2013シーズン J1リーグ戦30試合以上出場人数

 

1位:

広島 9人(西川周作33、水本裕貴34、千葉和彦34、塩谷司34、青山敏弘33、森崎和幸33、高萩洋次郎31、石原直樹33、佐藤寿人34

29試合が1人(ミキッチ)

 

2位:

横浜FM 10人(榎本哲也33、栗原勇蔵31、ドゥトラ33、小林祐三33、中澤佑二34、兵藤慎剛33、中町公祐33、中村俊輔33、マルキーニョス32、藤田祥史32

29試合が1人(富澤清太郎)、28試合が1人(齋藤学)

 

3位:

川崎F 3人(田中裕介31、山本真希33、大久保嘉人33

29試合が2人(中村憲剛、登里享平)、28試合が1人(レナト)

 

4位:

C大阪 7人(キムジンヒョン34、扇原貴宏32、山口螢34、柿谷曜一朗34、丸橋祐介31、シンプリシオ31、杉本健勇)

29試合が2人(酒本憲幸、南野拓実)、28試合が2人(藤本康太、エジノ)

 

5位:

鹿島 6人(曽ヶ端準34、青木剛34、柴崎岳34、小笠原満男33、ジュニーニョ30、大迫勇也33

29試合が1人(西大伍)、28試合が1人(遠藤康)

 

6位:

浦和 9人(那須大亮32、槙野智章34、森脇良太33、宇賀神友弥31、柏木陽介34、鈴木啓太30、阿部勇樹33、原口元気33、興梠慎三33

28試合が1人(梅崎司)

 

7位:

新潟 8人(大井健太郎33、金珍洙31、三門雄大34、レオシルバ32、成岡翔34、田中亜土夢33、田中達也32、川又堅碁32

 

8位:

F東京 10人(権田修一33、徳永悠平34、森重真人33、太田宏介34、高橋秀人32、米本拓司33、長谷川アーリアジャスール32、東慶悟32、渡邉千真33、ルーカス34

 

9位:

清水 6人(平岡康裕30、村松大輔33、杉山浩太30、石毛秀樹32、河井陽介32、高木俊幸30

28試合が1人(吉田豊)

 

10位:

柏 5人(菅野孝憲33、近藤直也31、大谷秀和31、工藤壮人33、田中順也32

 

11位:

名古屋 5人(楢崎正剛34、阿部翔平32、田中隼磨34、小川佳純33、玉田圭司31田)

29試合が2人(ダニルソン、矢野貴章)、28試合が2人(増川隆洋、藤本淳吾)

 

12位:

鳥栖 6人(丹羽竜平33、金民友33、藤田直之31、高橋義希34、豊田陽平33、池田圭31

29試合が1人(呂成海)

 

13位:

仙台 5人(林卓人34、梁勇基30、太田吉彰34、富田晋伍32、ウイルソン30

29試合が1人(鎌田次郎)、28試合が1人(赤嶺真吾)

 

14位:

大宮 5人(菊地光将34、下平匠30、高橋祥平32、渡邉大剛33、チョヨンチョル33

28試合が1人(青木拓矢)

 

15位:

甲府 3人(福田健介32、佐々木翔33、柏好文34

29試合が2人(青山直晃、山本英臣)

 

16位:

湘南 6人(大野和成32、古林将太30、永木亮太33、ハングギョン30、高山薫32、菊池大介30

 

17位:

磐田 6人(駒野友一34、藤田義明32、小林裕紀31、山田大記30、金園英学30、前田遼一33

 

18位:

大分 1人(森島康仁30

29試合が1人(ロドリゴマンシャ)、28試合が2人(チェジョンハン、高松大樹)

 

 

30試合以上出場した選手が多かったクラブ

1位 横浜FM2位) 10人(榎本、栗原、ドゥトラ、小林、中澤、兵藤、中町、中村、マルキーニョス、藤田)

1位 F東京(8位)  10人(権田、徳永、森重、大田、高橋、米本、アーリア、東、渡邉、ルーカス)

3位 広島(2位)    9人(西川、水本、千葉、塩谷、青山、森崎和、高萩、石原、佐藤)

3位 浦和(6位)    9人(那須、槙野、森脇、宇賀神、柏木、鈴木、阿部、原口、興梠)

5位 新潟(7位)    8人(大井、キムジンス、三門、レオシルバ、成岡、田中亜、田中達、川又)

 

 

30試合以上出場した選手が少なかったクラブ

1位 大分(18位)  1人(森島)

2位 甲府(15位)  3人(福田、佐々木、柏)

2位 川崎F3位)  3人(田中、山本、大久保)

4位 大宮(14位)  5人(菊地、下平、高橋、渡邉、チョヨンチョル)

4位 仙台(13位)  5人(林、リャン、大田、富田、ウィルソン)

4位 柏(10位)   5人(菅野、近藤、大谷、工藤、田中)

 

■考察

単純に数字を見て思うのは、上位チームほど30試合以上出場した選手が多く、下位に向かうほど30試合以上出場した選手が少なくなっている。上位と下位を分けているのは6人。

