獲得だが、新人でも梶川裕がGK、菊池、三竿、福岡がDFで、エデル、石川は守備的なボランチだ。攻撃的なポジションではFWが岡田、宮市の2人だけ(レンタル復帰組は含まずに考える)と圧倒的に守備の選手が多い。しかし、それがチームとしての方向性を明確に示している。

また、DFに関しては大きさもそうだが、足元の技術やスタミナが重要視されているように思う。これは、湘南スタイルを体現できる選手という視点から厳選されたように感じた。

 

そして、こうして見ると湘南が補強する選手の方向性が見えてくる。年齢は25歳以下で、足元の技術があり、(単純なスピードは別として)走力、スタミナがあること。そして、ある程度の高さ(昨年は小兵の選手が多かったため、その反動か?)。また、攻撃だけ、守備だけではなく攻守両面で積極的にプレーができることが獲得条件のようだ。

ただ、ここでは敢えて逆のタイプを求めたい。例えるならば、ACミランの本田圭佑。少しの好きがあれば無理な体制でも強引にシュートを打ってゴールを奪う選手。もし失敗しても、その責任も結果も全てプレーで説き伏せるような選手にも出てきて欲しい。何故ならば昨年の課題はフィニッシュの精度であったことは明白だからだ。

 

その意味では、個人的に中村を推したい。ある意味ふてぶてしさを備えた唯一の存在だ。リハビリが長引いているが、そのサッカーセンスは間違いない。2009年にはチームトップの14得点を記録するなどゴールへの意識も高く、CFでもシャドウでもプレーできる。そう考えると、彼の復帰はチームにとっても大きな戦力アップとなる。それだけに、早期復帰への期待が高まる。

 

 

おもいっきり個人的視点から考える補強選手 湘南ベルマーレ編

おもいっきり個人的視点から考える補強選手 湘南ベルマーレ編

 

湘南のサカつく的原稿。これを書いている間にも鎌田の岡山へのレンタルが決まり、山口のレンタル延長が決まった。まだまだ他にも動きはあると思うが(ハングギョンの移籍も正式発表はまだないけど)、個人的にこの選手は合うんじゃないかと思う選手をセレクト。ちなみに、湘南のスタイルという視点から、若さとコストパフォーマンスを重視した。

 

GK

名前                武田 洋平(C大阪)

生年月日         1987/6/3026歳)

身長/体重       190cm / 81kg

2013年成績      1試合出場(先発0      1失点

 

リーグ戦通算出場試合数は9と少ないが、昨年はC大阪で殆どの試合でベンチ入りし、2012年もGK大阪で後半戦はほぼ全ての試合でベンチ入りする。U-15から各年代で代表に選ばれるなど、実力は折り紙つき。足りないとすればリーグ戦での出場数だけで、ナビスコ杯や天皇杯ではチャンスを得て各チームでもしっかり結果を出しているので問題はない。ウリは190cmというビックスケールでありながら瞬間的な反応の早さ。そして、イケメンであること(笑)

 

DF

名前                大岩 一貴(千葉)

生年月日          1989/8/1724歳)

身長/体重        182cm / 77kg

2013年成績      26試合出場(先発16   1得点

 

大学時代はCBだが、千葉やユニバー代表、ロンドン五輪代表では主に右SBを務める。五輪代表では大型右SBとしての期待も高かったが、本戦ではオーバーエイジ枠で徳永が入ったためバックアップに回った。2012年は33試合出場(先発28)したが昨年は米倉にポジションを奪われたため26試合(先発16)へと出場試機会が減っている。しかし、CBと右SBを兼務できるユーティリティーな能力と、182cmというサイズの大きさは魅力的。また、マルチなプレースタイルはチーム戦術にも合うだろう。

 

MF

名前                村上 巧(愛媛)

生年月日         1989/9/12

身長/体重       176cm / 70kg

2013年成績      38試合出場(先発36   1得点

 

