■2014年 ナビスコ杯 GL第1節
清水エスパルス vs ヴェガルタ仙台 MR
3月19日 IAIスタジアム日本平 19時00分~
■メンバー
◇清水
先発:
GK 1櫛引 政敏
DF28吉田 豊
DF 3平岡 康裕
DF17河井 陽介
MF16六平 光成
MF 4カルフィン ヨン ア ピン
MF20竹内 涼
MF24高木 純平
FW10大前 元紀
FW23高木 善朗
FW 9長沢 駿
サブ:
GK31三浦 雄也
DF 2イ キジェ
DF25三浦 弦太
MF 5村松 大輔
MF 8石毛 秀樹
FW18ノヴァコヴィッチ
FW30金子 翔太
監督:
アフシン ゴトビ
◇仙台
先発:
GK22ヴコヴィッチ
DF33石川 大徳
DF 3渡辺 広大
DF 5石川 直樹
DF23二見 宏志
MF 8マグリンチィ
MF 2鎌田 次郎
MF17富田 晋伍
MF20八反田 康平
MF19武藤 雄樹
FW24赤嶺 真吾
サブ:
GK 1桜井 繁
DF15鈴木 規郎
MF27武井 択也
MF26藤村 慶太
MF14佐々木 勇人
FW28山本 大貴
FW 9中原 貴之
監督:
グラハム アーノルド
■フォーメーション
◇清水
----------長沢---------
高木善---高木純-----大前
-----六平----竹内------
河井--平岡---ヤコ---吉田
----------櫛引---------
◇仙台
----------赤嶺---------
八反田----武藤------マグ
------富田---鎌田------
二見—石川直-渡辺—石川大
----------ヴコ---------
■スタッツ
□得点
◇清水:長沢 駿(21分)、大前 元紀(32分)、ノヴァコヴィッチ(68分、74分)
□警告・退場
◇仙台:
84分 中原 貴之
■交代
◇清水
61分 高木 純平 → ノヴァコヴィッチ
73分 大前 元紀 → 金子 翔太
79分 河井 陽介 → イ キジェ
◇仙台
46分 二見 宏志 → 武井 択也
73分 赤嶺 真吾 → 中原 貴之
73分 八反田 康平 → 佐々木 勇人
■レポート
終わってみれば4-0の大勝。しかし、試合の立ち上がりは仙台が攻勢を仕掛けた。特に、19分までに武藤が放ったシュートは3本。そのうち、どれか1つでも決まっていれば流れは仙台に傾いていた可能性は大いにあった。そういう意味では、立ち上がりに不安の残る内容はこれまでの清水の課題であり、そうした点は相変わらず悪い癖が抜けていないと感じた。また、終わってみればシュート数は12本と同数。仙台側からしてみれば先制点が決まっていれば結果は違っていたかも…という内容だったに違いない。それだけに最後は決定力の差が出たということだろう。
先制点は清水だった。右サイドから吉田が縦への意識をみせる。高木純にクサビを入れると、簡単に落としたボールを再び吉田が受けクロスを上げる。すると、ファーサイドで待っていた長沢がCB2人の間でヘディングシュートを放つ。ボールはネットを揺らし待望の今季初ゴールが生まれた。高木純は、「ぶっつけ」と謙遜したが、このコンビネーションからのゴールが流れを変えた。しかも、これまでの清水にない、バイタルエリアへトライする縦パス、そこからの落としとクロスからのシュートという流れは基本的な動きをしっかりこなした結果。その意味では、育成年代から何度も習ってきた動きを単純に表現しただけでゴールが生まれる。何も特別なことをしなくても、それだけのタレントが居るという意味にもなる。
追加点は32分。PE手前で得たFKを大前が直接シュートを狙い決めた。欲しい時間帯での2点目。彼のスキルはこういうところでも発揮されるし、大事な場面をよく判っていた。その結果、最後は4-0という大量得点になった。しかし、毎回こうも簡単に得点が取れるわけではない。リズムが作れず苦しい展開。必死に守って守ってからの1チャンスに掛けるというゲームもシーズン中には何度かある。そういう時に、大前のような武器は大変重宝される。例に出すまでもなく、横浜FMの中村など飛び抜けた一芸があるということは、それだけでチームをピンチから救うことがある。その意味では、大前は自分の仕事をしっかりしてくれた。
その後の追加点は助っ人FWのノヴァコヴィッチが決めた。しかも、2本のシュートで2得点という大変効率のいい仕事だった。だが、これは意外と難しい。どんなに簡単な場面、フリーの状況でもGKとの駆け引きがあり、また少しでも判断が遅れればシュートは決まらない。そういう中で、簡単に見える状況で、しっかり2ゴールを決める能力というのはやはりベテランらしいし、これからの活躍にも期待ができる。
こうしてみると総じて攻撃陣が目立った試合ではあったが、その裏には献身的な守備があったことを忘れてはならない。特に最終ラインの平岡は90分間、細かく支持を出し修正を加え、しっかり前に跳ね返すという仕事を黙々と続けた。そして、前線では高木純がハイプレスを仕掛け足がつるギリギリまで走った結果でもある。そうした理由から、個人的にはこの試合のMOMは高木純にしたいと思う。ナビスコ杯は若手の登竜門ではあるが、奇しくもこの試合ではベテラン勢が存在感を示した。ゴールという結果こそ出ていないが、今後のリーグ戦でも十分戦力になるというアピールをしたと思う。
(C) 2014 tomo2take