4位に入ったC大阪が7人居るのに対して、6人だった17位磐田と16位湘南が降格している。また、5人以下のクラブはほとんどが10位以下になっている。裏を返せば、7人以上が30試合に出場するような状況(先発がある程度固定されるような状況)にあれば、リーグ戦では上位争いに加わることができると考えてもいいだろう。

別の言い方をすれば、30試合以上出場している選手が少ないクラブというのは、途中で補強などをしてチームを立て直したり、怪我人が出て控え選手がポジションを得たりしたチーム(中には若手が伸びたというチームもあるが)。しかし、それでも賞金圏内(6位以内)に入り込むのは相当難しいというのが証明されている。そして同時に、30試合以上出場している選手が多いクラブは、開幕前からある程度プラン通りにシーズンを戦えたということの現れでもあり、上位を狙うならば開幕前からのチームつくりがとても大事であるということが分かる。

しかし、その中でも例外はある。それが、川崎FFC東京。この2クラブには他に何か強い要素が加わったと思われる。これを解明するのは僕のこれからの課題。

 

30試合以上出場した選手が多かった

1位は、横浜FMFC東京が10人で最多となる。共にほぼスタメンが固定されていた印象で、そのまま数字に反映された。横浜FMはスーパーサブの藤田以外はほぼ固定のメンバーで、チーム全体の決め事もしっかり浸透されていたことが、あの堅守を形成していた要因になった可能性が高い。一方のFC東京は、ほぼメンバーが固定されていたものの順位は8位と振るわず。しかも、現役日本代表選手はFC東京が5人(権田、森重、高橋、徳永、東)も在籍している(一方で、横浜FM栗原、斎藤の2人)。

またメンバーが固定されることのメリットとして得点の高さがありそうだ。FC東京には渡邊、横浜FMにはマルキーニョスがエースとして君臨。互いの癖を理解したチームメイトの分厚いサポートを得て得点王争いを演じた。そう考えると、この2チームの差はどこにあったのか?結果、成績へと影響をした理由が気になるところ。

 

3位の広島と浦和はしっかりと最後まで上位争いに加わり、上位でフィニッシュ。そして、共に同じ[343]システムを採用するチームというのが面白い。しかし、この2チームはコンセプトが少し違う。起用されるポジションがほぼ固定されている広島に対して、浦和は2つ以上(復数)のポジションをこなしている選手が多いのが特徴ではないだろうか。そしてこの結果から見えてくるのは、チームで足りないポジションだ。広島はワイドのポジションで、浦和はGKに加え、トップ下と右ワイドになりそうだ。

 

5位の新潟は後半戦の追い上げが印象に残るチーム。もともと軸となる選手が居たところに、DFの川口尚紀(22試合)と舞行龍ジェームズ(14試合)が成長し、最終ラインを固定できたことで守備が安定したように思われる。彼らが30試合以上出場するようになれば、もっとシーズンを通して勝ち点を積み重ねる可能性が高い。また、前半戦は交代要員だった川又が、後半戦では先発の座を完全に掴んだのも大きいだろう。

 

 

30試合以上出場した選手が少なかった部門、

1位は大分。怪我人が多かったことも影響したと思われる。また、なかなか勝利に恵まれず成績が出ないことで指揮官が何度も頭を抱え試行錯誤した。その結果、システムの変更、先発起用の選手も代えたりと大変だっただろう。それでも、29試合出場のロドリゴ・マンシャや、28試合出場のチェ・ジョンハン、高松らが軸となり奮闘してチームを牽引していたことが分かる。

 

2位は甲府。やはり最後まで残留争いに巻き込まれたチーム。こちらもメンバーが固定できるのが遅かった印象を受ける。それでも守備に関しては、佐々木(33試合)に加え、青山と山本(29試合)が堅守を誇ったのが残留できた要因だろう。逆に言えば課題は明確。ジウシーニョ、パトリックが加入するまで決め手に欠けたFW陣が固定できれば、残留争いからは抜け出せるかも。

 

2位に川崎Fが居るが、この記録の中では最大のサプライズ。他のクラブと違うのは3位でフィニッシュしている点。これはとても興味深いデータ。開幕からずっと怪我人に泣かされ続けたのは間違いない。特にGKCBが固定できなかったのは痛い。しかし、そうした状況にありながらも、登里や田中の起用ポジションを変えたり、システムを変えたりして上手くやりくりをして切り抜けることができた。これは、風間監督の采配力ということになる。

 

4位は大宮、仙台、柏。

初のACL出場を果たした仙台に関してはスケジュール的にもタイト。ある程度、主力選手を入れ替えながら起用しなければならなかったこともあり、この数字は仕方がないのかなという印象。やはりACLに出るというのはリーグ戦を戦う上で体力的にも相当な負担。さらに言えば怪我などのリスクが伴うというのが、この数字からもよく分かる。

 

柏は看板である両外国人がシーズンを通して使えなかった。怪我などの問題も有り、万全の状態でプレーできなかったことでチームとしての推進力を大きく削いだように思う。また監督の辞任表明などゴタゴタしたのも影響したのかもしれない。

 

大宮は2トップ(ズラタン27試合、ノヴァコヴィッチ26試合)が30試合以上に出ていればもう少し結果が違っていたようにも思うが、正直なところはよく判らない。というか、前半戦と後半戦ではまるで別のチームになった。指揮官の交代もゴタゴタも不可解だった。