桐光時代はCBで、高さは無いが頑張る印象が残っている。立命館に進学してからはボランチにコンバートされ、愛媛でも1年目からボランチのポジョションを掴むと攻守に活躍する中心的存在に。最近は攻撃面での貢献度が評価されているようだが、昨年は数試合でCBを務めるなど守備でも効く選手。ハードワークもできるし、多くの指揮官が好むタイプではないだろうか。ハングギョンの穴は遠藤を1列上げれば問題解決だと思うが、村上を守備に専念させるのもありかと思う。

 

 

FW

名前                有田 光希(神戸)

生年月日         1991/9/2322歳)

身長/体重       180cm / 80kg

2013年成績      9試合出場(先発1      2得点

 

2012年には愛媛に所属し、37試合出場14得点を記録(湘南戦でも1得点)。2013年、実績を引っさげて神戸に復帰するが、ポポ、マジーニョ、田代、都倉という強力FW陣の前に出場機会を伸ばすことができなかった。今年、再びJ1昇格を果たした神戸は、更なるFWの補強に力を入れているため出場機会が限られる可能性が大。180cmというサイズに加え、両足でのシュートなどCFとしての能力は申し分ないだけに、埋もれさせているのは勿体無い。もう一度修行の旅に出てもいいのではないかと思う。


湘南ベルマーレ 2013シーズン総括

湘南ベルマーレ 2013シーズン総括

 

◆成績

順位        勝点                   引分                   得点        失点        得失点差

16           25           6            7            21           34           62           -28

 

◆選手別出場データ

GK

1 阿部 伸行         

出場試合 13(13)     出場時間 1241       失点数    27           イエロー0(0)           レッド0

21安藤 駿介        

出場試合 10(9)       出場時間 898         失点数    12           イエロー0(0)           レッド0

27鈴木 雄太        

出場試合 0(0)         出場時間 0            失点数    0            イエロー0(0)           レッド0

38アレックス          →シーズン途中加入

出場試合 12(12)     出場時間 1117       失点数    23           イエロー1(0)           レッド1

  南 翔太             →二種登録

出場試合 0(0)         出場時間 0            失点数    0            イエロー0(0)           レッド0

 

DF

2 鎌田 翔雅         

出場試合 21(21)     出場時間 1800       ゴール数  0            イエロー2(0)           レッド0

3 遠藤 航            

出場試合 17(17)     出場時間 1636       ゴール数  3            イエロー2(0)           レッド0

4 宇佐美 宏和     

出場試合 9(8)         出場時間 823         ゴール数  0            イエロー1(0)           レッド0

22大野 和成        

出場試合 32(32)     出場時間 3052       ゴール数  3            イエロー3(0)           レッド0

26亀川 諒史        

出場試合 20(13)     出場時間 1290       ゴール数  1            イエロー3(0)           レッド0

30島村 毅           

出場試合 27(22)     出場時間 2144       ゴール数  2            イエロー5(1)           レッド0

32クォンハンジン    →群馬へ期限付き移籍

出場試合 4(2)         出場時間 266         ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

37三竿 雄斗        

出場試合 0(0)         出場時間 0            ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

 

MF

5 古林 将太         

出場試合 30(26)     出場時間 2511       ゴール数  0            イエロー4(0)           レッド0

6 永木 亮太         

出場試合 33(33)     出場時間 3061       ゴール数  4            イエロー6(0)           レッド0

7 ハングギョン       

出場試合 30(30)     出場時間 2787       ゴール数  0            イエロー8(0)           レッド0

8 高山 薫            

出場試合 32(32)     出場時間 2928       ゴール数  4            イエロー1(0)           レッド0

13岩尾 憲           

出場試合 7(4)         出場時間 409         ゴール数  0            イエロー4(1)           レッド0

14下村 東美        

出場試合 8(2)         出場時間 315         ゴール数  0            イエロー1(0)           レッド0

15岩上 祐三         →松本へ期限付き移籍

出場試合 9(1)         出場時間 219         ゴール数  1            イエロー0(0)           レッド1

20猪狩 佑貴        

出場試合 1(0)         出場時間 15           ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

23梶川 諒太        

出場試合 23(13)     出場時間 1243       ゴール数  2            イエロー1(0)           レッド0

25荒堀 謙次        

出場試合 2(1)         出場時間 56           ゴール数  0            イエロー1(0)           レッド0

34中川 寛斗        

出場試合 7(2)         出場時間 317         ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

36前田 尚輝         →二種登録

出場試合 0(0)         出場時間 0            ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

40大竹 洋平         →シーズン途中加入

出場試合 9(6)         出場時間 631         ゴール数  1            イエロー2(1)           レッド0

 

FW

9 キリノ                 →アル・シャアブ(UAE)へ移籍

出場試合 13(10)     出場時間 990         ゴール数  2            イエロー1(0)           レッド0

9 ステボ                →シーズン途中加入

出場試合 8(2)         出場時間 292         ゴール数  1            イエロー1(0)           レッド0

10菊池 大介        

出場試合 30(23)     出場時間 1935       ゴール数  2            イエロー4(0)           レッド0

16エジバウド        

出場試合 3(1)         出場時間 134         ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

16ウェリントン        

出場試合 16(14)     出場時間 1376       ゴール数  3            イエロー4(0)           レッド0

17馬場 賢治        

出場試合 7(3)         出場時間 311         ゴール数  1            イエロー1(0)           レッド0

18古橋 達弥        

出場試合 7(1)         出場時間 197         ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

19大槻 周平        

出場試合 14(7)       出場時間 556         ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

28武富 孝介        

出場試合 21(14)     出場時間 1134       ゴール数  3            イエロー2(0)           レッド0

29吉濱 遼平         →福島へ期限付き移籍

出場試合 0(0)         出場時間 0            ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

33田村 翔太        

出場試合 0(0)         出場時間 0            ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

35河野 諒祐        

出場試合 1(0)         出場時間 13           ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

39宮市 剛            →特別強化指定

出場試合 0(0)         出場時間 0            ゴール数  0            イエロー0(0)           レッド0

 

※出場試合(カッコ内は先発)、イエロー(カッコ内は1試合×2枚)

 

◆チーム内ランキング

■出場試合(先発)

1        永木 亮太             33(33)

2        大野 和成             32(32)

2        高山 薫                32(32)

4        ハングギョン           30(30)

4        古林 将太             30(26)

4        菊池 大介             30(23)

 

■出場時間

1        永木 亮太             3061

2        大野 和成             3052

3        高山 薫                2928

4        ハングギョン           2787

5        島村 毅                2144

 

■ゴール

1        永木 亮太            4

1        高山 薫               4

3        遠藤 航               3

3        大野 和成            3

3        武富 孝介            3

3        ウェリントン            3

 

 

■アシスト

1        古林 将太             5

2        永木 亮太             2

2        遠藤 航                2

2        キリノ                    2

※アシストは2位上を集計

 

■カード(1試合×2枚)

1        ハングギョン           8(0)

1        永木 亮太             6(0)

3        島村 毅                5(1)

4        古林 将太             4(0)

4        菊池 大介             4(0)

4        ウェリントン             4(0)

 

◆シーズン総括

開幕戦では、横浜FMを相手に前半を1-1で折り返すと、後半もキリノの得点で2-1とリードした。しかし、その後は徐々に横浜FMにペースを握られ再び逆転を許し敗戦した。開幕戦での内容に手応えを掴んだ湘南は、続く第2節の鳥栖戦、第3節の清水戦では先制することに成功、その後追いつかれはしたが2戦連続で引き分け勝ち点2を積み重ねた。しかし、その後も苦しい試合展開が続く。リーグ戦では開幕から6戦未勝利(ナビスコ杯での初勝利は予選第3節の甲府戦でリーグ戦よりも先)と、なかなか勝利に恵まれなかった。それでも、どんな状況にあっても90分最後まで走り切るスタイルは上位を相手にしても見劣りをしなかった。それだけに、早い段階で結果がついてくれば…という惜しい戦況が続いた。

そんな中、怪我で離脱していた遠藤がようやく復帰。すると、第16節の甲府、第18節には川崎Fから勝利を奪い、一度は15位に浮上し降格圏を抜けた。だが、エースFWキリノのUAE移籍を経て、その後は再び降格圏へ沈んだままとなる。終盤戦、第29節にはC大阪に敗れ、そのまま連敗を続けると第32節のF東京戦での敗戦で遂に降格が決定。残念ながら、またしても1年でJ2へ戻ることになった。

 

◆データから見た2013シーズン

まず目につくのが…と言いたいところだが、手持ちのデータではポジティブなところを探すほうが難しい。まあ裏を返せば、そこが一番の特徴とも言える。

 

得点はワースト3位(甲府30、大分31、湘南34)、失点も3番めに多い(大分67、鳥栖63、湘南62)。となれば降格もやむ無しといったところだろう。しかし、それぞれの試合結果をよく見ると1点差の敗戦が11試合もある点に注目したい。これは湘南の掲げる90分間ハードワークするというチームスタイルが完全に浸透しているということの現れだろう。ほんの僅かな差、一瞬の隙を突かれての失点、そして敗戦。試合内容では相手を凌駕し善戦したのに惜しくも結果がついてこない。そういうイメージが2013シーズンで強く残るのもそのためではなだろうか。

ただ、ここにもう一つのポイントがある。労を惜しまず走ることを続け僅差のゲームを演じた反面、無失点で試合を終えたのが僅かに2試合しかない。つまり、守り切ることが苦手で、1試合1失点以上は確実にするということになる。特に残留のためには重要となる後半戦に限ってみると、17試合で完封が一度もないという状況だった。これでは勝ち点を伸ばすのはなかなか難しい。

 

その理由として外せないのはGKDFの出場試合数。GKに関しては、開幕戦の阿部(13試合)につづいて、シーズン途中からは安藤(10試合)、移籍加入のアレックス(12試合)と10試合前後で3人の選手が起用されている。調子のいい選手を起用するという監督の意図は判る。しかし、彼らのプレースタイルの違いに加え、アレックスは日本語に長けているとは言いがたいことから、最終ラインとの連携もやや乏しく感じた。DFに関しては遠藤の怪我が大きく影響したのは間違いないだろう。また、J2時代には遠藤のビルドアップ(縦パス)から攻撃のスイッチが入るというシーンも多く、遠藤の欠場は守備だけでなくチームに大きな影響を及ぼしていたのは間違いないだろう。

 

一方の攻撃に目を向けると、ゴール数が34と失点数(67)を大きく下回っていることが分かる。得失点-28は、前回のJ12010シーズンは31得点82失点で得失点-51)に比べれば健闘したといえるが、満足な数字とは言いにくい。というのは、もしもこの得点数が失点数にもう少し近い数字であれば、あと何試合かは苦しいゲームでも勝ち点を重ねることができた可能性がある。例えば、鳥栖は63失点しているが、54得点して12位(勝ち点46)、柏は59失点しているが、56得点して10位(勝ち点48)にいる。このことからも分かるように、失点が多少多くても得点力がある程度あれば、(勝ち点25よりも)もう少し上積みすることができたと思われる。

その意味では、湘南の攻撃陣の不振が目立つ。チーム最多は4ゴールで永木と高山。しかし、彼らはいずれも中盤の選手で、3得点の遠藤と大野はDFで、FWの選手の名前が見当たらない(シーズン途中でキリノが移籍したことも影響したかもしれないが…)。ちなみに、チーム内で2桁得点の選手が居なかったクラブは、大分、磐田、湘南、甲府、清水の5チーム。しかも、そのうち3クラブ全てが降格していることから、得点力(もしくは、エースストライカー)がいかに大事かというのが分かると思う。

 

話は少し脱線するが、湘南と同じシステムを採用しているチームを参考にしたい。J1 には浦和と広島というサンプルがある。浦和の場合は、失点が56もあるが、得点は66と攻撃力で相手を凌駕している。そして、広島に関しては失点29とリーグ最強の守備を持っている。攻撃の浦和、守備の広島と表現すると分かりやすいだろう。となれば、同じ[3-4-3]システムを採用する湘南としては、攻撃力に特化した浦和スタイルか、守備に特化した広島スタイルか、どちらかのテイストを湘南スタイルに少し混ぜ込んでいくということが次のステップに進む一番の近道と思われる。

まあ、今のチームスタイルからすると、守備に力を注ぐよりも、失点を気にせず攻撃で相手を凌駕する浦和スタイルのほうがチームにはフィットしやすそうだけども…

 

出場試合数に関して言えば、永木、高山、古林、菊池とチョウ監督が育成時代に指導してきたチルドレンたちが名を連ねる。この点は、いかにも湘南らしいといえる。監督の好むプレースタイル、意図や考えを育成年代から叩きこまれ、熟知するからこそ、チームにいちはやくフィットした。資金力に恵まれないクラブは自前で育てていくしか道は残されていないため、高い移籍金を払って選手を買うようなことができない以上、新卒やユースといったところからしっかり使える選手を出していかなければならない。特に湘南のような小クラブの宿命かもしれない。その意味では、この結果は当然とも言えるし、育成というクラブの方針がしっかりと出ていることを数字も証明している。

 

新シーズンはJ2で戦うことが決まっている湘南。こう言っては何だが、他クラブからは昇格候補として見られ厳しいマークにあうことだろう。それでも、J1クラブと比べれば相手の決定力や守備レベルは確実に下がるため、2013年のような守備に追われる試合展開は少ないだろう。しかし、現段階で既に主力の数人が移籍(もしくはレンタルバック)することが決まっている。特に高山、ハングギョン(はまだ報道だけだが)、大野の穴は大きい。その穴を埋めるのは誰か?現有戦力から出てくるのか、それとも新戦力を獲得するのかは分からないが、GKを含めたセンターラインの形成は急務だろう(と書いていたら、愛媛よりGK秋元の加入と、新年早々にFC東京よりDF丸山加入のリリース)。しかし、その穴を埋めることができればJ2での結果もしっかりと付いて来るだろう。また、新人には期待できそうな選手が多いので、彼らの活躍が楽しみでもある。

 

 

MVP

永木 亮太

出場停止となった試合以外の全てで先発し、出場試合、出場時間、ゴールの3部門でチームトップを記録。ボランチを主戦場に攻守で獅子奮迅の働きをした。いまやチームの顔として誰もが納得のプレーをしている。J1では守備に追われるようなゲーム展開も多く、自陣へと走るシーンも多かった。しかし、そこからの切り替えは素早く、時には相手ゴールエリアまで詰めていくスタイルは精神的にもタフでなければできないだけに、そうした手を抜かない勤勉なスタイルには頭がさがる。しかも、試合展開によってはトップ下に入って攻撃面でも変化を与えるなど、攻守で特徴を発揮。守れるだけで無く、90分走れて、攻撃もできる、三拍子揃った万能選手といえるだろう。ただ、個人的にはもう少しシュートへの意識を上げることを注文したい。ミドルレンジであってもコースが見えたら狙う。そうすれば、パスの選択肢も増えるし、プレーの幅も今以上に広がる。そして、個人としてもチームとしてもゴール数はもっと増えるように思う。体重の乗った重みのあるシュートは、枠内にさえ入ればGKのファンブルも狙えるだけに貢献度はもっと高くなるだろう。

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